商店街は防犯カメラを補助金で導入!流れと注意点を解説
商店街も近年は防犯カメラの導入が拡大しています。しかし、商店街管理組合の中には十分な予算を毎年確保することができない現状もあり、防犯カメラの導入が進まないところも少なくありません。
そこで、今回おすすめするのは補助金で防犯カメラを商店街に導入することです。ここでは初めて補助金の存在を知った管理組合の担当者に向けて、補助金の大まかな流れや注意点・ポイントなどを解説します。
全国の商店街に求められる防犯カメラの導入
近年は全国の商店街で防犯カメラの導入が求められていますが、その背景には「凶悪事件の増加」が挙げられます。2000年以前と以後では日本における犯罪の中身が大きく変わっているのはご存知でしょうか。
グローバリゼーションを果たした日本には毎年多くの外国人がやってきます。アメリカで起きた犯罪は3年後に日本で起きると言われるように、これまで日本にはなかった新しい犯罪が昨今は増えている印象を受けます。
そのため、不特定多数の人が行き交う商店街は犯罪現場になりやすく、管理組合は細心の注意を払いつつ安全管理に努めなければなりません。
国・自治体が実施する補助金と助成金の違い
防犯カメラの導入にあたり、国や自治体から補助を受けたい商店街は、「補助金」と「助成金」の違いをまずは覚えておく必要があります。
「補助金」とは国や自治体が予算上限や台数など制限を設けて申請者に補助金を交付します。そのため、交付申請書を出したあとに審査があり、審査に通過しないことも普通にあります。
一方で「助成金」とは審査条件をクリアしていれば、誰もが補助を受けることができる制度となります。非常に便利ではありますが、頻繁に実施しているものではありませんし、実施開始から締め切りまでの期間も短いため、定期的に実施の可否を経済産業省や自治体ホームぺージで確かめるのがいいでしょう。
商店街の防犯カメラの補助金とは。「商店街施設整備事業補助金」
商店街を対象とした補助金は国・自治体で幾つかあり、それぞれ異なる制度名となりますが、その中でも代表な補助金制度が「商店街施設整備事業補助金」です。ほぼ同じ名前の補助金制度で各自治体が定期的に実施しているはずなので、確かめてみるといいでしょう。
この商店街施設整備事業補助金は地域振興及び地域住民の安心安全の町づくりを目的としており、商店街などアーケード街の活性化に関して補助金が下ります。
国・自治体の補助金制度によって名称や申請・交付条件が異なる
上記では商店街施設整備事業補助金をご紹介しましたが、他にも商店街が受けられる補助金は多種あります。補助金の名目は主に地域振興系と地域安全・防犯系となりますので、これらの補助金制度の実施がホームぺージで公開されたら、よく申請対象や条件を熟読してみてください。
また、補助金制度によって補助率や補助内容も大きく変わることに注意してください。例えばA補助金はカメラ1台当たり3分1の補助率となりますが、B補助金は1台当り5分4も出るなど、大きく補助率が変わることがあります。
しかし、A補助金は新設・買い替え・修繕費などに補助金を充てられる一方、B補助金は防犯カメラの新設のみで、既存の買い替えや修繕には充てられない、といった条件がある場合も想定できます。
ご覧のように交付条件は補助金制度によって異なるため、ガイドラインや補助金要綱はしっかりと把握する必要があります。
商店街が防犯カメラの補助金を受ける注意点
国や自治体の補助金は一般的には民間企業には適用されず、商店街や自治会町内会、福祉施設を対象としています。そのため、補助金制度の多くは商店街が対象になるものの、正式に補助金の審査を通るためには幾つかの注意事項もあります。
補助金や助成金は後払い。予算取りはしっかりと
補助金や助成金は審査に通過したあと直ちに補助額が支払われるわけではなく、防犯カメラの設置が完了した後に銀行振込で還付されます。そのため、補助金を充てにするのはかまいませんが、今期の予算は導入費用分確保しなければなりません。
商店街管理組合の中で防犯カメラを管理・操作する人を決める
どの補助金制度でも必ず要求されるのが、「防犯カメラの管理責任を負う担当者」と「防犯カメラの操作をする担当者」を決めることです。商店街が防犯カメラを導入する場合は、多くの一般通行人を映すことになるので、プライバシー保護をよく理解した人がデータの管理にあたり、防犯カメラを操作する人は多少なりとも機械の知識が必要となります。
防犯カメラの管理・操作する人はいずれも昨今の世論や情報に敏感な若い世代が担当するのが望ましいでしょう。
商店街の管理組合・団体の防犯カメラ補助金導入の流れ
商店街の管理組合・団体が防犯カメラの導入にあたって補助金を受ける際の大まかな流れや注意点を下記に紹介します。補助金の申請期間は6か月くらいと短い上、逐一自治体のホームページを確認していないと実施直後に気づくことはできませんので、実際に申請書類を準備・提出するまでは1~3か月くらいの猶予しかないと思っていた方がいいでしょう。
1.防犯カメラを設置する事業計画の確認
まずは交付申請書と一緒に必ず作成しなければならないのが「防犯カメラの設置事業計画書」です。
・防犯カメラを設置する目的
・防犯カメラを設置する場所
・防犯カメラを設置する台数
・防犯カメラの運用方法
などをまとめた書類となります。また、設置場所を決めるにあたって、防犯カメラの設置を想定している土地オーナーから許諾を受ける必要があります。もし土地オーナーがカメラの設置を認めなければ、設置事業自体がとん挫してしまう可能性があるため、設置許諾の可否はなるべく早めに解決しておいてください。
2.補助金の交付申請書の必要書類の準備~販売店に相談を
補助金の交付申請書の必要書類は上記の事業計画書以外にもたくさんあり、それを商店街管理組合の人達だけで集めるのは少々困難です。
そのため、この時点で防犯カメラの販売店に依頼して、購入する代わりに必要書類の準備を手伝ってもらうといいでしょう。もちろん購入は審査を通過して補助金が下りることが分かった後ですが、そのあたりは販売店の担当者もよく理解しているのでトラブルになることはないでしょう。
3.補助金の交付申請書類の提出&審査
補助金の交付申請書類をすべて用意できたら、なるべく早く自治体窓口に提出しましょう。また、提出する前に補助金の対象や内容、上限台数など、すべて条件がクリアしているかをもう一度確認してください。
また、上記でも触れましたが、この時点ではまだ審査に通過するかどうか分かりませんので、防犯カメラ機器を購入してはいけません。
4.交付額の決定通知。防犯カメラの設置工事着手
審査に合格して交付額の決定通知が来たら、速やかに防犯カメラの販売店に報告して、契約を結んだのち、設置工事に着手してください。
補助金の交付が決定してから防犯カメラの設置完了期限まではそれほどの猶予はありませんので、工事日程の打ち合わせも迅速に行うのがいいでしょう。
まとめ:商店街は補助金を有効利用して防犯カメラの導入へ
商店街は暴力の伴う凶悪犯罪や死角における放火、テナントへの嫌がらせなどが近年多発します。防犯カメラは人々を監視するためではなく、こういった犯罪を未然に防ぐためのセキュリティ対策であることを念頭に、適材適所に設置することが推奨されます。