屋外使用の防犯カメラで電源不要がおすすめできる条件や注意点
屋外防犯カメラの導入を計画している企業の中には、電源不要の機種を希望する人もいます。電源不要の機種はここ数年で性能が飛躍し、現在では多くのセキュリティ機器専門店が取り扱いをはじめています。
しかし、電源不要の防犯カメラのメリットとデメリットを知らないで運用すると、導入後に大きなトラブルに見舞われることもあるかもしれません。
そこで、ここでは電源不要の屋外防犯カメラの良し悪しや選ぶポイントを解説します。
屋外防犯カメラで電源不要で運用するメリット
屋外防犯カメラもここ10年で大きな飛躍を遂げました。一昔前まではすべてを有線で繋ぐ同軸カメラが主流でしたが、現在はインターネットの普及によりネットワークカメラが主流となり、無線で防犯カメラの映像をモニターに飛ばすことができるようになりました。
しかし、「電源不要」となると、また話は変わってきます。なぜなら、一般的にはネットワークカメラであっても、原則電源は有線で引かなければならないからです。
そこで、下記では屋外防犯カメラを電源不要で運用するメリットや優位性をご紹介します。
初期投資費用を大きく抑えることができる
もしかすると、電源不要の屋外防犯カメラを選ぶ企業担当者は、これが目的かもしれません。通常、屋外に設置するタイプの防犯カメラは、電源を引く工事が必要となります。多くの場合、電源ケーブルを地中に隠す工事が必要ですし、場合によっては壁に穴を開けることもあります。
そのため、設置環境によっては多額の工事費用がかかる可能性もあり、本体の導入と合わせると数百万円の見積もりとなることもあります。
一方で電源不要の防犯カメラであれば、電源ケーブルを引く工事が必要ないので、その分の初期費用を抑えることができます。
電源を引くことができない場所に最適
例えば自然公園や高速道路下、資材置き場や建築現場といったところでは、近くに電源を供給できる場所がないことも多いです。
また、期間限定のフェスティバルや縁日、大会、フェス、野外ライブの場合は、わざわざ電源工事をして防犯カメラを取り付ける予算はとてもありません。そのため、電源不要の屋外カメラが重宝されます。
電源不要の屋外防犯カメラのデメリット
一方で電源不要の屋外防犯カメラにはデメリットもあります。メリットばかりを確認して、導入後に「こんなはずじゃなかった」とならないように、しっかりと電源不要タイプの良し悪しを理解してください。
電池&バッテリー切れで防犯カメラの電源切れが発生する
電源不要の屋外防犯カメラは、電池で動く機種と太陽光で動く機種があります。企業向けの屋外防犯カメラは大型となるので、電池ではなく太陽光で充電するバッテリーが一般的です。
しかし、太陽光や電池はいずれもバッテリー切れを起こしますので、それに気づかないと電源が切れてしまい、録画がされていなかった、といった事態になることも考えられます。
電源不要の防犯カメラは「常時録画」が厳しい可能性がある
上記で説明したように、電源不要の屋外防犯カメラの最大の弱点はバッテリー切れです。そのため、電池や充電バッテリータイプの電源不要の機種は、赤外線センサーで人を検知してのちに録画が作動する仕組みとなっていて、普段も撮影する常時録画はできません。
企業向けの最新ソーラーカメラであれば常時録画ができる機種もありますが、長時間録画を検討している場合は、できるだけ蓄電量の大きなバッテリーがペアになっているものを選んでください。
電源不要の屋外防犯カメラ導入ならワイヤレスを目指す
電源不要の屋外防犯カメラの導入を検討しているのであれば、電源だけではなく映像も無線で飛ばし、完全なワイヤレスを目指すのがおすすめです。
電源不要の屋外防犯カメラは、電源工事が不要であっても、WiFiネットワークをつなげるLAN工事が必要となります。昨今はLANケーブル一本で電源とインターネット双方を供給できるのが普通となっているため、ネットワークケーブルをつなぐのであれば、電源工事をしない意味が半減してしまいます。
言い換えれば、インターネットをLANケーブルで引ける設置環境であれば、電源も引いた方が運用上安定していておすすめです。
