マンション内の不法投棄の事例及び防犯対策と解決方法
以前よりマンション経営において重大な問題として懸念されているのが「不法投棄」です。犯人捜しにより住民の間で不信感が募るだけではなく、風紀も乱れマンションの外観も損ないます。一刻も早く防犯対策を講じ、犯人を見つけたいところですが、不法投棄の問題は予想以上に複雑です。
そこで、ここではマンションにおける不法投棄の事例や効果的な防犯対策をご紹介します。
マンションで不法投棄の事例が相次ぐ
マンションの不法投棄は昨今深刻な問題として、全国のマンションオーナーや管理者が解決に乗り出しています。マンションによってはゴミ捨て場に防犯カメラを設置していないところもありますし、仮に防犯カメラの画像に犯人が映っていても、カメラのレンズが広角のため犯人の特定に至らない、といった事例がほとんどです。
しかし、不法投棄は常習性が高く、犯人を捕まえなければいつまでも繰り返し犯行が行われます。不法投棄をする犯人は犯罪意識が低く「このくらい捨てても逮捕はされないでしょ」と高を括っているため、不法投棄禁止の立て看板程度では犯行をやめることはありません。
マンションで不法投棄の具体例
マンション内における不法投棄でよくあるのは、「粗大ごみ」です。壊れたテレビやソファ、マットレス、布団などが放置されている例が散見されます。また、通常のゴミ袋も、条例で定められた仕分けを行っていないため、市が回収できない状況であることがほとんどです。
時には自転車やバイクなどの不法投棄もあり、処分するべきかどうかもマンション管理者にとっては悩みどころとなります。
マンションの不法投棄の処分費用は誰が負担する?
不法投棄は立派な犯罪となりますが、犯人が捕まらないうちはマンション側でゴミの処分を行わなければなりません。そのため、処分にかかる費用は当然マンションオーナーや管理組合が負担することになります。
しかし、管理組合が費用を払うとなると、管理費や修繕積立金から捻出されることになるので、今度は管理者と居住者側で関係が悪化するかもしれません。
バイクや自転車の不法投棄の対処が難しい理由
バイクや自転車が捨てられていた場合、すぐに処分してしまうと、後に大きな問題となることがあります。仮に持ち主が現れて「置いていただけで捨てたつもりはない」と言い張ってきた場合、最悪賠償金問題に発展する可能性があります。
マンションにおける不法投棄の犯人
マンションで不法投棄をする犯人は、「部外者」か「マンションの居住者」となります。前者の場合は近隣住民か組織犯の可能性もあり、不法投棄をいつまでも許していると、さらに悪質化する可能性が高いです。
一方で後者の場合は、居住者同士で犯人捜しがはじまり、真実と嘘が交錯した噂が立ち、マンション内の雰囲気が悪くなることが懸念されます。防犯カメラを設置していない場合は、犯人に見当を付けることができませんので、不法投棄の問題を解決することができず、あらぬ疑いをかけられた居住者はマンションを退去せざるを得ないことにもなりかねません。
マンション内の不法投棄問題。警察に通報すべきか
マンション内で不法投棄が発生した場合、まずは警察ではなく自治体に相談することになります。警察は私有地における不法投棄は民事不介入が原則となりますので、1回2回の不法投棄ではなかなか動いてくれません。
一方で自治体に相談しても解決に至るケースは少なく、不法投棄が常習化・悪質化したのち、警察に相談するのが一般的な流れとなります。
マンションの防犯対策はハードとソフトが重要
冒頭でもご説明したように、仮に防犯カメラを設置していても、犯人が気にせず不法投棄に及んだり、映像で顔の特定に繋がらないのであれば、防犯対策としては失敗と言えます。防犯カメラの本来の役割は、不法投棄を含む犯罪者の犯行を未然に防ぐことにあるからです。
そのため、マンションで不法投棄の防犯対策を検討する際は、ハードである防犯カメラの性能、及びソフトとなる防犯知識や危機管理意識の両面を持つことが必要となります。
防犯対策の正しい知識がマンションの不法投棄を解決する
防犯カメラは単に高性能の機種を選べばいいわけではありません。犯行を未然に防ぐ機能の搭載や、レンズの種類などを総合的に検討しなければなりません。また、防犯カメラの設置場所、高さ、台数は死角の有無で判断しなければなりませんので、専門的な知識が必要となります。
不法投棄を本当に解決したいのであれば、防犯設備士の資格を持つプロにまずは相談してみてはいかがでしょうか。