夜間の屋外防犯カメラのおすすめの機能・選び方を徹底解説
屋外に防犯カメラを設置する際は、夜間モードの機能を重視するのがおすすめとなります。不審人物が敷地内に侵入してきても、「ナンバープレートが防犯カメラに映らない」、「犯人の顔が見えない」では困りますね。
ここでは夜間で映像録画する屋外防犯カメラの基本情報や選び方をまとめて解説します。既に設置している人も是非ご一読ください。昨今の防犯カメラ技術は日進月歩。驚くほど性能が向上しています。
屋外用の防犯カメラの購入は夜間使用を想定
屋外に設置する防犯カメラに関しては、室内向けよりもカメラの機能・仕様に対して気を配らなければなりません。屋外向けの防犯カメラは、雨や雪といった悪天候はもちろん、辺りが静まり返った夜間でも証拠能力の高い映像を録画・撮影しなければなりません。
防犯カメラの基本的な耐久性はもちろん、レンズの種類や夜間モードにおける画素数なども重要視するポイントとなります。特に昨今の防犯カメラは10年前では考えられなかったフルカラー技術が搭載されているものもあります。
屋外用の防犯カメラを購入する際は、夜間の仕様を注視するのが選ぶ際のポイントとなります。
犯罪者の多くは夜間に侵入を試みる
一般住宅における空き巣被害は昼間の時間帯に集中していますが、企業の店舗や事務所、駐車場等に侵入を試みる犯罪者は、夜間の中でも深夜の時間帯が主な犯行時間となります。
そのため、設置する防犯カメラは日中の撮影はもちろん、夜間の撮影の解像度や証拠能力にこだわる必要があります。
防犯カメラの設置は必須。夜間の「学校」の潜在的リスク
近年は学校・幼稚園に侵入する犯罪も増加傾向にあります。校庭に侵入し刃物を振り回したり、子供の連れ去り事件も発生しています。私立・公立ともに近年において防犯カメラの設置状況は改善されつつありますが、設置台数が少ないため、死角が多く、また職員も臨機応変に不測の事態に対応できていない様子もうかがえます。
特に夕方から夜間にかけて、学校は暗闇に包まれ見晴らしが悪くなるため、侵入者にとっては犯行に移しやすい環境が整っているといえます。仮に夜間に生徒が残っていたら、大きな事件に発展する可能性も孕むため、全国の学校運営の関係者は今一度セキュリティ体制を見直してみることをおすすめします。
安物の防犯カメラは夜になると映らない可能性が大
防犯カメラはある程度の初期投資が必要となります。昨今は政府自治体も危機管理に関して積極的に補助金を打ち出していますが、それでも半分以上は自費で賄わなければなりません。そこで考えがちとなるのが「通販で安く買う」ことです。しかし、ロケテストもしなく、実機を触れることができない通販で安い防犯カメラを購入するのは、トラブルの元となってしまうので注意が必要です。
値段の安い防犯カメラは、機能だけをみると申し分なさそうですが、実際に夜間の映像をうかがうと、「画像が荒くて何も見えない」、「赤外線モードはあるけれど、顔が判別できない」といったトラブルがつきものです。犯人が室内で顔をレンズに近づけば判別できるのですが、もちろん現実的ではありませんし、会社のお金や資材、製品といった大金が保管されているビジネスシーンでは不安がつきものです。会社の大切な財産を守るための防犯カメラの設置となるので、安価な防犯カメラはなるべく避けるべきと言えます。
防犯カメラの夜間使用。2種類の映像方式が主流
現在市場に流通しているほとんどの防犯カメラは、夜間になると自動的に夜間撮影モードに切り替わります。この夜間の仕様に関しては、大きく分けて「赤外線」と「フルカラー」の2つの映像方式が主流となっております。特にフルカラーは10年前にはなかった最新の技術となりますので、夜間の侵入者に対しても証拠能力の高い映像を記録することができるはずです。
夜間の防犯カメラ録画は「赤外線」仕様が多い
夜間の防犯カメラでは上述したように、「赤外線」と「フルカラー」がありますが、主流はまだまだ古くからある「赤外線」となります。赤外線の光線を照射し、反射したものを映像記録する技術となりますが、まったく光のないところでも映像にすることができ、ハイスペックの防犯カメラであれば、白黒であっても意外とくっきりと人や物の判別ができるのが特徴となります。
一方でハイスペックの防犯カメラであっても、赤外線の光線は10~30mが限界となり、人の顔や車のナンバープレートを判別するとなると、10m以内が望ましく、さらに人感センサーの検知可能距離はせいぜい3m前後となります。
