ドーム型屋外防犯カメラのおすすめの選び方と効果的な設置場所
日々のセキュリティ対策にドーム型の屋外防犯カメラを選択する企業も多くあります。
しかし、ドーム型の屋外防犯カメラの運用にあたっては、ボックス型との違いや効果的な設置場所、搭載機能といった基本スペックを事前に知った上で、最適な機種を導入する必要があります。
そこで、ここではドーム型屋外防犯カメラの機能や選び方をまとめてご紹介します。
ドーム型の屋外防犯カメラの効果とは?ボックス型との違い
防犯カメラには主にボックス型(バレット型)とドーム型の2種の形があります。ボックス型はレンズが見えるため存在感があり、不審人物に対して効果的な威嚇ができることから、主に屋外設置向けに使われます。
一方でドーム型は外目ではレンズが見えない機種もあるように、一般人に配慮した見た目となっているのが特徴です。比較的室内に取り付けることが多いですが、エントランス傍など屋外に設置するケースも決して少なくありません。
ドーム型の屋外防犯カメラの種類
ドーム型の屋外防犯カメラには「ネットワークカメラ」と「アナログカメラ」に分けることができます。ネットワークカメラは主にWiFiを利用した無線・ワイヤレス化を可能としたもので、昨今の主流となります。
一方でアナログカメラは同軸カメラとも呼ばれているタイプで、ネットワークカメラが普及する2000年より以前の主流でした。現在もアナログカメラは販売されていますが、今後の時代の流れや多様化する犯罪への対応具合を考えると、あえて選ぶ必要はないと考えられます。
ドーム型の屋外防犯カメラのおすすめの設置場所
ドーム型の屋外防犯カメラは上記で触れたように、主に室内に設置するケースが多いです。具体的には一般人が多く行き交うショッピングセンターや公共施設、駐車場、エントランス、各種店舗、マンションなど室内であれば場所を選ばないのが特徴となります。
遠隔操作でレンズをズームしたり、向きや角度を変えられるスマホカメラ&PTZカメラでもドーム型の機種は多く、「少ない台数で運用したい」オフィスや店舗にもおすすめできます。
また、ドーム型は室内向けとされていますが、レンズを覆うカバーは耐衝撃にも強いため、暴風雨や雷雨といった屋外のラフな環境にも耐えられる性能も持っています。
ドーム型の屋外防犯カメラの範囲は360度が人気
ドーム型の屋外防犯カメラは360度の範囲をカバーした「360度全方位カメラ」が企業に人気です。少ない台数で運用できますし、死角もほとんどないため撮り逃しを最小限に抑えることができます。
ただし、360度が本当に自社の設置環境に合っているかは再考が必要です。360を同時撮影できるドーム型カメラは一般的に画質が悪く、広角レンズを使用するため犯人の特定能力が劣ります。
ドーム型でも180度や360度など幾種の画角がありますので、詳細は販売店の担当者に相談して適切な機種を導入するようにしてください。
ドーム型の屋外防犯カメラの見え方
ドーム型の屋外防犯カメラの中でも上述したような広い画角を見渡すことができる機種は、魚の目レンズのような見え方となります。本来はレンズの画角からはみ出てしまう両端を紙を折り曲げるようにしてレンズの画角に入れるため、どうしても映像全体が丸みをおびてしまいます。
また、ドーム型屋外防犯カメラは広角レンズが採用されがちです。広角レンズは通常レンズよりも物体が遠くに映る代わりに画角を広げることができます。すぐ真下の場所でも映像では遠くを映しているようになるため、解像度が低いと犯人の顔の特定が困難であったり、不審者が何をしているのかいまいち分からないケースもあります。
映像の見え方は、ドーム型の防犯カメラでは少なからず付きまとう問題となるので、カタログだけで機種を決めるのではなく、実際に設置してもらい、担当者が直接見え方を確認するようにしてください。
ドーム型の屋外防犯カメラの工事と費用について
ドーム型防犯カメラを屋外に設置する場合は防犯カメラ本体や周辺機器の設置・取り付け工事、及びケーブルの配線工事が必要となります。防犯カメラ本体を屋外設置する場合、取り付けできる天井がないため、ポール柱を作る必要があります。
また、ケーブルはWiFiを使うためのLANケーブルと電源を供給するケーブルを敷く工事となりますが、場合によっては壁に穴をあけたり、地中にケーブルを埋めて、コンクリートを流す作業が必要なケースもあり、工事費が上がる要因ともなります。
防犯カメラやWiFiルーターの設置場所を変えたり、一部をワイヤレスにするなどしてある程度対応できるので、こちらも詳しくは販売店の担当者に来てもらい、環境を調査してもらうことになります。
家庭用のドーム型屋外防犯カメラはおすすめしない
昨今はペットカメラや見守りカメラの普及によって、家庭用のドーム型カメラも増えてきました。企業の中には「小さなショップだから家庭用でもかまわない」、「狭いオフィスだから工事不要がいい」という理由で家庭用のドーム型カメラを選んでしまうところも多いようです。
しかし、家庭用のカメラはレンズの品質や機能性が低い分価格を安くしているため、企業が導入するセキュリティ対策には不向きとなります。昨今は1~4台程度の導入かつケーブル配線工事が数メートルで済む案件は、工事不要で請け負ってくれる販売業者も多くなったので、予算が気になる場合は業者に相談してみるのがいいでしょう。
小さなショップや事務所であっても顧客情報が詰まったパソコンや有価証券の盗難に遭うと、会社が傾くことも十分考えられます。
ドーム型の屋外防犯カメラを設置するデメリット
屋外防犯カメラの設置にドーム型を採用するメリットは、上記で紹介したように「広い画角を映せる」ことや「一般人に威圧感を与えない」ことにあります。
その一方で「魚の目レンズのようになるため、映像が見にくい」、「高解像度・高画質の映像を映す機種は高価格帯となる」、「運用方法や設置場所によって証拠能力の低下が懸念される」といったデメリットもあります。
一般的に昨今のネットワークカメラにおいて、機能的かつ高画質の機種はボックス型・バレット型に多いです。そのため、侵入者を許さない・盗まれたら会社の存続が危うくなるものが事務所や倉庫にある、といった場合はボックス型がおすすめとなります。
一方で一台で広範囲を賄いたい場合や、商店街やマンションのエントランスなど一般の人の往来が激しい環境ではドーム型の屋外防犯カメラを選ぶのがいいでしょう。
まとめ:ドーム型屋外防犯カメラはメーカーよりも機能を優先して選ぶ
ドーム型屋外防犯カメラの機種選定では、「日本メーカーだけではなく、海外メーカーも併せて総合的に質の高いカメラを選ぶ」ことが大切です。防犯カメラにおける先進国は中国とアメリカとなり、安全神話が長らく続いた日本は技術的に一歩遅れている印象が否めません。
メーカーと提携している一次販売店であれば、海外メーカーであってもアフターフォローは申し分ありませんので、自社の環境に沿った機種をあらゆるメーカーから選ぶべきと言えるでしょう。