屋外防犯カメラはクラウドで映像保存。企業向け管理方法を解説
屋外防犯カメラ(監視カメラ)の日ごろの映像はクラウドで保存・管理するのがおすすめです。しかし、初めてIPカメラ(ネットワークカメラ)を導入する場合、「クラウドってなに?どこがいいの?」という企業担当者も多いことでしょう。
そこで、ここでは屋外防犯カメラにおける「クラウド」の利用方法やメリット&デメリットをご紹介します。
屋外防犯カメラ(監視カメラ)の映像録画方式の比較
屋外防犯カメラを導入する企業は、録画した映像をどこに保存・管理するかを検討しなければなりません。従来のアナログカメラは録画レコーダーで保存するのが常でしたが、IPカメラ(ネットワークカメラ)の普及により、複数の録画方法が可能となりました。
1.クラウドに録画映像を転送
まずおすすめしたいのが、クラウドに録画映像を転送することです。クラウドはオンラインストレージと呼ばれる、インターネット上に確立された保存領域にデータを保存できるサービスを指します。
インターネット接続を可能とするIPカメラのみが可能なサービスとなります。クラウド保存に対応している防犯カメラを「クラウドカメラ」と呼ぶこともありますが、昨今のIPカメラは多くがクラウドに対応しています。
クラウドは物理メモリーと異なり容量に上限がありません。そのため、容量の心配なくいくらでも保存できるのがメリットとなります。録画レコーダーの場合は、本体を盗まれたら録画映像も盗られてしまいますが、クラウドはオンライン上に保存するため、盗むのが非常に困難となるため、セキュリティ面からもおすすめできます。
2.防犯カメラ本体内蔵のSDカードに保存
もう1つの保存方法は、SDカードに映像を録画する方法です。防犯カメラの中には本体にSDカードを内蔵できる機種も多くあります。
防犯カメラ本体にSDカードを挿入するだけなので専門知識が不要な点は魅力です。クラウドのように月額費用が掛からないですし、SDカード自体も近年は価格が下がっているので、ランニングコストや維持費は抑えることができます。
3.録画レコーダーに保存
アナログ時代から使われている録画レコーダーも引き続き利用価値は高いです。スペースをとるのが厄介ですが、SDカードよりもメモリー容量は大きいため、長期の保存に適しています。
物理メモリの王道であり、クラウドと相反するメリットとデメリットがあるので、どちらがいいかは防犯カメラの設置環境や管理状況などを鑑みて決めるのがいいでしょう。
屋外防犯カメラを物理メモリで録画保存するデメリット
屋外防犯カメラで撮影した映像は、上述したようにクラウドか物理メモリのどちらかで保存することになります。それぞれに良さやメリットデメリットがありますが、下記では物理メモリで録画保存するリスクをご紹介します。
メモリーのある場所まで取りに行かなければならない
SDカードに録画した映像を保存すると、定期的にSDカードを取りに行く作業が発生します。屋外防犯カメラは高い位置に設置することが多いため、SDカードをとるときはわざわざ業者に頼まなければならないかもしれません。もちろん費用もかかりますので、毎月取り出す場合はランニングコストのような月額で予算を確保しなければなりません。
SDカードや録画レコーダーは破損して見れないことも多い
SDカードや録画レコーダーのような物理メモリはよく破損することがあります。防犯カメラは毎日録画するため、SDカードにかかる負担も大きいですし、HDDレコーダーは磁気に弱いのが特徴です。
SDカードやレコーダーを使っている企業がクラウドに乗りかえる最も大きな理由が、この破損にまつわる問題です。
防犯カメラのクラウドの月額料金・費用
防犯カメラの映像をクラウドに保存する場合は、オンラインストレージ会社と契約しなければならないので、月額料金が1台当たりにかかります。料金プランは保存する容量や販売店によって異なりますが、1ヵ月ほど録画容量を確保する場合は、月額2~3000円が費用相場となります。
こまめに削除・ダウンロードすれば費用は最低限に抑えられる
クラウドでランニングコストを抑えたい場合は、安い料金プランに申し込むことで費用を抑えることができます。その代わり保存容量が少なくなるので、データの圧縮性能が高い防犯カメラを購入したり、映像の保存期間を短くするなどして対応するといいでしょう。
また、クラウドに転送した映像データはダウンロードすることができますので、映像を削除したくない場合は、データをダウンロードして、外部メモリやパソコンなどに保存することもできます。
防犯カメラのクラウドは無料で活用できる?
防犯カメラの映像保存をクラウドに指定する場合は、上述したようにクラウドのプランへの契約が必要です。大抵は防犯カメラを購入した販売店が提携しているオンラインストレージサービスを利用するので、販売店との契約となりますが、いずれにしても無料でクラウドを利用することはできません。
ただし、販売店が用意する保守メンテプランなどにクラウド使用料があらかじめ含まれているケースもあります。
ネットワークカメラでクラウドを月額無料で使う場合は「レンタル」がおすすめ
防犯カメラ(ネットワークカメラ)を導入するなら、クラウドによる保存・管理がおすすめですが、どうしても費用が気になる企業は、販売店の用意する「レンタル」プランに加入するのもいいかもしれません。販売店にもよりますが、レンタルプランにはクラウドの保存・使用料金も含まれていることが多いので、レンタルであればクラウド使用料はかからないという見方もできます。
企業・店舗向け屋外防犯カメラのクラウドの管理方法
屋外防犯カメラで撮影した映像をクラウドで管理することで、企業や店舗は下記のようなメリットがあります。ここではクラウドのおすすめ管理方法をご紹介します。
24時間いつでもパソコンやスマホで録画映像を確認できる
クラウドに保存すると、録画映像はオンライン上に保管されることになるため、管理者が承認していればパソコンやスマホ、タブレット端末などあらゆるデジタル機器で録画映像を見ることができます。
ただし、誰もがログインできる状態はセキュリティやプライバシー状重大な問題となるため、管理する人や映像を見ることができる人は、社内でしっかりと決めておく必要があります。
複数店舗の映像を監視できる
全国に支店や店舗を展開している場合は、各事務所で管理すると同時に、本社でもセキュリティ管理をする必要があります。クラウドに保管した映像は権限さえあればどこでも管理できるので、支店と本社の双方で管理できるのも特徴となります。
まとめ:屋外防犯カメラの映像をクラウドで管理するポイント
屋外防犯カメラの映像をクラウドに保存する場合、セキュリティはしっかりと自社で管理してください。強固なパスワードを設定して、ログインできる人間を限定しましょう。
また、クラウドに加入するプランは販売店から提案されるだけではなく、自社でも必要な保存容量は調査してください。例えば月額100GBのデータ保存プランに加入しても、実際は50GBしか使っていないのであれば、月額プランの見直しが必要です。