マンション内部で発生する車のパーツ盗難の具体的な防犯対策
マンション経営では、入居者の安全確保となる防犯対策が最優先の課題となります。しかし、防犯対策といっても、空き巣や放火などマンションにおけるセキュリティリスクは多種に及びます。近年は不法投棄や駐車場の車両盗難、車のパーツ盗難なども多発しており、広範囲にわたる防犯対策が必要に迫られています。
しかし、マンション全体の安全を網羅するためには、防犯に関する専門の知識と、優れたハード(防犯機器)が必要となります。
そこで、今回はマンショントラブルの中でも近年問題視されている、駐車場における車のパーツ盗難に関して、具体的な事例や解決策をご紹介します。
マンションの駐車場におけるセキュリティリスクとは
マンションの駐車場は、大勢の入居者が利用できるよう広い面積を有しており、場所によっては立体駐車場であることも珍しくありません。しかし、駐車している車の台数が多ければそれだけ死角を生みやすく、「車のパーツ盗難」や「車自体の盗難」、「車上荒らし」、「パンクや傷を付けられるといった悪戯」も多発します。
特に近年は単なる不良や愉快犯の犯行ではなく、組織的な犯罪集団も増えてきました。そういった窃盗犯に自分の管理するマンションが狙われてしまうと、一夜の内に数十台の車が車上荒らしやパーツ盗難の被害に遭うことも予想されます。マンションの管理責任能力が問われる大事件へと発展することもあるかもしれません。
マンションの駐車場で車のパーツの盗難被害が多発
上述したように、昨今は外国人の犯罪組織や反社会的勢力の集団が増加傾向にあり、資金源の確保のため、大がかりな車のパーツ盗難が報告されています。マンション管理者は、「まさか自分のところが狙われるとは」と後悔する前に、レベルの高い防犯対策を講じることを推奨します。
車のパーツ盗難の被害例
マンションの駐車場での車のパーツ盗難は、主に入居者が寝静まる深夜に行われます。窃盗犯は複数で組織的に窃盗を企て、盗むものは換金性が高く、またすぐに売却・転売することができる「ドアミラー」、「エアロパーツ」、「エンジン」、「マフラー」、「ワイパー」などが主となります。特に改造車のパーツはそれぞれが高く売れますし、性能の高いエンジンを積んでいるので、真っ先に標的にされます。
また、パーツは車の外側だけではありません。車内のハンドル、ETC車載器、カーナビ、ドライブレコーダーなども中古品として高く転売することができます。
マンションの車のパーツ盗難。犯人を特定するのは困難
車のパーツ盗難の被害に遭った場合、転売される前に犯人を逮捕できればいいのですが、実際は転売された後であることがほとんどのようです。外国人や暴力団といった犯罪集団であれば、アメリカや東南アジアなど、日本車の中古パーツが高く売れる国に輸出されてしまいますし、中古品を販売する個人経営のカーショップやネット通販で売却されると、足取りを追跡するのも困難となります。店舗側が盗品と分かり警察に通報してくれればいいのですが、場合によっては犯罪組織とカーショップがグルになっていることもあります。
防犯対策における住民と管理者のマンショントラブル
車のパーツ盗難に対する防犯対策は、防犯カメラの設置が最も有効ですが、上述したように、マンションの駐車場は広く、車が隙間なく並んでいるため、すべての車をカメラの画像に収めるのが困難な場合があります。プロの窃盗犯であれば、死角で防犯カメラに映らない車を狙うこともできるでしょう。
「私の車がパーツ盗難に遭ったのに、防犯カメラに映っていない」とマンション側の管理義務を問われ、損害賠償の事態に発展することも考えられます。
マンションは防犯カメラのあり方を見直す必要がある
上記のような事態に発展する主な原因は「マンション管理者が正しい防犯対策の知識がない」ことが挙げられます。
マンションの車のパーツを狙う窃盗犯は、素人が考えつかない方法でマンションの駐車場に侵入し、防犯対策の網の目をくぐるように犯行に及びます。そのため、防犯対策を構築するマンション側も、現代犯罪の手口や心理を熟知した専門家に依頼して、パーツ盗難を抑止する防犯カメラの設置を依頼する必要があると考えます。
マンションの車のパーツ盗難が続けば入居率は激減
マンションの車のパーツ盗難被害に対して、管理者側が入居者の要望に応えられず、安心と信頼を勝ち取ることができなければ、次第に入居率は低下していき、取り返しのつかない事態に陥ることも予想されます。昨今はSNSの普及により、事件や悪い噂は瞬く間に全国へ拡散されます。