防犯カメラの購入・設置は家電量販店や電気屋はおすすめしない理由
近年は犯罪増加の背景を受けて、零細中小企業でも積極的に防犯カメラの導入を検討されています。値段が安いからといって、防犯カメラの購入や設置を家電量販店や電気屋に依頼する企業も少なくありません。
企業が自社の財産を侵入窃盗から守るために設置する防犯カメラとなるので、できれば専門の販売店に設置依頼をしたいところです。そこで、今回は企業が家電量販店に設置依頼をする弊害を具体的に解説します。
防犯カメラはどこで買う?購入・設置の依頼先
そもそも企業の調達関係者は、防犯カメラのようなセキュリティ機器はどこで買うのでしょうか。
防犯カメラは決して安い買い物ではないため、必要に応じて相見積もりをとるのも普通ですし、専門家からアドバイスや提案を受けて、カメラの機種を吟味することになります。
防犯カメラの購入・設置を依頼できるお店
・セキュリティ機器の販売店
・家電量販店
・電気屋
・工務店
・通販サイト
昨今は通販サイトや家電量販店も品揃えがよくなってきておりますし、小規模事業者の中には、近所の親しい電気屋や工務店に防犯カメラを設置してもらうケースもあるようです。
ケーズデンキやヤマダ電機は防犯カメラ設置は請け負っていない?
古くから防犯カメラを販売している家電量販店と言えば、ケーズデンキやヤマダ電機が有名です。最近ではネット販売に注力しているようで、ラインナップも増えてきた様子がうかがえます。
しかし、ケーズデンキやヤマダ電機は、テレビやエアコンといった一般の家電製品の取り付け・設置は請け負っていますが、防犯カメラは販売のみ提供しているようです。
一軒家の防犯カメラの設置費用
もし防犯カメラを事務所や一軒家に設置するのであれば、設置費用は専門の業者に依頼しても1台5万円前後が相場となります。自社の財産を守るためのセキュリティ機器の設置費用と考えれば、決して高くはないと言えるでしょう。
また、最近は設置工事の必要がない据え置き型のドームカメラも多くなってきたので、個人の一軒家であれば十分かもしれません。
ただし、企業が設置する防犯カメラとしては機能・仕様ともに低いため、あくまでも家庭におけるホームセキュリティの一部でしか利用はおすすめできません。
家電量販店以外で防犯カメラの購入をおすすめできないお店とは
家電量販店以外でも「町の電気屋」や「工務店」、「ホームセンター」でも防犯カメラを調達することはできますし、設置工事を引き受けてくれるところもあるかもしれません。しかし、こちらも家電量販店と同様におすすめすることはできません。
そもそも小さな電気屋やホームセンターは一般消費者をターゲットにしているため、売っている防犯カメラも小型で室内向けのものとなります。
家電量販店の通販サイトでも防犯カメラの購入はおすすめできない
昨今は備品関係を家電量販店の通販サイトを通して購入している企業の仕入れ・調達担当者も多くなってきました。しかし、防犯カメラの購入に関しては避けるのが無難です。上述したように、家電量販店の通販サイトでも防犯カメラは購入することができますが、「取り付けは行っておりません」、「商品のお届けのみとなります」といった文言がよく見受けられます。
防犯カメラの設置は、取り付け場所の選定から工事方法まで複雑多岐となるので、家電量販店では手に負えない様子が見て取れます。
防犯カメラの購入・設置は家電量販店や電気屋では駄目な理由
防犯カメラの購入や取り付け設置を家電量販店や電気屋などに依頼するのはおすすめしないことを解説しましたが、 下記ではもう少し具体的に、なぜ企業の防犯カメラの導入に家電量販店の利用がまずいのかをご紹介します。
1.家電量販店には防犯カメラの機種提案ができる人員がいない
まず、家電量販店には防犯カメラの機種や機能・性能・仕様に熟知したスタッフが不在となります。防犯カメラはパソコンやテレビのような家電製品と異なり、機種の選定から設置方法まで業界の人間しか提案できないような知識が必要となります。また、仮にメーカーから派遣されているスタッフが家電量販店に在籍していたとしても、彼は防犯カメラのプロフェッショナルではありませんので、カタログスペックをなぞる提案しかできないものと思われます。
防犯カメラの購入にあたっては、“防犯設備士”の資格を持ったセキュリティ機器の販売店スタッフが直接企業担当者に提案するのが一般的です。
2.家電量販店の設置スタッフは防犯カメラの的確な設置場所が分からない
防犯カメラの設置に関しては、犯罪心理を深く理解した上で、侵入者にとって脅威となる場所に取り付けなければなりません。また、防犯カメラのレンズは画角が決まっているため、少なからず死角が生じるので、その死角を最小限にする場所を見つけたり、台数を増やして死角を補うことも考えなければなりません。
この設置場所に関しても防犯設備士の資格を持った人であれば熟知しています。
また、やってはいけないのは「ネットで得た知識で防犯カメラを設置する」ことです。ネットで収集できる情報というのは極めて基本的なものとなります。しかし、防犯カメラの設置環境は企業によってまったく異なるため、自社の環境に当てはめて考えることはできません。
3.防犯カメラの設置工事は電気とネット回線の双方の知識と経験が必要となる
電気屋や工務店では一般的な電気製品の配線工事は請け負ってくれます。しかし、昨今の防犯カメラはインターネット回線を利用するネットワークカメラが主流となりつつあるため、配線工事にあたっては、電気系統とLANケーブルの双方の知識が求められます。
また、防犯カメラを専門とする工事業者であっても、工事の途中や設置後に不具合が発生することがあり、原因究明に時間を要することも少なくありません。それだけ防犯カメラの設置はデリケートな部分となります。
そのため、仮に電気屋や工務店が設置工事を引き受けてくれたとしても、ネット回線やモニタートラブルが発生した際、フォローできる人がいません。電気屋や工務店もお手上げ状態になってしまう可能性もありますし、それを見越して高額な見積りを提示されることもしばしばあります。
4.家電量販店で設置するとアフターサービスがない
家電量販店で購入・設置をした場合、その後のアフターフォローを考えなければなりません。家電量販店側では設置後のアフターサービスは用意していませんので、何かしらの不具合が発生した際は、セキュリティ機器の販売店に依頼しなければなりません。しかし、販売店側も不具合の究明には時間がかるため、多くの業者は断らざるをえません。
一方で最初から家電量販店ではなくセキュリティ機器の販売店で購入・設置したのであれば、運用後も手厚いアフターサービスを受けることができます。定期メンテナンスや故障時の補償等、業者独自の保守プランを用意しているので、安心・安全に防犯カメラを運用・管理することができます。
家電量販店で防犯カメラの購入・設置依頼をしてもいいケースとは
企業であれば、業態問わず防犯カメラの購入や設置にあたっては家電量販店ではなく、しっかりとした防犯機器を販売する専門業者に依頼するべきとなります。
一方で個人が一軒家の玄関先に防犯カメラを設置したり、室内のリビングなどに侵入者対策として設置する際は、大掛かりな工事が必要ありませんので、家電量販店でも構わないでしょう。
ただし、個人であっても個人事業主や高所得者の邸宅では、高価な財産や取引先の個人情報などが保管されているため、販売店に相談した方がいいケースもあります。
防犯カメラの購入・設置は防犯設備士の有資格者に相談しよう
今回は企業が導入する防犯カメラは、家電量販店で購入するべきではない理由をご紹介しました。防犯カメラの購入や設置にあたっては、販売店に在籍している防犯設備士の有資格者に現地に来てもらい、しっかりと調査してもらったのち、適切な機種を提案してもらうようにしましょう。