WiFi不要のSIM搭載型防犯カメラならワイヤレスが可能
一方でLANケーブルを引かなければ、WiFiが届かないケースもよくあります。WiFiが届くのはせいぜい数十mですし、防犯カメラとルーターの間に壁があると、電波も不安定になります。そもそもWiFiルーターを置けない環境も多いです。
そんなときは、SIM搭載型の屋外防犯カメラを選ぶといいでしょう。DocomoやKDDIなど通信キャリアに加入する必要があるので、月々パケット代の基本料金が発生することには注意してください。
しかし、SIMカードでネット通信を賄うことができればWiFiも必要ないので、名実ともに完全ワイヤレスとなり、工事不要でどこにでも設置することができます。
電源不要の屋外防犯カメラ選びで日本製等メーカーは関係なし
電源不要の屋外防犯カメラを選択する場合、企業の中には「やっぱり日本製がいいよね」といったメーカーによる選別もあるかもしれません。しかし、防犯カメラの業界においては、パナソニックといった大手日本メーカーであっても、世界からは遅れをとっているのが現状です。
驚くかも知れませんが、防犯カメラの業界で世界をリードしているのはアメリカではなく中国となり、次いでアメリカ、台湾、イギリスなどが挙げられます。
電源不要の屋外防犯カメラは、ソーラーカメラを中心にここ最近の技術となるので、中国製や台湾製がおすすめとなります。
日本製メーカーの防犯カメラはマイナーチェンジを繰り返して、5年10年と長く使うことを考えて開発されていますが、一方で中国やアメリカは2年おきに最新の性能と機能を有した防犯カメラを開発しています。
Amazonなどネット通販や家電量販店で購入しては駄目
Amazonのような通販サイトや家電量販店の購入も企業はおすすめしません。Amazonには数多くの電源不要の防犯カメラが販売されていますが、いずれも個人がつける小型の家庭用となり、企業向けではありません。
また、Amazonや家電量販店で購入した防犯カメラは、セキュリティ専門店に設置工事を依頼しても請け負ってはくれません。
電源不要の屋外防犯カメラのおすすめ機種を紹介!
上記では電源不要の屋外防犯カメラのメリットやデメリット、注意点などをご紹介しましたが、ここでは実際の電源不要タイプのおすすめ機種をご紹介します。
最新のソーラーカメラは電源不要のデメリットを克服している
太陽光パネルで蓄電するソーラーカメラは、電源不要の屋外防犯カメラの代表とも言えます。しかし、従来のソーラーカメラは、太陽光パネルの性能が低かったり、バッテリーの蓄電量が少なく、数日間悪天候が続くと電源が切れてしまう弱点がありました。
しかし、最新のソーラーカメラは太陽光パネルも性能が向上し、バッテリーも大容量のタイプが増えて、これまでの弱点を克服することが可能となりました。
もしソーラーカメラの導入を本格的に検討したいのであれば、防犯カメラ専門の販売店に相談してみるのがいいでしょう。
トレイルカメラは個人向け。企業の利用をおすすめしない理由
近年注目されている乾電池や太陽光パネルで動くトレイルカメラも電源不要の防犯カメラの一種です。屋外仕様のトレイルカメラであれば、防水防塵性能も高いので、比較的ラフな環境でも対応できます。
ただし、トレイルカメラの多くは小型のため、太陽光パネルとバッテリーは蓄電量が少ないため、やはり数日太陽光を蓄電できないと電源が切れてしまいます。そのため、トレイルカメラの企業利用はおすすめできません。
まとめ:電源不要の屋外防犯カメラの導入を検討するポイント
今回は電源不要の屋外防犯カメラの概要やおすすめできる設置環境などをご紹介しました。電源不要の屋外防犯カメラを導入する際は、必ず専門家に相談して、そもそも「本当に電源不要の機種が適しているのか」を提案してもらうのがいいでしょう。
近年は外国人犯罪や組織犯罪も凶悪化しており、防犯カメラの重要性が再認識されています。会社として一度失った信頼を取り戻すのは困難のため、くれぐれも予算だけで防犯カメラの機種を決めることのないようにしてください。