近年の防犯カメラは夜間でも「フルカラー」で鮮明に録画が可能
赤外線が発する光線は、これまでは人や物の濃淡や温度しか判別することができませんでしたが、昨今は技術が向上し、新しいCCD(映像素子)の搭載により、物体の色彩情報も読み取ることができるようになりました。
夜間でフルカラー撮影が可能となることにより、これまでは車のナンバープレートだけだった証拠が、車両のカラーまで判別できるようになりますし、侵入者が着用している衣類も鮮明となります。侵入者からすると、屋外設置されている防犯カメラが赤外線(白黒)かフルカラーかは判断できませんので、油断を誘うこともできるかもしれません。
夜間撮影向きの防犯カメラには「電源不要」タイプもある
屋外に設置して防犯カメラで夜間撮影に臨む際、場所によっては電源の供給やインターネットのケーブルを引くのが難しい場面もあります。例えば人里離れた自然公園やパイプライン、高速道路周辺の工事や農地などは、いずれも事務所や家屋から離れた場所に防犯カメラを設置することになります。
昨今は上述した特殊な環境下に向けて、「電源不要」の夜間撮影向きの防犯カメラも増えてきました。その筆頭として挙げられるのが、「ソーラーカメラ」です。
ソーラー(太陽光パネル)防犯カメラもおすすめ
ソーラー式の防犯カメラは一昔前より存在していましたが、太陽光パネルと併せて「破損リスクが高い」、「バッテリー容量が少なく天気が悪い日が続くとすぐに電源が落ちる」といった問題があり、あまり一般企業にはおすすめできませんでした。しかし、昨今はソーラーカメラも大分進化して、「防水性・堅牢性」が飛躍し、さらに「大容量バッテリー」、「雨や曇りでも2か月以上運用できるエコモード」などが搭載されるようになり、非常に使い勝手が向上しました。SIMカード対応のソーラー防犯カメラであれば、インターネットケーブルを引く必要もなく、3G/4GやWi-Fiによる電波の送受信で映像をモニターやスマホに転送させることもできます。
夜間撮影モードに関しても上述したCCD(映像素子)の新技術が搭載されたソーラーカメラについては、フルカラー撮影が可能となり、ラフな環境下においても実用レベルで利用することができます。
個人向け小型防犯カメラは夜間にはおすすめできない
ネット通販でよく見かける安価な防犯カメラの中には「夜間撮影モード対応」、「ナイトビジョン対応」といったPRをしている機種も見受けられます。しかし、小型の防犯カメラは、基本的に個人が購入して室内や玄関傍に設置して運用することを想定したものとなり、ビジネスシーンで利用するにはスペックが物足りません。小型の防犯カメラでは、レンズの画素数やイメージセンサーのサイズが小さいため、屋外で設置利用するには解像度が低いです。
また、個人向けの小型防犯カメラであっても、昨今はバッテリー式やソーラー式も出回っていますが、いずれも蓄電容量が小さいため、AC電源による定期的な充電は必要不可欠となります。夜間撮影を含めて、企業が自社の財産を守るために使うものではないことは覚えておくといいでしょう。
夜間向け防犯カメラのおすすめの選び方とポイント
夜間撮影にこだわった防犯カメラを選ぶ際は、どのような基準で機種を選ぶのがおすすめなのでしょうか。防犯カメラといったセキュリティ機器や無線通信機器はニッチな分野となるので、社内でも知識が明るい従業員はそうそういるものではありません。かといって販売店に提案されるがままに購入するのもトラブルの元となります。
そこで、下記では夜間向けの防犯カメラを購入する際に必ず確認してほしい条件や選び方をご案内します。
防犯カメラの夜間映像でナンバープレートは読み取れるかどうか
上記でもご紹介したように、侵入者のほとんどは車で現場まで乗り付け、犯行を終えたのち、速やかに車で逃走します。そのため、車のナンバープレートを防犯カメラの映像で夜間でも読み取ることができるのかは非常に重要な要素となります。また、防犯カメラを設置している傍に犯人が車を止めるとも限りませんので、何メートル先までナンバープレートを解析できるかも確認するといいでしょう。
夜間でもカラー映像で録画できるか
上記でもご紹介したように、最新の防犯カメラは赤外線を使って夜間でもカラー映像で録画することができます。現時点では白黒がまだ主流ですが、近い将来は夜間のフルカラーが普通となることが見込まれるため、現在屋外防犯カメラの新規設置を検討している企業は、一足早くフルカラー映像録画ができる機種を導入することが推奨されます。
