ビジネスホテルに監視カメラを設置。廊下や部屋の事例と導入予算
ビジネスホテルにおける防犯対策として最重要となる防犯グッズの1つが「監視カメラ(防犯カメラ)」となりますが、防犯カメラの新設・買い替えを検討しているビジネスホテルの担当者には「いままで大きな事件が起きたことはないから、いまいち監視カメラの目的や効果が分からない」、「年々予算が減っているから、なるべく初期費用や維持費を抑えたい」と考える人も多くいます。
そこで、今回は監視カメラを設置する目的や効果、安く導入・運用するポイントや注意点を詳しく解説します。
ビジネスホテルに監視カメラを設置する目的
近年は防犯目的に監視カメラ(防犯カメラ)を設置するビジネスホテルも大分普及してきました。ビジネスホテルのような有人の管理人や従業員がいる宿泊施設では、監視カメラの設置は法律的に必須ではありません。
しかし、日本も近年はグローバル化が押し寄せ大勢の外国人が流入し、新しい犯罪が増え、さらに凶悪化してきました。監視カメラは「事件や事故の後に証拠を押さえるための機器」と勘違いしている人も多いですが、監視カメラの目的は「犯罪を未然に防ぐこと」にあります。
ビジネスホテルを犯罪現場にさせないことが大切
監視カメラを効果的に設置することで、これから犯罪を企てる不審者が「このビジネスホテルに侵入すると逮捕されるリスクが高い」と侵入をやめることが目的です。
さらに侵入を果たした犯罪者に対しても、監視カメラの音声機能などで威嚇して撃退も可能です。ネットが普及した近年ではちょっとした事件や事故もSNSで拡散されます。犯罪現場となったビジネスホテルの運営は困難となるので、いかに犯罪を犯させないビジネスホテル環境を構築するかが重要です。
ビジネスホテルで監視カメラを室内に設置する効果的な場所とは?
ビジネスホテルの室内に監視カメラ(防犯カメラ)の設置を検討する場合は、下記の条件に当てはまる場所を第一に考えるといいでしょう。
- 不特定多数の人が自由に出入りできる玄関口
- 利用者が行き交う廊下やエレベーターといった公共の場所
- 個人情報や重要書類・現金などが保管されている場所
などが優先して監視カメラを設置すべき場所となります。
ただし、闇雲に設置すればいいというわけではありません。レセプションに設置するにしても、設置する場所や向き・高さ・角度の理解も必要ですし、監視カメラの機種や機能、レンズの種類も考慮しなければなりません。
そのため、ビジネスホテルで監視カメラを最小限の台数・予算で導入したいのであれば、まずは販売店に相談してプロに周辺環境の調査を依頼するのがおすすめです。
ビジネスホテルで部屋に監視カメラを設置する注意点
ビジネスホテルで部屋に監視カメラを設置する場合、まず留意してほしい点が「宿泊者の部屋(客室)には監視カメラを設置してはいけない」ことです。たとえ宿泊者を守るためとはいえ、プライバシーの塊である部屋の中に監視カメラを設置してはいけません。
ビジネスホテルにおいて「廊下」は非常に重要な監視カメラの設置場所
ビジネスホテルでレセプションと併せて重要となる監視カメラの設置スポットが「廊下」です。宿泊者と部外者、不審人物が行き交う場所となり、犯行する際に必ず通る道でもあるため、廊下へのカメラ設置は必須です。
監視カメラを選ぶ注意点としては、「行き交う人の顔が鮮明に分かる」ことと「死角が生まれないようにする」ことです。レンズの性能や本体の画質が高い最新の機種を選ぶべきと言えます。
一般的なビジネスホテルに必要な設置費用や台数とは?
一般的なビジネスホテルに必要な監視カメラの台数は10~20台となります。既に導入しているホテルは一斉に買い替えをする必要はないので、毎年数台ずつ新しい機種に入れ替えをするのが良いでしょう。もちろんリースを組めるのであれば、工事費もすべてリースに組み込めるため、一斉に買い替えをするのがおすすめです。
また、それほど古くない限りモニターも既存のものを使い続けることができますし、室内設置であれば工事費用もそれほど掛かりません。
設置費用は選定する監視カメラの機種や台数、工事内容によって大きく変わりますが、目安としては1台8~15万円となります。リース契約は4年から6年の間で組むことができますが、近年は監視カメラ市場の発展も著しく、2年に1度は最新の機能を兼ね備えた機種が発売されるので、購入するタイミングはよく検討が必要です。
ビジネスホテルの監視カメラの保存期間はどのくらいが適切?
ビジネスホテルが監視カメラを日々運用する場合、気になるのが録画映像の保存期間です。事件発覚後すぐに警察等が動いて解決するのであればいいのですが、ある程度日数が経ってから事件が明るみになることもあります。
警察が録画映像をビジネスホテル側に求める際は任意提出となりますが、原則は提出するべきとなります。ただし、提出する際に「事件当日の録画映像が上書きされて消えていました」ではビジネスホテル側の管理責任問題にも発展します。
ビジネスホテル側が監視カメラの録画映像を保存する期間は、おおむね1ヵ月程度が適切と考えられています。ちなみに個人や一般企業のオフィスなどは10日前後が平均となりますが、直接顧客とサービスを提供しているビジネスホテルや小売り店はそれよりも長い期間録画保存しておくのが定番です。
録画映像はクラウドに保存するのもおすすめ
録画映像は通常はレコーダーに内蔵されているHDDやSSDに保存されますが、近年はネット上のオンラインストレージに保存する「クラウド」に対応している監視カメラも増えてきました。ネットワークカメラである必要があるものの、レコーダーのような物理メモリを設置する必要がないので、犯罪者に襲撃されたときに監視カメラ本体やレコーダーを破壊されたとしても、録画映像は残すことができます。
一方でクラウド(オンラインストレージ)の利用は月額費用がかかるので、真剣に検討するのであれば販売店に相談してみるのが良いでしょう。
ビジネスホテルに知ってほしい初期費用を抑える方法
監視カメラ(防犯カメラ)の初期費用を安く抑えたいビジネスホテルの調達担当者は、以下のポイントを踏まえて導入方法を検討するのがおすすめです。
販売店のレンタルプランを利用する
リース契約はリース会社とビジネスホテルとの契約となるため途中解約ができません。しかし、販売店が独自で用意しているレンタルプランであれば、料金プランによっていつでも解約することができます。
レンタルプランは一般的に月額使用料を支払いますが、10台前後レンタルしても1か月の費用は2~3万円前後です。長い目で見ると高くついてしまいますが、その場合は既存に設置したカメラをそのまま買い取ることもできます。
設置場所によって機種を変える
防犯カメラも近年は入れ替わりが早く、数多くのメーカーが販売しているため、機種によって価格差も大きくなっています。そのため、あまり性能が求められない場所に最新機種を設置するなど、オーバースペックにならないように適材適所の機種を逐一吟味するのが初期費用を抑えるコツとなります。
まとめ:ビジネスホテルに求められる防犯対策を再度見直してみる
今回はビジネスホテルにおける監視カメラ(防犯カメラ)の設置ポイントを詳しく解説しました。監視カメラは犯罪を未然に防ぐことが主目的となる他、ホテルで働く従業員や宿泊利用客に安心してもらう役割もあります。
現在防犯対策の強化を念頭に社内で吟味をしているビジネスホテル関係者は、今一度防犯対策の意味を見直してみるのが良いでしょう。