ソーラー防犯カメラでSIMカード(4G/LTE)を活用する方法と注意点
ソーラー防犯カメラの設置を計画している企業はSIMカード(4G/LTE)対応機種がおすすめです。
しかし、闇雲にSIMカードを導入してしまうと、運用中にトラブルが発生したり、想像以上にランニングコストがかかってしまうこともあります。
そこで、ここではSIMカード内蔵のソーラーカメラを設置・活用するにあたって、製品の特徴や注意点を解説します。
自社が本当にSIMカード対応ソーラーカメラを選ぶべきか、下記をご覧になってもう一度吟味してください。
ソーラー防犯カメラで工事不要を実現するための条件
ソーラー式の防犯カメラを検討している企業の多くは、設置工事ができない、あるいはしたくない状況にあることでしょう。ソーラー防犯カメラはソーラーパネル(太陽光パネル)で発電できるため、諸条件を満たすことで工事不要の導入を実現することができ、初期費用を大幅に削減できます。
ソーラーカメラの導入で工事不要を実現するためには、「電源工事が不要」、「LANケーブル工事が不要」、「取付工事が不要」であることが条件となります。上記のうち電源とLANの配線工事を必要としないのがソーラーカメラの最大の特徴となります。
取り付け工事に関しては、ポール柱を建てたり、高所に設置するなど、手間がかかると工事費用も増えてきます。
ソーラーカメラでも配線工事はできるだけ行うのがおすすめ
ソーラーカメラはソーラーパネルから発電できますが、もちろん配線工事をしてAC電源から供給するのも可能です。また、昨今はPoE対応のソーラーカメラも増えてきましたので、こちらを利用すればLANケーブル1本で電源も供給できるので、配線工事の費用と手間の節約ができます。
屋外に防犯カメラを設置する場合はネット環境が不安定になりがちとなるので、もしWiFiが届くエリアにカメラを設置できるのであれば、有線でネット環境を構築するのがおすすめとなります。
電源をソーラーパネルで充電。バッテリー問題に関して解説
電源をソーラーパネルで発電することを考えた場合、気になるのがバッテリーの問題です。従来のソーラーカメラはバッテリー容量が少なく、節電(エコ)モードが不十分なため、数日間悪天候が続いただけでバッテリーが切れてしまう問題がありました。
ただし、近年発売されている最新のソーラーカメラであれば、大容量バッテリーに加え、最大で1~2か月間悪天候下でも運用できるエコモードが搭載された機種もあります。バッテリー容量も30Ah以上あれば十分なので、バッテリーが切れる心配は必要ないと言えるでしょう。
また、ソーラーカメラを選ぶ際は、できるだけソーラーパネルのサイズが大きく発電量が高いものを選びましょう。80W以上の発電量を基準に選別してください。
SIMカード(4G/LTE)内蔵ソーラー防犯カメラの特徴とメリット
SIMカード(4G/LTE)内蔵のソーラー防犯カメラの最大の特徴は、「WiFi環境を必要としない」ことにあります。スマホと同じ4G/LTEを使用するため、スマホが繋がるところであればどこでも設置することができます。ネット速度がWiFiと比較すると遅い点はデメリットとなりますが、昨今は4Gになってから高速通信も可能ですし、電波も比較的安定しています。また、近い将来的には5Gにも対応できるため、より利便性は向上するはずです。
ただ、通信キャリアの基地局が近くにない山岳エリアや田舎エリアになると、途端に4G/LTEの接続が悪くなります。そのため、事前にロケテストをして電波の状況を専門家の立ち会いのもとで確認するようにしてください。
SIMカード(4G/LTE)はWiFiなしで運用可能
ソーラーカメラを含む防犯カメラを導入する場合、最初はWiFiによる運用を考えます。しかし、WiFiはご存知の通り無線距離が短いため、屋外に設置するときは有線でケーブル工事をするのが一般的です。
しかし、公道を挟んだり事務所から離れた距離にカメラを設置する場合は、ケーブル工事ができないためここで紹介しているSIMカードによる運用を目指します。
WiFi環境の構築ができない企業は、積極的にSIMカード対応のソーラーカメラを検討するのがいいでしょう。
SIMカード(4G/LTE)通信は月額費用がかかる。無料設置はできない
SIMカードを活用するデメリットにもなるかもしれませんが、4G/LTEはスマホと同様にパケット通信を使うので、DoCoMoやKDDIのような基地局を持っている通信キャリアと月額契約を結ぶ必要があります。
SIMカードの登録は販売店が行う場合と自社で独自に契約するパターンがありますが、いずれも費用に大きな違いはありません。企業がSIMカードを契約する場合は法人契約ができるので、月額費用は個人契約の2分1から3分1ほどと見込んでおくといいでしょう。
通信キャリアへの登録・契約が必要。容量は吟味しよう
通信キャリアに登録する際は、月額に使えるパケット通信容量によって費用・プランが変わります。デート通信は防犯カメラの映像の画質とビットレートで決まります。エコモードが優秀だと最小限に落とすことができるので、容量も少なく済みます。
ソーラーカメラで使うパケット通信の一般的な目安としては、100GBと覚えておくといいでしょう。各社法人契約の料金プランに照らし合わせると、月額6000円前後が相場となります。ただし、実際必要となる容量は運用時間によっても変わるので、こちらも販売店の専門家とよく相談するといいでしょう。
SIMカード(4G/LTE)がおすすめできない利用シーン
上記ではSIMカード(4G/LTE)の運用方法を紹介しましたが、一方でSIMカードの活用をおすすめできないシーンもあります。
まず、上記でも触れましたが「WiFiが使えるのにSIMを使う」場合です。通信速度や電波が安定するのはWiFiの方なので、SIMカードはあくまでもWiFiが何かしらの事情で運用できない場合の手段として検討するようにしてください。
また、防犯カメラの設置台数が多い場合もSIMカードの対応はおすすめできません。上述したようにSIMカードは月額パケット通信がかかりますので、設置台数が多いとランニングコストもばかにできなくなります。予算や運用目的にもよりますが、1~5台程度の設置に抑えるのが良いかもしれません。
SIMカード対応ソーラー防犯カメラの防水・セキュリティに関して
SIMカード内蔵のソーラーカメラを選ぶ場合は、防水・防塵・耐久性が高い機種を選ぶようにしてください。特に悪天候での運用が想定される屋外カメラは、防水と防塵が非常に重要となります。防水と防塵は「IP」レベルで表記されますが、最低でもIP66以上のソーラーカメラを選ぶようにしてください。
また、セキュリティについてですが、SIMカードやSDカードを本体に内蔵すると、本体ごと持ち去られてしまったり、抜き取られてしまうリスクはやはり付きまといます。
ネットを介して映像を転送するネットワークカメラではどうしてもハッキングの問題が付きまといますが、パケット通信は暗号化に優れているため、一般的に傍受やハッキングの心配は不要と考えられます。逆にパケット通信に対してハッキングできるような犯罪集団に狙われるような特殊な業界であれば、無線の映像転送は危険ですので別の方法を考えなければなりません。
まとめ:SIMカード対応ソーラーカメラを導入するときは慎重に
今回はSIMカードとソーラーカメラの運用のポイントや注意点を詳しく解説しました。SIMカードの導入は周辺の電波状況やランニングコストなどを総合的に鑑みて決めなければなりません。まずは販売店に相談して、担当者に現地調査を依頼するのがおすすめです。