ちなみに防犯カメラのリース・耐用年数はおよそ5年となります。言い換えれば最低でも5年は使い続けることになりますので、型落ちを購入してしまうと、現代の最新の犯罪手口に対応できない可能性が高くなります。
デジタルノイズ除去の機能はあるか
防犯カメラで映像を撮影・録画を試みると、諸条件の下で写真や映像が乱れることがあります。特に安価な防犯カメラは夜間の映像に対してノイズが入り、静止画で確認してもざらついて証拠能力がなくなるケースが散見されます。
そのため、夜間の撮影機能に重きを置きたい場合は、上記のようなデジタルノイズを除去する機能が搭載されている屋外向け防犯カメラを選ぶのがポイントとなります。具体的に例を挙げるならば、夜間の映像にデジタルノイズが発生した際に、デジタル信号処理でざらつきを除去できる「DNR(デジタルノイズリダクション)」という機能があります。また、工場・工事の屋外防犯カメラの設置の際は、傍に200Vの電線が通っていると電磁誘導を起こしてノイズが発生することがあります。その際は配線を必要としないソーラー式防犯カメラを検討するのもいいでしょう。
防水・防塵性能はどのくらい高いか
事務所傍のように屋根の下で設置するのであればいいのですが、多くの場合は防犯カメラを雨風から守る環境はないため、防犯カメラ本体の高い防水性や防塵性、堅牢性が求められます。
防塵・防水性能は一般的に「IP+防塵レベル+防滴レベル」で表記され、近年の防犯カメラはIP56もしくはIP66が主流となります。防塵は最高レベルですが、防水は「8」が最高となります。しかし、7及び8は水中でのカメラの使用が想定されているため、屋外設置の場合は6で十分と解釈されています。
注意点としては、防犯カメラに接続する電気配線は防水ではなく、また、防塵・防水は本体周りのカバーとなるので、配線をつなぐジャックが破損して水や塵が侵入してしまう可能性はあります。
夜間広域でも鮮明に映る画素数(画質)があるか
ひと昔前までは、防犯カメラの画素数は40万画素から200万画素が主流でしたが、近年は画素数が飛躍し、またイメージセンサーも小型ながら高い解像度を維持できるようになりました。画素数に関しては現在は200万~400万画素が主流となり、4K以上のモニターで鮮明に映し出したい場合は800万画素の防犯カメラも出回っています。
防犯カメラを屋外で設置する環境を考えた場合、犯人像や車のナンバープレートの映像を拡大して解析する必要もあるため、できれば400万画素はほしいところです。屋内環境下では、侵入者とカメラの距離はせいぜい10m程度となるので、場合によっては200万画素でも問題ありません。しかし、夜間撮影も考慮すると、画素数は多くあるに越したことはありませんし、広域レンズを用いると近くの人や物も小さく映ってしまうため、拡大しても映像が崩れないことを確認した上で選ぶといいでしょう。
遠隔監視(スマホ・パソコン)ができるネットワークカメラかどうか
防犯カメラは犯行後の現場検証の際の証拠の確保として役立つ一方で、本来の役割は「犯行の未然の防止」であり、「不審人物の侵入を拒む」ことにあります。侵入者は多くのケースで夜間に犯行を試みるため、事務所や会社の人間は全員不在としています。そのため、不審人物が敷地内に侵入した瞬時にネットを介して、スマホやパソコンに警告通知が送られる防犯カメラが必須となります。
最新の屋外防犯カメラのほとんどはインターネットを介して遠隔操作が可能なネットワークカメラ(IPカメラ)となりますが、より高度なセキュリティを求めるのであれば、こちらの音声をカメラを通じて侵入者に伝えることができる機能や、光や音で相手を威嚇・警告する機能を備えた機種を選ぶのがおすすめです。
夜間仕様の屋外防犯カメラは高機能の製品がおすすめの理由
夜間仕様の屋外防犯カメラは、今回解説したように、あらゆる機能において高いスペックが求められます。
- フルカラー
- 防塵・防水
- デジタルノイズの対応
- 解像度(画素数)
- 遠隔監視の可否
上記は夜間仕様の屋外防犯カメラを選ぶ上で最低限求められる性能となります。防犯カメラの導入を検討している企業は、まずは信頼できる販売店に相談して、実地調査に来てもらい、ロケテストを踏まえた上で最適な防犯カメラを提案してもらうのがいいでしょう。