防犯カメラは厚生労働省実施の補助金制度で導入。対象外の企業の対応も紹介
防犯カメラは国と自治体が実施する補助金制度を有効利用することで、安く導入することができます。今回焦点を当てるのは国・政府の施策となり、主に厚生労働省が実施しています。
しかし、厚生労働省の実施する補助金制度の申請対象外となる企業も少なくありません。そこで、今回は国・政府が実施する補助金の概要と、交付申請対象外の企業におすすめする防犯カメラの導入方法をご紹介します。
防犯カメラの設置は厚生労働省実施の補助金制度の利用がおすすめ
防犯カメラは本体とモニターなどの周辺機器、工事費用が主な初期導入費用となりますが、設置にかかる総費用は50~100万円が相場となります。大切な自社の資産を守るセキュリティ対策とはいえ、零細中小企業にとっては、かなり大きな出費となることは間違いありません。
しかし、昨今は国・政府が民間施設に対して防犯カメラの導入を積極的に推奨していて、そのための補助金制度も毎年実施しています。交付される補助金の金額は場合によっては非常に大きなものとなり、総費用の3分2~5分4とほとんどを賄うことができるので、交付条件に当てはまる企業は、必ず申請してください。
補助金と助成金の違いとは?
国・政府が実施する制度には補助金と助成金の2種類があります。よく混合して使われることが多いですが、この2つは明確な違いがあるので、覚えておくといいでしょう。
補助金制度の概要
補助金制度は往々にして補助額が大きいですが、その分予算が設けられており、申請開始から申し込みが殺到し、すぐに予算上限に達してしまいます。その後は運営事務局側で精査をして交付対象者に通知します。
そのため、申請条件をクリアしても、全員に交付されることではないため、審査に落ちてしまう可能性も危惧しなければなりません。
助成金制度の概要
助成金制度は、申請期間中に申し込んだ施設・企業に対しては、漏れなく交付される制度となります。そのため申請条件が厳しかったり、補助額が少ないことが多いです。
ただし、昨今よく見受けられる制度は補助金の方で、助成金はあまり確認できません。
いずれも厚生労働省や自治体のホームページで公開されるので、定期的にチェックするといいでしょう。
防犯カメラの補助金制度は厚生労働省と経済産業省が実施
上述した防犯カメラの補助金や助成金制度は、主に厚生労働省と経済産業省が中心となって実施しています。厚生労働省では安全なまちづくりをテーマとし、経済産業省は中小企業庁で予算をとり、DXや企業のデジタル化を名目とする傾向にあります。
また、近年は厚生労働省が出先機関に運営事務局を設けて補助金を実施するよりは、地方自治体に予算を預けて、各市区町村で実施するケースが目立ちます。
厚生労働省の補助金の対象になりやすい業界・業種とは?
厚生労働省の補助金対象は、主に街づくりや地域に関係する業界となるので、自治会・町内会・商店街管理組合、及びマンション管理組合・医療施設・養護施設・学校といった業種が対象となります。
そのため、残念ながら一般企業が対象となることは通常はありません。しかし、まったくならないわけでもありませんし、経済産業省実施の方は一般企業が主に対象となるので、厚生労働省と経済産業の実施する補助金・助成金制度は逐一チェックすることがおすすめです。
厚生労働省の補助金申請時に確認するポイント
厚生労働省の補助金に申請できる施設・企業は、申込み時に下記項目は必ずチェックしてください。特に近年は不正受給も多く、厚生労働省も交付条件を厳しく、審査を厳正しています。のちに不正が発覚した場合は、補助金の返還義務も法的に負います。「知りませんでした」では済まされないのでご注意ください。
1.補助金制度の「目的」を確認
補助金制度には必ず実施する目的があります。この目的に合致していない申請目的は必然的に審査の対象外となります。上述したように、厚生労働省実施の補助金は予算上限があるため、基本的に毎回審査による合否を待つことになります。
申請書には必ず防犯カメラを設置する目的を記載しますので、どんなに正当な理由を書いても、それが補助金制度の目的と異なるようであれば、交付を受けることはできません。
2.補助金制度の条件・交付内容
補助金制度の条件と交付内容も必ず注視したい項目です。申請対象や申請条件に合致していない施設・企業はそもそも申し込むことができません。また、補助額や交付内容は厚生労働省や経済産業省、自治体など主催元によって異なるので、毎回確認が必要です。
特に交付内容に関しては、「どこまでが補助金で賄うことができるのか」は要確認です。工事費用は補助金で申請できるけど、モニターのような周辺機器は対象外。レコーダーは対象だけど、クラウドの契約費用は対象外といったこともよくあります。
3.補助金制度の申請と設置完了時期
補助金制度の実施の際は、対象業界に大々的に告知・宣伝されるわけではありません。厚生労働省や自治体のホームページにひっそりと情報が提示されるだけなので、多くの人は申請が始まって1か月ないし2か月後に気づくような状態です。
補助金は設置完了後に銀行振込で還付されるため、最初の費用は前払いとなります。また、補助金制度を受けるに当たっては、「〇月〇日~○月〇日までに設置を完了すること」といった設置期限も決められています。特殊な事情がない限り遅延することは許されませんので、設置場所に大家や地主の許可が必要な場合は、申請時に許諾を得るのがいいでしょう。
対象にならない企業の対応・対策方法を解説
では、厚生労働省の補助金の対象外となる企業は、どのように初期費用を抑えて防犯カメラの設置を進めることができるのでしょうか。
1.防犯カメラ販売店でレンタルサービスを活用する
多くの防犯カメラ販売店は、防犯カメラを含むセキュリティ機器のレンタルサービスを自社独自に提供しています。数日から1ヵ月、1年単位でレンタルすることもでき、毎月の支払いとなります。購入やリースと違い、いつでも契約を解除できるのが最大の特徴です。
設置環境が良好であれば工事費用は最低限で済みますし、毎月の支払いのため初期導入費用はそれほどかかりません。ただし、業者によっては初期設置費用として数万円加算したり、数日間のみのレンタルの場合は工事費用を上乗せするところもありますので、相見積もりは取った方がいいでしょう。
2.リース契約をして防犯カメラを購入する
もう1つの方法は、防犯カメラをリース契約をして導入することです。防犯カメラは5~7年が償却期間となり、その間毎月の費用は損金処理できます。料率も高くないので、毎月の費用はおそらくレンタル費用よりも安く済みます。
ただし、リース契約は解約ができないので、償却期間中はずっと使い続けなければなりません。また、どの企業も無条件で契約できるわけではなく、リース会社独自の査定に基づく与信がありますので、それに通過しなければなりません。詳しくは販売店の営業担当者に相談してみるといいでしょう。
まとめ:厚生労働省の補助金の申請は販売店と協力するのが交付の近道
厚生労働省が実施する補助金に申し込む際の申請書類は多岐におよぶため、慣れない人は自力で集めるのが困難です。その場合は、防犯カメラの販売店に相談してみるといいでしょう。販売店は日ごろから補助金の申請補助をしているので、書類に関する不備も見逃しません。