屋外防犯カメラの耐用年数(減価償却)・寿命を徹底解説
屋外防犯カメラを設置するにあたっては、カメラ本体の耐用年数から考えて買い替えを検討するのも1つの方法です。また、リース契約をする場合は償却期間にも関わってきますので注意が必要です。
ただし、耐用年数と実際の寿命は異なります。ここでは防犯カメラの耐用年数、および実際の寿命から鑑みたおすすめの買い替え時期をご紹介します。
防犯カメラの法定耐用年数(減価償却)は6年
防犯カメラは通信機器に属するため、法定耐用年数は無線機と同じ6年となります。減価償却も同様に6年が一般的ですが、リース会社によっては5年から7年の償却期間とするところもあります。ただし、リース契約をする上で、会計実務は「耐用年数=償却期間」となりますので留意ください。
屋外防犯カメラの耐用年数と寿命は大きく違う
防犯カメラの耐用年数は6年が基本となりますが、実際運用する上での寿命は設置環境によって大きく異なります。また、気候の変動がない室内よりも、過酷な環境にさらされる屋外防犯カメラの方が不具合や故障が多発傾向にあり、多かれ少なかれ寿命にも影響があります。
室内設置型の防犯カメラでは、特殊な事故や落下などがないかぎり、10年前後は普通に使うことができます。一方で屋外防犯カメラは暴風雨や雷雨といった悪天候にも耐えられる頑丈な設計にはなっているものの、想定外の衝撃が加わる可能性も高く、実際の寿命は5年から10年と室内に比べると短くなるのが特徴です。
ただし、屋外防犯カメラの寿命は設置環境に大きく依存し、例えば屋外といっても屋根がある出入口傍に設置するのであれば、耐用年数以上に使い続けることも可能です。
耐用年数以上使い続けるとメンテ費用がかさむ
しかし、実際のところ法定耐用年数である6年は非常に的を射ており、6年以上使い続けると、不定期に不具合が生じはじめます。各種防犯カメラメーカーも開発にあたって何十年も使い続けることは想定していないため、「修理すれば使える」からといって使い続けてしまうと、毎年のメンテ費用がかさみ、「最新の防犯カメラに買い替えればよかった」ということにもなりかねません。
5年前の屋外防犯カメラは最新の犯罪に対応できない
また、防犯カメラを長期的に使い続けるデメリットはメンテナンス費用の問題だけではありません。近年日本の犯罪は多様化しており、10年前、20年前には考えられなかった手口の侵入や犯罪が多発しています。
10年以上防犯カメラの運用が可能であっても、最新の犯罪に対応できなければ、そもそもとしての防犯カメラの役割を担うことはできません。
日本は世界と比較すると犯罪率が少ない国なので実感は沸きませんが、アメリカや中国といった防犯カメラ先進国では、防犯カメラの買い替え時期を5年とみなしており、その波は日本にも押し寄せています。
耐用年数以外で考える防犯カメラの交換時期
しかし、企業の中には「耐用年数はあくまでも目安でしょ。もう少し具体的な交換するタイミングを教えてほしい」と考える人も多いです。
そこで、下記では耐用年数以外で考える防犯カメラの交換時期をご紹介します。もし1つでも当てはまっているようならば、一度防犯カメラの専門店に相談してみることをおすすめします。
1.1年に2回以上業者を呼ぶ故障が発生する
企業の中には、防犯カメラを購入した販売店と保守契約を結んでいるところもありますが、一般的に1年に2回以上不具合が発生して業者を呼ぶ事態となっているのであれば、防犯カメラの寿命が迫っていると考えていいでしょう。
企業によっては防犯カメラの映像確認をほとんど行わないところもあり、故障してもすぐに気付くことはできないかもしれません。大抵は事故や犯罪が発生して映像を確認するときに「あれ、映像が映っていない」と分かるもので、事件後の対応に多大な影響が生じてしまいます。
そのため、1年に2回以上業者を呼ばなければならないのであれば、すでに防犯カメラの寿命に黄色信号が点灯していると考え、一度業者に見てもらうのがいいでしょう。
2.録画映像の画質に不満や問題が生じたとき
近年の防犯カメラは画素数も飛躍しています。フルハイビジョンや4K画質の機種も増えてきました。「テレビじゃないんだから高画質はいらないでしょ」と感じるかもしれませんが、画質及び解像度が高ければ、それだけ人物や車両、証拠品などを鮮明に映すことができるので証拠能力が上がります。
また、企業の事務所への侵入は主に深夜となるため、屋外防犯カメラも夜間撮影における高い性能を持った機種の選定が大切です。従来の防犯カメラは白黒でしたが、昨今の最新機種であれば、夜間であってもフルカラー撮影が可能となります。犯人の顔や服装、車体の特徴なども鮮明に映すことができるので、より犯人の検挙につなげることができるでしょう。
3.リース契約が満了になったとき
防犯カメラをリース契約で導入している企業であれば、リースが満了になったときも買い替えるタイミングです。リース契約では、満了時に再リースを選択することもできますが、上述したように昨今の多様化する犯罪に対応するためには、5年おきに買い替えるのが適切とされています。
そのため、仮に防犯カメラ自体はまだ運用が可能だとしても、リースが満了になった時点で最新機種に入れ替えをするのがおすすめです。
耐用年数を越えた防犯カメラやレコーダーを使い続けるリスク
また、防犯カメラと併せて導入するレコーダーも耐用年数は5年ないし6年となります。レコーダーの実際の寿命も防犯カメラの運用方法によって大きく変わることに注意してください。業種・業界によっては24時間常時録画が求められることもあり、それだけレコーダーも酷使することになります。レコーダーも近年は機能性に富んでいますが精密化に伴い壊れやすくもなっているため、5年待たずして不具合が度々発生することもよくあります。
防犯カメラはしっかりと映像を捉えていても、レコーダーが録画していなかったら意味がありません。そのため、防犯カメラ本体と併せてレコーダーも耐用年数を超えての使用は控えることをおすすめします。
そのほかの周辺機器も定期メンテナンスが必要
防犯カメラやレコーダー以外でも、WiFiルーターやSDカードといった電子機器のメンテナンスは定期的に行ってください。ルーターやモニターを設置している場所が変わるだけでもネット環境が不安定になり、映像が乱れたり録画に影響がでることもあります。
特に屋外防犯カメラの本体に内蔵するSDカードは破損しやすく、データが記録できないトラブルも多発します。最低でも1年に1度は交換するようにしましょう。また、昨今は防犯カメラのワイヤレス化も存在感を増してきていますが、ネット接続の安定性を考えると、依然として有線がおすすめとなります。むやみにワイヤレスにすると、映像などに不具合が発生した際の原因究明に時間と手間がかかってしまうことにも注意してください。
まとめ:屋外向けの防犯カメラは耐用年数で交換するのがおすすめ
今回は屋外向けの防犯カメラの耐用年数と寿命をご紹介しました。企業が導入する防犯カメラの多くは耐久性も高いため、その気になれば10年以上使うこともできるかもしれません。しかし、耐用年数以上使い続けていると、本来の役目である「犯罪を未然に防ぐ」、「事故・事件時の映像を鮮明に録画する」ことに難が出てきます。
そのため、可能な限り防犯カメラの買い替えは耐用年数のうちに行うことをおすすめします。