防犯・監視カメラに内蔵するSIMカードは格安料金プランで大丈夫?
防犯・監視カメラも昨今はIPカメラ(ネットワークカメラ)が主流になり、Wi-FiだけではなくSIMカード内蔵の機種も年々増えてきました。
防犯カメラをSIMカードを使って運用することを考えている企業担当者の中には、「格安SIMは使えるのか?」、「通信料が心配」、「SIMフリーは使えるの?」といった疑問を持っている人も多くいます。
そこで、今回はSIMカードを内蔵して防犯カメラを使う企業向けに、格安SIMの活用の可否や通信料や料金プランの目安を詳しく解説します。
近年の防犯・監視カメラはIPカメラが主流
インターネットが発達する前は、防犯カメラは同軸ケーブルでレコーダーと繋ぐ必要がありましたが、2000年以降はインターネット回線で無線接続するIPカメラ(ネットワークカメラ)が急速に普及しました。
現在の最新カメラはほとんどがIPカメラとなるので間違えることはありませんが、電気屋やネット通販ではアナログカメラもまだまだ現役で販売しているので、防犯カメラ専門の販売店で購入しない場合は注意が必要です。
防犯・監視カメラはWi-Fi対応かSIMカード内蔵の機種を選択する
防犯カメラを新規に導入する場合や、既存のカメラを買い替えることを検討している企業担当者は、必ず「Wi-Fi対応かSIMカード内蔵機種」を選ぶようにしてください。
現在IPカメラの多くはWi-Fi対応していますが、SIMカードを内蔵できるかは機種によって異なります。また、SIMカード内蔵に対応していても、自社が所有している通信キャリア(docomoなど)に対応しているかどうかも確かめなければなりません。
防犯・監視カメラをWi-FiやSIMカード内蔵で利用することのメリット
防犯・監視カメラをWi-FiやSIMカード内蔵に対応した機種を選ぶことによって、下記のようなメリットがあります。
・ネットワークケーブルの工事が要らない
・配線が複雑化しない
・有線では届かない距離に防犯カメラを設置できる
・クラウドやSDカードに映像を保存すればレコーダーが不要
ただし、Wi-FiやSIMカードを内蔵して使う際は注意事項もあります。誤った使い方をすると、多額の通信料を請求される可能性もありますので、実際の導入にあたっては販売店に相談することを忘れないでください。
防犯・監視カメラに内蔵するSIMカードは格安料金プランでも大丈夫?
防犯・監視カメラに内蔵するSIMカードは、基本的に制限はなく、格安料金プランを契約した、いわゆる“格安SIM”でも防犯カメラに内蔵するにあたり支障はありません。
しかし、格安料金プランを提供しているキャリアの中には、あまり知名度のない企業もあります。防犯カメラメーカーはすべての通信キャリアに対応していることを確認しているわけではなく、docomoやSoftbankのような大手通信キャリアのみ動作保証をしています。
そのため、有名ではないキャリアの格安SIMを防犯カメラに内蔵する場合は、事前に実機テストで問題なく使えるかどうかを確認するといいでしょう。
防犯・監視カメラはSIMフリーを内蔵することもできる
SIMロックを解除したスマートホンをSIMフリーと呼びますが、Wi-FiやSIMカードに対応している防犯カメラをSIMフリーのスマホに映像を飛ばすことももちろんできます。通信キャリアによってSIMフリーのスマホはネット回線の速度が遅いと言われることもありますが、実際は体感できるほどの差はありません。
最新のSIMカード内蔵の防犯カメラはすべてLTE対応
問い合わせが多い質問の中には「LTE対応しているのか?」というものがあります。LTEはモバイルを用いた通信システムの1種で、3Gから4Gに移行する前段階として提供されたシステムとなります。現在は4Gが普及しているため、通信回線の速度はLTE<4GもしくはLTE=4Gと認識されています。
そのため、最新のSIMカード内蔵の防犯カメラは、ほぼすべて4Gに対応しているため、当然LTEにも対応済と言えます。
ソーラーカメラもSIMカード内蔵機種が増えてきた
近年はあらゆる業態や利用環境にあわせた防犯カメラが発売されていて、その中でも技術進歩が著しいのが「ソーラーカメラ」です。太陽光パネルを使って自家発電し、バッテリーを通じて本体に供給および蓄電できます。
そのソーラーカメラも昨今の最新機種ではWi-Fiはもちろん、4GのSIMカード内蔵型も登場しており、これによりWi-Fiが届かない離れた距離にも設置することができるようになりました。畑や農業、パイプライン、商店街、各種イベント、自然公園などで重宝されています。
防犯・監視カメラをSIMカードを内蔵で使うときの通信料
SIMカード内蔵の防犯・監視カメラを活用する場合、気になるのがパケット通信料です。格安SIMの場合は1ヵ月のパケット通信の制限が低く設定されていることが多いため、防犯カメラの通信料がプランを超えてしまうと、ケースによっては高額な金額が請求されてしまうこともあります。
パケット通信料は防犯カメラの映像を転送する際に使われますが、映像の滑らかさを決めるビットレートと1日に使う平均時間と日数を「8」で割ることでおおよその通信料を算出することができます。
ビットレート(Mbps)×1日の通信時間(秒)×日数÷8
SIMカードを内蔵して防犯・監視カメラを使うときの月額通信料の目安
では、防犯カメラをSIMカードを内蔵して使う場合は、月額の通信料は実際どの程度を想定しておけばいいのでしょうか。基本的にパケット通信料は高額になりがちですが、法人プランに申し込むことになりますので、個人のスマホユーザーとは月額通信料はまったく異なります。
通信料の目安としては、1ヵ月100GB程度に想定して、100GBをカバーできるプランに加入するのがいいでしょう。個人が契約する場合は、格安SIMであっても30GBで5000~6000円程度ですが、法人プランであれば、100GBで月額6000円前後となります。
防犯・監視カメラをSIMカード内蔵で使うときは料金プランに注意
防犯・監視カメラをSIMカード内蔵で使いたい場合、まずはSIMカード対応の機種を選んでください。Wi-Fiに対応していてもSIMカードには対応していない機種も多くあります。
また、販売店によってはその会社が用意するSIMカードと通信プランへの加入が義務づけられているところも多いです。その場合は格安SIMなどを自社で用意した際の料金プランと比較して、あまりにも高いようであれば、販売店を変えることも考えるといいでしょう。