屋外防犯カメラで夜になると映らない原因と対策を解説!
屋外防犯カメラを設置したけど、夜間の映像がうまく映らないことがあります。犯人の顔や車のナンバーはもちろん、映像が真っ暗なケースもあります。
その原因はさまざまで、防犯カメラの設置場所や使用している機能が悪かったり、本体やレコーダーが故障していることもありますので、復旧には慎重にならなければなりません。
そこで、今回は防犯カメラを屋外に設置した際の「夜になると映らない」場合の原因と対策を解説します。
屋外防犯カメラで夜を撮影する2つの機能と仕組み
防犯カメラを屋外に設置して撮影に臨んでも、夜間になると映像が映らない原因を知るためには、まずは防犯カメラが光のない夜間で撮影する技術を覚えておきましょう。
防犯カメラの夜間撮影の技術は、主に下記で解説する2つのいずれかが用いられているのが一般的です。
近年の主流「赤外線暗視型防犯カメラ」
近年発売されている最新の防犯カメラの多くは、こちらの「赤外線暗視」の機能が搭載されています。赤外線を発するLEDライトを照射することによって、照射範囲を映像化することができます。
メリットとしては光源がなくとも撮影できる点ですが、デメリットとしては、現在発売されている赤外線暗視型防犯カメラの多くは白黒です。これは従来の赤外線は色を判別することができないためとなります。
広い画角で夜を映すなら「微光監視型防犯カメラ」
微光監視型防犯カメラは文字通り「わずかな光を光源にして、感度を高めて撮影します。デジカメでもISOの数値を高めることによって暗がりの場所でも明るく撮影することができますが、それと同じ技術となります。
メリットとしては、小さな光でも感度を高めることによって広い画角で夜でも明るく映すことができます。
その一方で、赤外線とは異なり、まったく光がない場所では映像は映りません。また、光の感度を高めるということは画質が悪くなりますし、高画質を維持して赤外線暗視よりも映像の映りがいいカメラは、往々にして価格がかなり高いです。
防犯カメラで夜が映らない原因とは?
防犯カメラを屋外に設置しても「なぜか夜になると映らない」ことがあります。これには幾つか原因がありますし、最終的には販売業者を呼ぶことにもなりますが、まずは自社の管理者が確かめるべき2つのことをご紹介します。
防犯カメラの夜間撮影距離を確認する
防犯カメラで夜になると映らない原因の一つに「撮影可能距離より離れている」ことが挙げられます。夜の撮影可能距離は、同じ赤外線暗視型や微光監視型でも、搭載されている技術によって異なります。これは防犯カメラの仕様となりますので、本来ならば必ず導入前に確かめなければなりません。
従来の安価で手に入る防犯カメラの夜間の撮影距離は、およそ3~5m程度でした。しかし、近年の最新防犯カメラであれば、15~30m程度の撮影距離を確保できる機種も多くあります。
そのため、まずは自社が設置している防犯カメラのスペックを確認して、夜間の撮影距離がどのくらいなのかを把握してみてください。
防犯カメラの設置場所や角度・高さが悪い
夜間撮影距離を満たしていても夜が映らない場合は、防犯カメラの設置場所・角度・高さをもう一度調べてみてください。防犯カメラを設置する人の中には、少しでも撮影距離を伸ばそうとできるだけ高い位置にカメラを設置することもありますが、設置場所が高すぎるとライトや赤外線が届かなく、撮影距離を満たすことができません。
また、角度も推奨されている使用方法に従わなかった場合は、雨が降ったときに水滴が溜まって機体内部に侵入して故障してしまうこともあります。
ただし、防犯カメラの設置をプロの販売員が行った場合、下手に動かしてしまうと撮影する映像の証拠能力が下がってしまう可能性があるので注意してください。
防犯カメラで夜が映らない場合の対策
上記でご紹介した対策を用いることで夜になると映らない問題を解決できればいいのですが、それでも映らない場合は別の原因が考えられます。
