ソーラー式の屋外防犯カメラ。「赤外線」機能の注意点
近年は防犯カメラの中でもソーラーカメラが目覚ましい進歩を遂げています。今回はその中でも「赤外線」に着目して、具体的な機能や必要の有無に関してご説明します。
単に「最新の赤外線が搭載している防犯カメラ」というだけで機種を選んでしまうと、予算がかかるだけで実際導入後に使いこなせない可能性もありますので、注意してください。
屋外防犯カメラで近年の注目「ソーラーカメラ」
屋外防犯カメラの中でも近年企業の間で注目されているのが「ソーラーカメラ」です。ソーラーカメラは太陽光パネルを用いて電気を自給することができ、さらにバッテリーに蓄電することにより配線工事の必要なく、どこにでも設置することができます。
昨今は屋外のセキュリティ強化に注力し、事務所から離れた場所にも防犯カメラの設置を望む企業が増えてきました。ソーラーカメラはそういった需要に適しており、今後もソーラーカメラの普及は犯罪の多様化に伴い急速に拡大すると予想されます。
しかし、ソーラーカメラも昨今は数多くのメーカーから登場しており、企業の調達担当者はさまざまな機能や仕様を謳った最新機種から、自社に合ったものを選択する必要があります。そのため、ここで紹介する赤外線機能に関しても、選択肢の1つとして考えてみてください。
防犯カメラにおける「赤外線機能」の仕組みとは?
防犯カメラの機種を選ぶ重要な指標の1つに「赤外線」の機能が挙げられます。
防犯カメラにおける赤外線は夜間の撮影に使用し、赤外線を照射することによって反射を利用して物体を映像化します。一昔前までは小さな光を照射して、高感度に撮影する「微光監視型」が多く出回っていましたが、近年は赤外線技術が発展したため、ご覧のような赤外線暗視型が普及しています。
ただし、赤外線暗視型といっても、照射距離や赤外線技術は機種によって異なりますし、現在の最新赤外線技術は5年前、10年前には存在しなかったものとなるので、いまから防犯カメラを新規導入、あるいは既存のカメラの買い替えを検討している企業は、必ず最新の機種と比較するようにしましょう。
ソーラーカメラの「赤外線機能」とは
上記で解説したように、昨今は赤外線カメラといっても、機種によってスペックによる差が大きく、企業担当者は販売店の提案を鵜呑みにするだけではなく、自身も多少なりとも赤外線機能に関して知っておく必要があります。
続いてご紹介するのはソーラーカメラの導入を検討している企業に覚えておいてもらいたい「ソーラーカメラに搭載されている赤外線機能」に関してです。
夜間の撮影は白黒かフルカラー撮影ができる
以前より夜間でもカラー撮影ができる防犯カメラ・ソーラーカメラは出回っていましたが、その多くは赤外線ではなく微光監視型でした。一方で赤外線は白黒が基本となり、また、照射範囲が狭いため左右が暗くなり撮影範囲が狭いのが欠点でもありました。
しかし、最新のソーラーカメラに搭載されている赤外線技術は、夜間においても白黒ではなくフルカラー撮影ができる機種も登場し、不審人物の衣類や車の車体など、犯人を特徴づける証拠映像を記録できるようになりました。
人や動物・車だけを判断「赤外線検知機能」
また、赤外線技術が進歩したのは撮影映像だけではありません。従来から搭載されている、赤外線による人や車の検知機能も最新機種では飛躍しています。人・動物・車といった物体を検知して、自動で録画が作動する赤外線検知機能ですが、従来では気温や天候によって作動が遅れてしまったり、人と車だけを検知したいのに動物も誤検知してしまう事例が相次いでいました。
しかし、最新のソーラーカメラに搭載されている赤外線検知機能は正確に人だけを検知することができ、また、検知する範囲も自分で指定できたりと、非常に使い勝手のいいものとなっています。
ソーラーカメラの赤外線機能の注意点
ソーラーカメラの導入を検討する際は、単に最新の赤外線機能を搭載している機種を選ぶのが最良というわけではありません。
ソーラーカメラを設置する周辺環境や使用目的によって、赤外線に求める仕様・スペックも変わってくることを覚えておいてください。
価格の安い防犯カメラは車のナンバーが判断できない場合がある
これは通常の防犯カメラでも言えることですが、ソーラーカメラのような精密機械は安かろう悪かろうとなります。特に発展途上にある赤外線機能は、機種によってスペックに大きな差があり、往々にして価格に反映されています。
ソーラーカメラを導入する前はロケテストで撮影画像の品質を確かめることができますが、基本は日中の撮影となるので、夜間の映像品質まで確かめることを忘れてしまうことがあります。
価格の安いカメラであっても、昨今はレンズの技術が飛躍しているため日中の映像は高解像度で映すことができますが、夜間の赤外線を使った映像となると、途端に画質が悪くなり、車のナンバーすら判断できなくなってしまう場合もあります。
ソーラーカメラのフルカラー撮影はおすすめできない環境もある
上記では昨今のソーラーカメラも最新機種になると、フルカラー撮影ができる赤外線の機種も登場していることをご紹介しました。しかし、必ずしもフルカラー撮影がおすすめとは言えません。
例えば、ソーラーカメラの設置環境の中には自然公園や田畑、パイプライン、高速道路、ダムなどが挙げられますが、森林が多い場所ではフルカラー撮影をしてもあまり意味がないことがよくあります。
カラー撮影を謳う製品を検討する場合は、本当に自社の設置環境にカラーが必要なのかどうかを再度吟味するとともに、カラー撮影機能以外の防水や防塵、耐久性、バッテリーの蓄電容量なども要件を満たしているかどうか確認をしてください。
ソーラーカメラを屋外設置するときは専門家に任せる
ソーラーカメラを屋外に設置するときは、上述したように日中だけではなく夜間の映像も確認しなければなりませんし、設置環境によってバッテリーの蓄電量やソーラーパネルのサイズ、防犯カメラ本体のスペックを吟味する必要があります。
しかし、一般の人では数多くあるソーラーカメラや防犯カメラの中から自社に最適な機種を選ぶことはできません。
防犯カメラの販売店には「防犯設備士」の資格を持った営業担当が在籍しているので、まずは担当者に設置場所に来てもらい、周辺環境を調査してもらった上で最適なソーラーカメラを提案してもらうのがいいでしょう。
ソーラーカメラの導入は慎重に。赤外線機能は機種によって異なる
今回はソーラーカメラの導入にあたって、赤外線機能の概要と注意点をご紹介しました。設置環境によって赤外線に求める仕様は異なりますし、単純に高い機種を選んでしまうと、明らかにオーバースペックになってしまうこともあります。
また、赤外線だけではなく、ソーラーカメラ本体・太陽光パネル・内蔵バッテリー・インターネット回線など、あらゆる角度から機種は選定しなければなりませんので、導入にあたっては必ず専門家に提案してもらうようにしてください。