マンションの防犯カメラの設置費用はいくら?防犯対策の維持費を解説
マンションの防犯対策として最も効果的な「防犯カメラ」ですが、具体的な設置費用を算出するのはなかなか困難です。しかし、マンション管理組合やマンションオーナーは年間予算で防犯対策を講じることになるので、事前に設置費用を知っておくことは重要となります。
そこで、ここでは防犯カメラの導入でかかる初期費用と維持費を分けて解説します。
マンションの防犯カメラ設置と法律に関して
マンションに防犯対策の一環として防犯カメラを設置する場合、特に留意しなければならない法律はあるのでしょうか。
まず、マンションのオーナーや管理組合が防犯カメラを公共の場所に設置するにあたって、法律上はまったく問題ありません。防犯カメラの設置目的は防犯対策であることは明白のため、法律上は誰かに許可を取る必要すらなく自由に設置することができます。
ただし、注意してほしいのは「個人情報保護法」です。近年は徐々に厳しく規制されはじめ、また数年おきにアップデートされているので、確認するときは最新版であることに気を配ってください。
防犯カメラは防犯対策という目的と性質上、人の顔を鮮明に映すことが必要なため、防犯カメラの管理者は他人の個人情報を取得していると判断され、個人情報保護法の適用範疇となります。
- 防犯カメラの管理者以外の人が映像を確認することを禁止
- むやみやたらに映像を確認しない
- マンション居住者全員の同意は必要ないが、「防犯カメラ作動中」などのポスターを貼って知らせるなどする
- 防犯カメラの利用規約を作る
などが重要となります。詳しいことは防犯カメラの販売店に相談するといいでしょう。
マンションは高レベルの防犯対策が必要。犯罪リスクとは
近年はマンションの敷地面積が大きくなり、敷地内に商業施設や公園・空中庭園などがある物件も普通になってきました。しかし、その分管理人や警備員の目が届かない場所や死角が増え、部外者が侵入しやすくもなっている事実があります。
マンションで巻き起こる犯罪リスクは多種におよびます。
- 住民間の喧嘩・トラブル
- 事故
- 車上荒らし
- 放火
- 不法投棄
- 子供の連れ去り
- 空き巣
特に近年は外国人の組織犯罪や半ぐれ集団など法の抜け穴をくぐる犯罪集団が増加・凶悪化しており、「まさか自分のマンションでそんな事件が起こるとは思わなかった」という事態が発生しがちです。
マンションオーナーも信用の失墜・退去者の続出・SNSでの拡散・マンション価格の暴落など看破できない事態へと発展するのは避けたいところです。
また、十分な防犯対策を講じていない場合、居住者から損害賠償請求の裁判に発展することも考えられます。
防犯対策に防犯カメラを設置。費用はどのくらいかかる?
防犯対策に防犯カメラを設置するにあたって、どのくらいの予算・費用を想定すればいいのでしょうか。
まず、防犯カメラ設置に必要な初期費用とは以下の通りとなります。
初期費用
- 防犯カメラ本体
- モニター
- レコーダーやSDカードなど録画媒体
- 取り付け費用(金具や人件費など)
- 工事費用(配線やルーター工事など)
維持費
- 電気代
- リース&レンタル代(リース&レンタル契約の場合)
- クラウド費用(クラウド契約を結んだ場合)
見積り項目は上記の通りとなり、すべて込みだと1台当たりの平均設置費用は8~15万円前後と想定されます。
また、上記の通り実は防犯カメラの維持費はそれほどかかりません。一括購入してレコーダーで録画管理すれば、維持費は電気代のみとなります。電気代は1台あたり数百円です。
モニターや録画媒体の費用を安くするコツ
映像はレコーダーやSDカード、クラウドなどに録画保存され、モニターに映像が転送されます。これらの費用を安くするコツとしては、
- 映像をパソコンに転送すればモニターは不要
- クラウドに映像を録画保存すればレコーダーは不要
は覚えておくといいでしょう。ただし、昨今はルーター付モニターもありますし、安いものは5万円以下で買えるものもあります。また、クラウドに保存するとレコーダーは不要なので初期設置費用は安く済みますが、クラウドは月額費用がかかります。
上記のように一長一短があるので、初期費用と維持費のバランスはしっかりと考えて決めるのが良いでしょう。
マンションの防犯カメラの設置費用で業者間の差が付くのは「本体価格」
防犯カメラの初期設置費用では、本体の購入が必要です。本体価格は最新のネットワークカメラで15万円前後となります。ただし、業者によっては20万円前後の見積もりを出すところもありますし、型落ちの安い機種を5~10万円で見積もってくるところもあります。
防犯カメラの販売店には「一次店と二次店」があります。一次店はメーカーから直接卸しているため、一般的に最も安く購入できます。一方で二次店は一次店から降ろしてもらっているため、その分割高となります。商店街や個人事業主等小規模会社は二次店がほとんどです。
そのため、防犯カメラの本体価格が高いと感じたら、「もしかすると二次店かも」と疑うといいかもしれません。また、一次店の中でもメーカーとの繋がりが強ければ、さらに上のプレミアムディーラーとなり、他の一次店よりも安く卸してもらうことが可能なので、他社と差別化を図ることができます。
見積りで「工事費用」が高いと感じた場合に考えるべきこと
工事費用が高くなる要因としては、以下の点が考えられます。
- 防犯カメラの設置が難しい場所に取り付ける
- 台数が多い
- 電源の供給場所から防犯カメラの設置位置までの配線距離が長い
- 防犯カメラの販売店と工事業者の関係が希薄
- インターネット環境が構築されていない
などが挙げられます。一般的に防犯カメラの設置は提携している電気工事業者に委託しますが、両者の関係が希薄の場合は、工事業者が割高に請求することもあります。
見積りを見て工事費用が高いと感じた場合は、「防犯カメラの設置場所を見直す」ことがマンションオーナーや管理組合が最初にやるべきことです。その上で販売店の営業担当者と予算の相談をするのが良いでしょう。
マンション側と販売店がお互い良好な関係を築く上で重要なポイントは「合理性を欠く値下げ交渉はしない」ことです。防犯カメラを含む販売代理店というのは薄利多売で利益の9割以上が人件費と広告費というのがざらです。本体価格や工事費用は実費が掛かるため、利益を上乗せできてもせいぜい2割程度です。そこからさらに値引きとなると、業者からすると決していい仕事はできません。
マンションの防犯カメラ設置費用は補助金交付も可能
地域と住民の治安・安全を目的とした場合、防犯カメラの設置に国・自治体が実施する補助金制度を活用することができます。補助金・助成金制度は年間を通じて何種類もありますし、自治体が独自で主催していることもあるので、まずは自治体ホームページを確認し、仮に実施予定がなくとも自治体窓口に相談してみれば、マンション管理組合が利用できる補助金を教えてくれることもあります。
まとめ:マンションの防犯カメラ設置費用は販売店に相談を
今回はマンションの防犯カメラ設置費用に関して詳しく解説しました。詳しい設置費用は選択する機種によっても異なりますので、まずは販売店に問い合わせしてみてください。防犯カメラの販売店担当者が実際にマンションまで来て現地調査をしてくれるはずです。その後、最適な機種と台数、工事方法を決めて本格的な見積りとなります。
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