屋外防犯カメラのおすすめはWi-Fi対応の「ソーラーカメラ」
屋外防犯カメラを設置する企業は、導入する機種をよく吟味する必要があります。2000年以降はネットワークカメラが急速に普及し、世界各国のセキュリティ機器メーカーが多数の機種を日本国内で販売しています。
そこで、今回おすすめするのはWi-Fi対応の「ソーラーカメラ」です。運用のポイント・注意点を解説します。
屋外防犯カメラの近年注目は「ソーラーカメラ」
屋外防犯カメラも昨今は非常に多くの機種が出回るようになりました。90年代までは、ほとんどの企業が防犯カメラといえば日本製メーカーを導入していましたが、現在は世界の防犯カメラ先進国の機種を販売店が扱うようになったので、企業担当者も幅広い機能から機種を選定することができるようになりました。
そこで近年注目されているのが「ソーラーカメラ」です。最新のソーラーカメラはスペックも向上し、使い勝手がよくなっているため、多くの販売店が普通の防犯カメラと同様にラインナップに加えています。
ソーラーカメラの特徴は「工事不要」のワイヤレス
ソーラーカメラを導入している企業は日本国内ではそれほど多くありませんが、世界では業界・業種問わず幅広く設置されているのはご存知でしょうか。
ソーラーカメラの特徴は「電源を太陽光パネルから供給できる」ことです。一般的に防犯カメラは「電源」と「インターネット」の配線工事が必要となります。しかし、ソーラーカメラであれば、最小限の工事、あるいはまったく不要で設置することが可能となります。
ソーラーカメラは日本製よりも海外製がおすすめの理由
企業担当者の中には、防犯カメラも日本製にこだわる人もいるかもしれませんが、昔から安全神話が根強い日本では、防犯カメラの技術は他国より一歩遅れていると言わざるを得ません。
防犯カメラやソーラーカメラの先進国と呼ばれるのは中国を筆頭にアメリカ、台湾、英国などが挙げられますが、とりわけ中国の技術やコストパフォーマンスは群を抜いている様子がうかがえます。
日本メーカーが販売するソーラーカメラであっても、そのほとんどは中国や台湾で生産されていますし、昨今は日本もODMで製品を販売しています。簡単に言えば他国の技術で作った製品に自社のロゴを貼り付けているだけなので、もはや日本製にこだわる理由はほとんどないと解釈することもできます。
屋外防犯カメラのソーラーカメラはワイヤレスがおすすめ
屋外防犯カメラでソーラーカメラの設置を検討している企業は、できるだけワイヤレス化をするのがおすすめです。一般の防犯カメラはインターネット回線を用いて無線でモニターに映像を送ることができますが、カメラ本体への電源供給は有線となりますので、必ず電源ケーブルを敷く工事が発生します。
一方でソーラーカメラは電源ケーブルの工事が必要ありませんので、ネットワークケーブルも無線接続すれば、事実上の完全ワイヤレスを実現することができますし、それがソーラーカメラの最大のメリットでもあります。
どこまでを有線接続して、どこまでを無線にするかは防犯カメラの業者担当者によっても意見は分かれるかもしれませんが、大規模な配線工事をするのであれば、ソーラーカメラを選んだ恩恵が少なくなってしまいます。
ソーラーカメラはWi-FiとSIMカードどちらで運用するのがおすすめ?
ソーラーカメラをネットワーク接続する場合は、Wi-FiだけではなくSIMカード対応の機種を選ぶこともできます。
Wi-FiもSIMも無線通信方式には変わりありませんが、スマホで考えると分かるように、Wi-Fiの場合は「ルーター」が必要となります。これは企業が設置する防犯カメラでも同じことが言えるので、Wi-Fiを選ぶ際は設置した防犯カメラのそばにWi-Fiルーターを据え置かなければなりません。
一方でSIMはご存じの通りモバイル端末向けの通信システムである3G・4G・LTEといった通信規格を使用するので、圏外エリアでは繋がりませんが、ネットがつながるエリアであれば、事務所から離れた遠くの場所に設置することも可能です。
SIM対応のデメリットとは?
近年は4Gだけではなく5Gも普及をはじめています。防犯カメラは現状4G/LTEまでに対応していますが、数年後には5G対応のモデルも続々と登場することでしょう。
SIMカードでソーラーカメラを運用する場合は、自然公園や建築現場などネット環境がない遠隔地に設置する際にメリットがあります。完全にワイヤレス化ができるので、初期導入費用を大幅に削減することができるのも魅力です。
一方で4GやLTEといった通信規格はパケット通信に変換して通信キャリアの基地局を介して送受信をするため、スマホと同様にパケット通信料が発生するほか、NTTドコモやKDDIといったキャリアに申し込み、基本使用料を月額で支払わなければなりません。
ソーラーカメラのWi-Fi運用がおすすめの環境とは
1台や2台であればいいのですが、5台、10台と防犯カメラを運用する場合は、SIMカードだと月額費用が高くついてしまいます。一方でWi-Fiであればパケット通信と比較して格安で済むので、Wi-Fiで運用できる環境であれば、SIMよりもWi-Fiがおすすめです。
Wi-Fiで運用できる環境としては、「ルーターのある事務所から至近距離にソーラーカメラを設置できる」ことが条件となります。Wi-Fiが繋がる距離は半径30m~100m前後となるので、その範囲内でソーラーカメラを設置することができるかを確認しましょう。
また、場合によっては中継器を建ててWi-Fiエリアを拡大することができますので、必要ならば業者の担当者に設置環境を調査してもらうといいでしょう。
また、ルーターとソーラーカメラ本体は無線接続でもいいですが、もし壁の貫通など大がかりな工事を必要としないならば、有線接続をした方がネット回線が安定します。
Wi-Fiで運用するソーラーカメラは常時録画できる?
Wi-Fiでソーラーカメラを運用する場合、最も懸念されるのが「常時録画ができるのかどうか」というものです。従来のソーラーカメラは常時録画をすると、消費電力が太陽光の蓄電を上回り、数日でバッテリー切れを起こすリスクがありました。
しかし、昨今は太陽光パネルの質が向上して、より早く効率よく電力に変換することができますし、外部バッテリーの蓄電容量も一昔前と比べると格段に増しています。常時録画する際の画質やフレームレートにもよりますが、基本はWi-Fiで運用するソーラーカメラでも常時録画は可能と考えていいでしょう。もし不安がある場合は、電源ケーブルを敷いて有線で電源を供給することも視野に入れるといいでしょう。
まとめ:Wi-Fiで屋外防犯カメラの運用を考えるならソーラーカメラがおすすめ
Wi-Fiで屋外防犯カメラの運用を考えている企業は、今回紹介したソーラーカメラも選択肢の候補に入れてみてはいかがでしょうか。ソーラーカメラは年々技術が向上している注目の機種でもあるので、購入する際はカタログスペックではなく、実際に販売店の担当者立ち合いのもと、ロケテストをして自社の設置環境に適しているかを確かめたのち導入してください。