防犯カメラのレコーダー(録画機)の選び方とおすすすめの導入方法
防犯カメラの設置と併せて映像を記録保存するレコーダー(録画機)も選択しなければなりません。しかし、近年は録画レコーダーの種類も増えており、どれを選べばいいのか迷ってしまいがちです。
そこで、ここではレコーダーの種類や選び方、おすすすめの導入方法を詳しく解説します。
防犯カメラの導入にはレコーダー(録画機)が必要
防犯カメラは本体に録画機能が付いているわけではありませんので、カメラ本体を設置すると同時に、映像を録画して保存する録画機となる「レコーダー」が必要となります。
レコーダー(録画機)はメーカーや機種だけではなく、以下3つの種類に分けることができます。社内で話し合っても結論が出ない場合は、販売店に相談して最適なレコーダーを提案してもらうのが良いでしょう。
防犯カメラの近年の主流となる録画レコーダー「NVR」
防犯カメラ2000年以降はインターネットの普及により、ネットワークカメラ(IPカメラ)が主流となりました。録画レコーダーに関しても、ネットワークカメラの特性を活かした「NVR(Network Video Recorde)」が昨今選ばれています。
NVRの特徴は上述したようにインターネット接続が可能となり、防犯カメラの映像はLANケーブルを通じてデジタル映像として記録されるため、映像の劣化を最小限に抑えることができます。
必要なソフトはすべて納品時にセットアップされているので、余計な人件費をかける必要なくその日から運用できるのも魅力です。基本的に現在出回っているほとんどの録画機はNVRとなるので、特段の理由がない限りは、NVRを選択すると失敗はありません。
アナログカメラなら「DVR」レコーダー
ネットワークカメラが主流となる前までは、アナログカメラが使われていました。アナログカメラは同軸ケーブルで録画レコーダーに接続し、録画レコーダーはアナログ映像をデジタルに変換して映像出力をするため、その過程で映像劣化が余儀なくされます。アナログカメラで使う録画機は「DVR(Digital Video Recorder)」と呼ばれ、上述したNVRの対極にあるものですが、昨今は徐々に需要が減っているのが現状です。
現在もアナログカメラを使っているのであればDVRを選ぶことになりますが、そもそもそのような状況であれば、アナログカメラからネットワークカメラに本体の買い替えを検討するべきとも言えます。
近年注目されている次世代の録画機レコーダー「NAS」
通常は上述したNVRかDVRのどちらかが選択の対象となりますが、近年はNAS(Network Attached Storage)と呼ばれる小さな卓上録画機も流行り始めています。ローカルとネットワーク接続の両方が可能なのでセキュリティを重視するならローカル環境で使うこともできます。録画媒体はHDDとなるので場合によっては何万時間も録画できますし、自動バックアップ機能もあるので、故障したりデータの破損時も心配ありません。
簡単に言えばクラウドのオンラインストレージを物理化してオフィスや監視室、自宅に設置するのがNASの特徴となり、ログイン情報を知っていれば誰もがパソコンやスマホ・タブレット端末から映像を取り出し視聴することが可能です。現時点では日本ではまだそれほど普及していなく、極秘映像や資料を扱う研究所やIT企業、個人事業主、一部ガジェット好きの間で注目されていますが、今後はセキュリティや録画映像の扱い方の多様化に倣い、NASも徐々に普及していくことが予想されます。
NVRレコーダー(録画機)を選ぶ場合はHDDとSSDで悩む
上記で解説したように、録画機となるNVRレコーダーの種類はNVR・DVR・NASがあり、基本は何も悩む必要なくNVRを選択してかまわないことを紹介しました。
次に考える必要があるのは、NVRの中にある録画メモリです。録画する媒体はHDD(ハードディスク)とSSDの2種が現在の主流となっています。どちらもメリット・デメリットがあるので、まずは以下を覚えてください。
HDD(ハードディスク)のメリット
- SSDと比べて価格が安い
- 録画容量が大きい
HDD(ハードディスク)のデメリット
- SSDと比べて寿命(耐用年数)が短い※約3年
- 処理速度が遅い
- データが破損しやすい
SSDのメリット
- 処理速度が速い
- HDDと比べて寿命(耐用年数)が長い※5年以上
- データの破損する確率が低い
SSDのデメリット
- HDDと比べて価格が高い
- HDDと比べて録画容量が小さい
数年前まではSSDは非常に高価でしたが、昨今は価格も落ち着いてきましたし、容量も大きいものが続々と登場しています。HDDは円盤に録画映像をデジタル録画するのに対し、SSDはチップに録画するためデータの破損のしにくさはぴかいちです。
価格が数千円差であれば、SSDを選ぶのが最良と言えるでしょう。
その他の防犯カメラ用レコーダー(NVR録画機)を選ぶポイント
NVRレコーダーを選ぶその他の項目としては、「レコーダーのチャンネル数」や「接続方法」、「録画容量」なども重要視しなければなりません。
通常、施設で防犯カメラの映像を監視する場合は、どんなに小さな面積でも数台は必要です。例えば飲食店であれば出入口とレジ傍・フロア・駐車場・厨房と5台は必要となります。
レコーダーには複数のチャンネルがあり、防犯カメラを割り当てることによってチャンネル数の映像を区別して録画することができます。レコーダーのチャンネル数は4・8・16チャンネルが一般的です。自社で設置する防犯カメラの台数に合せて選ぶのが良いでしょう。注意点としては、現在は4台しか設置していなくとも、将来的に10台まで増やす可能性がある、というのであれば、いまのうちから16チャンネル対応のレコーダーを買うのがおすすめです。
レコーダーと防犯カメラの接続方法は有線以外に無線もある
NVRレコーダーはネットワーク接続が可能な録画機となりますので、WiFi対応の機種を導入すれば無線接続やBluetooth接続も可能です。
ただし、防犯カメラ本体が安定して映像をレコーダーに転送するためには一定の処理速度が必要となります。無線はWiFiであっても周辺環境や時間帯によって不安定になることが多々あるため、できれば有線接続がおすすめです。
NVRレコーダーの録画容量はどのくらいが適切か
NVRレコーダーはHDDかSSDが内蔵されていますが、HDDは500GB~6TB、SSDは500GB~2TBが平均となります。近年の最新防犯カメラはエコモードや圧縮率の技術が非常に高いので、圧縮ファイルで省エネ録画が可能です。2TBもあれば場合によっては1ヵ月録画できるので、それほど録画容量が足りない心配はする必要ありません。また、HDDもSSDもあとから交換することができるので、録画容量がいまのものでは不十分なときは交換すればいいだけです。
注意点は自分で交換してしまうと、不具合が発生したときに販売店やメーカーの保証対象外になってしまう可能性があります。もし販売店と保守契約をしているなら、交換を依頼するのもおすすめです。
まとめ:レコーダーも高価な精密機械。機種の相談は販売店に
今回は防犯カメラ専用のレコーダー(録画機)について詳しく解説しました。レコーダーは数十万円するものも多いので、初期費用がかさむ原因の1つでもあります。ただし、防犯カメラを買い替えてもレコーダーはそのまま使い続けることができるので、長く使うことを前提に高いものを買うのが結果的にコスパが良くなることが多いです。
とはいえ具体的におすすめできるメーカーや機種、使い勝手は買う前は分からないので、親身になってくれる販売店の担当者を見つけて、いろいろと相談してみるのがいいでしょう。