マンションの不審者の侵入対策。事件を未然に防ぐ防犯を解説
マンション管理者にとって、防犯対策は最優先に取り組む必要があります。1度でも重大な事件が起きてしまえば、当該マンションを借りようと思う人はいなくなりますし、空き室の増加は資産価値の低下にも繋がります。そのため、マンション管理では、防犯対策は疎かにしてはならず、2~3年に一度はあらゆるセキュリティを見直して、最新に取り揃えるのが一般的。
そこで、ここではマンションにおける不審者の侵入対策に焦点をあてて、最適な防犯対策を含めて解説します。
マンションにおけるセキュリティリスク
マンションにおけるセキュリティリスクは多種多様です。今回紹介する不審者の侵入はもちろん、その他にも「放火」、「空き巣」、「不法投棄」、「業者の勧誘」なども放っておくことはできません。
特に近年は犯行の手口も巧妙化しており、従来の防犯対策では現代の事件に対応できない可能性もあります。10年前と今では、犯罪者の思考や犯行方法はまるで違うことを念頭に、今一度運営しているマンションの防犯対策を見直してみてください。
ワンルームマンションや女子限定マンションは特に要注意
不審者にとって、居住者が一人暮らしであることが多いワンルームマンションは、非常に侵入しやすい物件とみなすことができます。入居者の多くは学生もしくは社会人となるため、日中は不在で夜間は在宅、といったルーティンを予想しやすく、また、近年は入居者同士の交流も少ないため、部外者がマンションに侵入してきたとしても、入居者は気づくことができないでしょう。
昨今は女子限定のマンションも増えてきました。マンションの多くは万全なセキュリティを特徴としていますが、それでもマンション内におけるセキュリティリスクをすべて網羅することは困難です。特に不審者の侵入においては、女性にとっては非常にセンシティブな問題となり、「別れた彼氏につきまとわれている」、「ストーカーに追われている」といった問題を抱えている女性入居者に対して、マンション管理者はどのような対応を講じるべきかは、レギュレーションとして考えておくべきでしょう。
不審者の侵入対策。不十分なマンションが多い
マンションの防犯対策を見てみると、不審者による侵入対策が不十分な物件が多く見受けられます。防犯カメラをロビーに設置すれば、人の出入りは監視できますし、不審者がメールボックスを勝手に開けているところが映れば、犯人の逮捕にも繋がるかもしれません。
しかし、ロビーに入っているということは、その不審者はすでに「侵入者」となり、マンションは不審者の侵入を許してしまっていることになります。敷地の入口やエントランス前、裏口といった侵入口への防犯対策をしっかりと講じていないと、ご覧のように簡単にマンション内部に侵入を許してしまうでしょう。
重大な事件があってからでは遅い
マンション管理者は、入居者の命を預かっている身であることを再認識する必要があります。不審者の侵入を許してしまったことが原因で、重大な事件が発生してしまうと、途端にマンションの資産価値は下がりますし、「事故物件」となり、誰も当該マンションに住みたいとは思いません。また、防犯対策を疎かにしていた場合は、マンション側の管理責任を問われる可能性もあります。
マンションの資産価値の低下
セキュリティを万全にしていると、それだけでマンションの資産価値が向上します。
・24時間警備員の配備
・随所の防犯カメラの設置
・オートロック
・TVモニタ付きインターホン
・敷地内の深夜における外套の点灯
上記はいずれもマンションの資産価値を上げる防犯対策となりますし、不審者の侵入を阻む役割もあります。
マンションの不審者の侵入手口も例年巧妙化している
「うちのマンションはすでに防犯カメラを設置しているから大丈夫だよ」という管理者も多いことでしょう。しかし、防犯カメラが5年前、10年前に設置したものであれば、もしかすると侵入を試みる不審者にとっては、まったく脅威ではないかもしれません。
一昔前と比べると、不審者の侵入手口は大きく異なりますし、侵入経路も巧妙化しています。実際、最新の手口に対応した防犯カメラの設置法を心得ているマンションは、それほど多くはありません。
不審者のマンションの侵入経路を押さえた最新の防犯対策が必要
防犯カメラを単なる監視役として誤解していると、取り返しのつかない重大な事件が発生してしまいます。防犯カメラに映し出している不審者の目的は、こちらでは知る由もないからです。そのため、「不審者をマンション内部に入れない」ための防犯対策が必要となり、それにはマンションへの侵入を阻む最新の「ハード機」と、不審者の犯罪心理や行動論を把握した「ソフト」の両方が必須となります。