事務所で多発する車やパーツの盗難に対する最新防犯事情

事務所の駐車場にとめてある、従業員の車や社用車に対するパーツの盗難が昨今懸念されています。場合によっては車両ごと盗難被害に遭うケースも見受けられ、在庫を積んだ社用車が盗まれたら管理者の責任問題にもなりかねません。

そこで、ここでは事務所で発生する車、及びパーツの盗難の背景と抑止効果の高い防犯対策をご紹介します。

多発する事務所荒らし。典型的なセキュリティリスクとは

会社事務所では、以前より幾つかのセキュリティリスクが示唆されています。

・事務所が荒らされる
・車両の盗難やイタズラ
・商品在庫や従業員の私物、金品の盗難
・放火など

日中は事務所に人がいるので侵入窃盗は発生しにくいのですが、その反面、営業時間が終了すると一斉に従業員が退勤するため、侵入者からすると不在の時間帯を把握しやすいといえます。

事務所の車両が狙われる理由

上述したように、昨今は事務所荒らしの中でも駐車場にとめてある車両が狙われるケースが増加しています。その背景としては、ここ数年で事務所内における防犯対策も進み、犯罪者も侵入が容易ではなくなったことが挙げられます。

その一方で事務所の駐車場は防犯対策が手薄なところが多く、また、利用者はそこで働く従業員のみなので、人に出くわす確率も低いです。営業事務所であればハイエースのような在庫を積めるバンがとめられていることも多く、これらは人気の車種となるので中古車であってもすぐに売ることができます。

事務所の駐車場には防犯カメラが設置されていないことがある

事務所に勤務する従業員が利用する駐車場は、周辺の月極駐車場やオフィスビル・テナントビル内の駐車スペースとなります。駐車場自体には防犯カメラは設置されていますが、自分の車両が映っているかは分かりません。

鍵をつけっぱなしにしている場合も多い

事務所にとめてある車両は、納品物を出荷する際の積み込み時などに、一時的に鍵をかけっぱなしにしてしまうことがよくあります。目を離さなければいいのですが、途中で電話がかかってきてしまったときなど、数分間車を管理する人がいない状況を作り上げてしまうと、窃盗犯は瞬時に車を盗んで持ち逃げしてしまいます。

万が一窃盗犯が盗んだ車で逃走中に事故に遭遇したら、理不尽ではありますが、「盗まれる状態を作ったこと」に対して事務所側も過失を追い、被害者に対して損害賠償を負う可能性もあります。

事務所の車のパーツ盗難の背景

窃盗犯の中には、車両ごと盗むのではなく、一部を解体してパーツを盗む犯人もいます。パーツはリサイクルショップやカー用品店などに売却することができますし、ネット通販で売ることもできます。日本車のパーツは性能がよく、海外の車好きからも評判が高いため、窃盗犯を逮捕できても、既に海外に輸出されてしまい、盗まれたパーツは戻ってこないケースもあります。

事務所で盗難被害に遭いやすい車のパーツ

事務所の駐車場で盗難被害に遭いやすい車パーツは、

・ドアミラー
・タイヤとホイール
・ナンバープレート
・カーナビ
・ETC車載機
・ドライブレコーダー

などです。社用車であればカーナビとETC車載機は必ず搭載していますし、外付けであれば取り外す時間もわずかで済みます。一夜ですべての車のパーツを盗む大胆な組織犯も増えていますので、一度の盗難で多大な被害額が発生することになります。

管理会社に頼めない場合は自社独自に防犯カメラを設置

駐車場の防犯カメラの設置場所を確認した際、「あれ、自分の駐車場にカメラが向いていない」と感じたら、まずは警備員もしくは管理事務所に相談してみてください。ただし、管理会社が設置している防犯カメラは、あくまでも事後対策としてであり、不審者を駐車場に侵入させない、あるいは犯行を思いとどまらせる機能はありません。

そのため、犯行を未然に防ぐ防犯対策を考えた場合は、自社で独自に防犯カメラを設置することになります。