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工場倉庫の重大リスク「放火・火災」の最新防犯対策

「火災及び放火」は工場倉庫業にとっては最も重大なセキュリティリスクの1つとして危惧されています。工場倉庫では放火や火災の原因となる火元が多々ありますし、建物の構造上、一度火がついてしまうと、長時間燃え続け、鎮火に時間がかかる欠点があります。

火災の防止は日頃の注意喚起が必要ですが、放火に対しては対策次第で未然に防ぐことが可能となります。そこで、ここでは、工場倉庫における重大リスクである「放火」を防ぐ最新の防犯対策をご紹介します。

工場倉庫の「火災」リスクとは

工場倉庫の「火災」リスクとは

一昔前では、倉庫業は商品在庫のみを保管するための施設利用だったため、火災で在庫を失うリスクはあっても、人が被害に遭うケースは稀でした。しかし、昨今は業務の多様化により、大勢の従業員が倉庫内部で検品や搬入、出荷を行うようになり、火災リスクが高まっているのが現状となります。

また、工場も昭和や平成初期と比べると、業務の拡大により町工場であっても工場面積は大きくなっており、こちらも火災リスクが高まる要因の1つとなります。特に金属の切削工場は、近年高精度な切削が求められている関係で、1台数百万円、場合によっては1000万円を超える工作機械を保有しているところも多くなってきました。放火によってすべて失うことを考えると、最優先で対策を打っておきたいところです。

「放火」は工場倉庫の火災の原因第2位

工場倉庫業における火災の出火原因の1位は電気系統となりますが、実は2位が「放火」となります。電気系統は全体の約30%に対して、放火は17%。3位のたばこは13%となります。人為的な放火は通常の火災よりも火の手が上がりやすく、また、外周りから火が燃え上がると、逃げ場を失ってしまうためリスクは甚大です。

工場倉庫の放火・火災がなぜこれほど危険なのか

工場倉庫の放火・火災がなぜこれほど危険なのか

工場倉庫における放火は建物内ではなく、外回りで着火されることがほとんどですが、場合によっては夜間に施設に侵入して内部から焚火のように火を付けられることもあります。どちらにしても予想以上に燃え移るのが早く、また建物が崩壊する確率が高いことが挙げられます。

防火シャッターが作動しないことが多い

工場倉庫には防火シャッターが備わっており、本来はシャッターが降りることによって火災を限定的なものとすることができます。しかし、実際は業務用機械や商品在庫、棚などが置かれてしまい、放火・火災時はシャッターが降りないケースがほとんどのようです。

倉庫は無窓エリアが多いため一酸化炭素中毒に陥りやすい

倉庫は無窓エリアが多く、空気を燃やし尽くした火は鎮火されることなく、一酸化炭素を排出します。一酸化炭素中毒の死亡割合はおよそ30%で、火災の死亡原因1位のやけどとほぼ同じ割合となることから、1~2分の逃げ遅れが命を落とす結果となることが分かります。

工場倉庫は放火犯にとって好条件が揃う

工場倉庫は放火犯にとって好条件が揃う

工場や倉庫といった建物は、塀に囲まれた敷地内部に侵入すると、周囲からうかがうことはできないため、従業員の不在の深夜の時間帯は放火犯にとって好条件が揃う立地環境となります。放火の際に時間をかけることができれば、それだけ大きな火災へと発展するため、内部の資材や在庫に燃え移り、全焼するのも早くなります。

防犯カメラに映っているだけでは放火は止められない

近年は工場や倉庫も危機管理対策の一環で防犯カメラを設置するところも多くなってきました。しかし、防犯カメラは適材適所に設置していなければ、放火に対する十分な効果を見出すことはできません。

放火に対する防犯カメラの役割は、あくまでも「不審者の侵入を未然に防ぐこと」であり、「放火を試みる犯人に、ここでの犯行にリスクを感じさせる」こととなります。放火をされたあとでは、すでに工場倉庫共に甚大な被害を受けているため、犯人を特定する事後対策にそれほどの意味はありません。

工場倉庫は放火を未然に防ぐ防犯対策が必須

工場倉庫は放火を未然に防ぐ防犯対策が必須

上記のことから、工場倉庫では一度放火による火災が発生してしまうと、どんなに早くに消防車が駆けつけたとしても、直ちに鎮火することは極めて困難であることが分かります。倉庫には自社の財産となる大切な在庫が敷き詰められているため、全焼してしまうと会社の存続が危ぶまれる損失を被りますし、工場でも1台数百万円以上する工作機械や高価な資材がすべて失われてしまうと、事業は途端に立ち行かなくなります。

そのため、工場倉庫では、適切な設置場所、設置台数、機能、性能を考慮した防犯カメラの設置により、放火犯を侵入させないことが、最も大切な防犯対策となります。

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