屋外ソーラー防犯カメラの太陽光パネルの活用と注意点・選び方
近年、屋外に設置するソーラー防犯カメラの需要が伸びています。防犯カメラの各メーカーも毎年のように最新機種を発売しており、従来の壊れやすい・映像が不安定といったトラブルもほとんど解決されています。
設置環境や目的によっては、電源や工事不要のソーラー防犯カメラが推奨されますが、自家発電をする太陽光パネルや内蔵バッテリーは質が高いものが望ましいとされます。
そこで、今回は太陽光パネル式のソーラーカメラを活用する上での注意点と、防犯カメラを選ぶにあたっておすすめの選び方、必要な機能・仕様をご紹介します。
屋外ソーラー防犯カメラの需要が伸びている背景
屋外設置式のソーラー防犯カメラの需要が近年急増しており、セキュリティ機器の販売店もごぞっと取扱いを開始し、防犯カメラのレンタルプランのラインナップにも加わっています。
ソーラー防犯カメラは太陽光パネルを使って電気を自給することができるのが最大の強みとなり、電源工事が必要ないことから、自然公園や大規模な工場、人里離れた高速道路下やパイプライン、農業などで力強く需要が伸びています。
また、近年は外国人犯罪が多発しており、防犯カメラの本体や部品を転売目的で盗む集団窃盗犯も危惧されます。そのため、屋外に防犯カメラを設置する際は、太陽光パネルの有無に関わらず、犯罪抑止力のある機能性に富んだ機種を選ぶのが肝心です。
屋外ソーラー防犯カメラの太陽光パネルの仕組みと使い方
ソーラー防犯カメラは、本体と太陽光パネルを有線で接続します。太陽光パネルは基本は晴れの日の直射日光で効率よくバッテリーに発電・蓄電することができますが、曇りであっても間接的に太陽光を吸収して少しずつ発電できます。
また、発電した電気は内蔵バッテリーに蓄電されて本体に供給されますが、一昔前はこの内蔵バッテリーの容量が不足がちだったり、ソーラーパネルの発電量が低かったため、悪天候が数日続いただけで電気が空っぽになってしまいました。
しかし、昨今のソーラー防犯カメラは大幅な技術進歩が見られ、そのような運用に関する不安定さも最小限となっています。
近年のソーラー防犯カメラもWi-FiやSIMカード対応のネットワークカメラとなっているため、スマホやパソコンで気軽に映像の確認やカメラ本体の状況を把握できます。そのため、以前のような「気が付いたら充電が切れていて映像が録画できていなかった」といった問題も自社の管理次第でなくなります。
屋外ソーラーカメラの太陽光パネルを管理する上での注意点
屋外ソーラーカメラを運用する上で重要となるのが「太陽光パネルとカメラ本体の管理」です。
特に太陽光パネルは以前と比べると丈夫になっているとはいえ、破損してしまうと発電量に影響がでます。
そこで、下記ではソーラーカメラ本体や太陽光パネルを管理する上での注意点やトラブル対策をご紹介します。
台風・暴風雨による太陽光ソーラーパネルの影響と管理上の注意点
太陽光パネルを活用したソーラーカメラを運用する上で、最も危惧しなければならないのが「台風・暴風雨」です。防犯カメラ本体が防塵・防水であれば雨による故障の心配はそれほどありませんが、暴風雨によって太陽光パネルの向きがずれてしまったり、強い雨風にあおられた小石やガラスの破片が断続的に太陽光パネルに当たり、パネルが傷ついてしまうことも懸念されます。
台風や暴風雨による太陽光パネルの破損の回避策としては、「太陽光パネルに特殊塗装されている丈夫な機種を選ぶ」ことです。太陽光パネルに特殊塗装されていれば、傷がつきにくいですし、塵やほこり、ゴミが太陽光パネルに付着してしまっても、発電量が衰えることもなくなります。
自然・動物による太陽光ソーラーパネルの損傷と注意点
太陽光で発電するソーラーパネルを農場や人里離れたエリア、周辺が森林に覆われた自然エリアに設置した場合、気を付けなければならないのが動物によるソーラーパネルの損傷です。
動物が爪でひっかいてソーラーパネルを損傷させたり、LANケーブルやソーラーパネルと防犯カメラ本体を繋ぐケーブルをかじってしまったりすることもあります。
まず、LANケーブルに関してはWi-FiやSIMカード搭載のソーラーカメラを選ぶことによってワイヤレスで運用することができます。もし有線で繋ぐ場合は、ケーブルを地中に埋めて這わせることができます。