また、「夜になると映らない」と言っても、まったく映らないのか、それとも映像がカクついているのか、画質が悪いのか、などは状況によって異なります。
そこで、下記では防犯カメラの撮影で夜になると映らない原因と対策をシチュエーション別にご紹介します。
夜だと画質が悪い・かくかくする場合の対策
防犯カメラの夜間撮影時、「夜の撮影は何とか可能だが、画質が悪く、映像がかくかくする」ことがあります。画質が悪いと証拠能力が下がりますし、犯人の顔や車のナンバープレートを確認できなければ、防犯カメラを設置する意味がありません。
画質が悪く映像がかくつく原因は、「フレームレートが低い」ことが挙げられます。いわゆる「コマ落ち/フレーム落ち」と呼ばれる現象で、防犯カメラのスペックが低かったり、ネットの通信速度が低下している場合に発生します。通常は30fpsであれば自然な動画としてかくつくことはありませんが、それ以下に落ちてしまうと、動画が断続的に止まったり、数秒後に突然飛んだりすることがあります。
対策としてはピットレートを下げたり、ネット処理速度を上げることが求められますが、どうしても解決しない場合は、防犯カメラの機種の買い替えが余儀なくされることもあります。
夜だと映像の周囲(縁)が暗くて映らない原因と対策
昼間の撮影は問題なくとも、夜になると映像の周囲(縁)が暗くなって、希望している範囲が映らないことがあります。これは赤外線暗視型の防犯カメラの特徴となります。赤外線は狭い範囲を直進に飛ぶので、中心以外の周囲は映らないことがよくあります。
対策としては、周辺を少しでも明るくする方法が自社でできる唯一の手段となります。それ以外は微光監視型防犯カメラに買い替えることや、よりスペックの高い赤外線暗視型カメラを導入するかとなります。
ちなみに、昨今は赤外線技術が非常に進歩しており、夜でも広範囲に撮影することができたり、フルカラー映像が可能な機種もあります。一昔前まではいずれも微光監視型防犯カメラでしかできない技術でしたが、昨今は赤外線で賄うことができるようになりました。
防犯カメラの夜の映像が真っ暗で映らない原因と対策
上記では夜の映像の縁の部分が映らない問題でしたが、一方で映像全体がまったく映らない症状もあります。これは下記のような原因が考えられます。
・防犯カメラのナイトモードに何かしらの不具合が生じている
・LEDライトの電池が切れている
・微光監視型防犯カメラにも関わらず光源がまったくない
・防犯カメラの前にゴミや障害物がある
「防犯カメラの前に障害物がある」という問題は一見するとあり得ないことのように思いますが、防犯カメラの導入当初から何年も経つと、設置環境が変わってしまうことも普通にあります。
防犯カメラの昼も夜も映像が映らない原因と確認方法
防犯カメラの運用で夜だけが映らないのではなく、昼間も映像が映らないようであれば、下記を疑うといいでしょう。
・ネット回線もしくは電源ケーブルが断線・破損している
・防犯カメラ本体もしくはレンズが不具合を起こしている
ただし、ケーブル関係の不具合を突き止めるのはプロでも難しいため、素人は手を触れてはいけません。必ず設置販売業者に問い合わせて調査に来てもらってください。
夜の白黒映像は古い!最新防犯カメラはフルカラー撮影が可能
上記でも少し触れましたが、近年は赤外線技術が進歩し、従来までは微光監視型でしか再現できなかった「夜のフルカラー撮影」が赤外線暗視型でも実現しました。新型のCCDが可能とする技術で、これまでよりも赤外線の照射により分析できる情報が増幅したことで、フルカラー撮影が可能となります。
近い将来は夜の白黒映像は古い技術に成り代わることが想定されるため、防犯カメラを新規導入もしくは買い替えを検討している企業は、「夜になると映像が映らない」課題を解決するためにも、最新の防犯カメラを選択してみるのはいかがでしょうか。