また、防犯カメラ本体とソーラーパネルを繋ぐケーブルは太く丈夫な機種を選び、なおかつ密着させて距離を離さないことで対策できます。
環境によってはソーラーパネルを動物に触れさせない高い位置に設置することもできます。ソーラーパネルを石柱に設置することができれば、大型動物は手を出せなくなります。ただし、一般的にバッテリーととソーラーパネルの距離は最大で5mほどと言われていますので、あまり離れすぎるようならば、防犯カメラとバッテリーも石柱に設置するのがいいでしょう。
季節・気温による太陽光パネルの劣化のリスク
太陽光パネルは冬の季節になると、霜が付着したり気温が低くなることにより、発電量が落ちてしまいます。長い期間続けば消費電力が発電量を上回ってしまうことも可能性としてはあります。
それを避けるためには、カメラ本体に内蔵ヒーターが搭載されている機種を選ぶのがおすすめです。一定温度まで下がると自動的にヒーターが運転をはじめ、規定の温度まで上げてくれます。
近年の太陽光パネルは非常に発達しているため、冬の太陽光でも防犯カメラの稼働に十分な電力を作ることができるので、最新機種を導入すれば杞憂に終わることでしょう。
太陽光パネルの防犯カメラを長く使うための機種の選び方
近年は数多くの防犯カメラメーカーが太陽光パネルを用いたソーラーカメラを販売しているため、設置を検討している企業は多種類の中から選ぶことができるようになりました。
しかし、機能や仕様を確認しても、素人はどの機種が自社の設置環境に適しているのか調べようがありません。販売店の営業員の提案を素直に受けるべきか、それとも自分で機種を選定するか迷ってしまいがちです。
そこで、下記では太陽光パネルのソーラーカメラを選ぶにあたって、これだけは確認してほしい機種・仕様をご紹介します。
1.ソーラーカメラの本体は「防塵・防水」の高い性能を選ぶ
ソーラーカメラは機種によって防塵・防水のレベルや性能が異なります。防犯カメラのようなセキュリティ機器は、「IPコード」で防塵と防水レベルが表記され、目安は「IP66」となります。これは防塵レベル6、防水レベル6を指します。防塵は0~6の7等級あり、防水は0~8の9等級となります。
IP66は防塵は最上級となりますが、防水は6まででも構いません。7~8は水中に水没、もしくは水中使用の可否となりますので、防犯カメラにそこまでのスペックは必要ないと考えられます。
2.Wi-Fi対応かSIMカード搭載のソーラーカメラを選ぶ
ソーラーカメラは電源工事を必要としないため、ネットワーク回線もWi-FiやSIMカードのLTE通信を利用することにより、LANケーブルの工事も不要となり、事実上完全なコードレスで運用することができます。
Wi-Fiは設置環境によっては不安定な場合がありますが、近年は4G・5Gの時代となったため、年々その心配もなくなっています。Wi-FiかSIMカード搭載の防犯カメラは近年の主流でもあるので、必ずどちらかは対応している機種を選んでください。
また、ソーラーカメラをスマホやパソコンで遠隔操作する際もネットワーク環境は必ず必要となりますので、アナログカメラは選ばないようにしてください。
3.太陽光パネルの発電量と内蔵バッテリーの蓄電量はハイスペックを選ぶ
映像の鮮明さや録画時間などは防犯カメラ本体のスペックに依存しますが、太陽光パネルで課題となっている「運用時間」や「蓄電量と蓄電時間」は太陽光パネルの発電量とバッテリー容量に依存します。
太陽光パネルの仕様書には「〇〇W」の記載がありますが、これは90W以上を選んでください。90Wの記載があっても、実際は80Wくらいとなります。また、「発電量80W」の記載があれば、80Wでもかまいません。
また、バッテリーはリチウムイオン電池が一般的で、容量は最低でも20Ahが望ましいです。
ソーラーカメラは天気・天候に影響されやすい。日頃のメンテナンスが大切
ソーラーカメラは近年著しい進歩を遂げましたが、それでも天気・天候に影響されることは懸念材料の1つとなります。そのため、一度設置しても放ったらかしにするのではなく、業者に依頼して定期的にメンテナンスをするようにしてください。