学校・幼稚園の死角の管理マネジメントと最新の対策方法を紹介
学校・幼稚園では児童や園児が自由に遊び回るため、教員の目の行き届かない場所で事故を起こすことがしばしばあります。軽傷ならばまだしも、骨折や重傷を負うケースもあり、場合によっては教員や学校・幼稚園の過失責任が認められることもあります。児童・園児だけではなく、現場で働くスタッフを守るためにも、死角の管理マネジメントはしっかりと対策しておく必要があります。
そこで、ここでは学校・幼稚園における死角の管理マネジメントができる最新の対策方法を解説します。
学校・幼稚園には死角が多数発生している
学校・幼稚園は児童や園児に配慮して、見晴らしのいい施設環境となっていますが、それでも場所によっては死角が発生し、教員が近くで監視しているにも関わらず事故が起きてしまうケースは決して珍しくありません。
幼稚園では年間に1500件以上の園児の負傷事故が発生していますが、そのうちの8割は「骨折」となり、その他「指の切断や裂傷」、「意識不明」といった重大な事故も一定の割合で見受けられます。事故原因によっては教員や幼稚園側に損害賠償が発生することもあります。
学校・幼稚園に不審者が侵入。死角で気づかないリスクも
死角の発生による弊害は、園児の事故だけではありません。不審者が学校・幼稚園に侵入を試みようとした際に、まず確認するのが死角の有無です。学校・幼稚園は囲障にフェンスを用いるのが普通ですが、大人であればよじ登ることができる高さの場合も多くあり、人の気配が少ない裏手から容易に侵入をすることができます。出入り口に防犯カメラを設置するだけでは不十分ですし、園児が足を運ばない場所は往々にして死角も多くあることを覚えておかなければなりません。
また、多くの学校・幼稚園では、校舎の中にも死角が多数発生しています。校舎の中まで防犯カメラを設置している学校はまだ少ないため、思いがけない場所で子供が怪我を負ったり、不審者が校舎に侵入をしても教員が気づかないことがあります。
防犯カメラでどこまで網羅しているかを調べる
全国の学校・幼稚園のおよそ半数が現在防犯カメラを設置しているデータがあります。近年は児童・園児の事故や不審者の侵入防止だけではなく、子供同士のいじめや教員の体罰の有無の確認など、あらゆるリスクを想定した活用がされているのが特徴で、文部科学省をはじめ、地方自治体も補助金を出すなど、積極的に防犯カメラの設置を推奨しています。
しかし、学校・幼稚園の中には、防犯カメラを設置しているものの、死角を把握していなかったり、どこまでの範囲をカメラが網羅しているのかすら理解していない教員も多くいます。往々にして死角の管理マネジメントが不足しており、これでは児童や園児の事故を防ぐことは困難です。
学校・幼稚園で求められる死角の管理マネジメント
学校・幼稚園で喫緊の課題となるのは「死角の管理マネジメント」です。動かせない障害物が死角を作っているならば物理的に死角をなくすことは不可能なので、そこで事故が発生しないよう、しっかりと死角を管理することが求められます。
入り組んだ造りをしているジャングルジムは遊具の中でも事故が起きやすく、2021年には保育園でジャングルジムに首を挟んでしまい、園児が死亡してしまう事件がありました。教員3名で園児を監視していたにも関わらず、事故発生現場が死角だったため、気が付くことができなかったことが原因となります。
学校・幼稚園の死角の把握と対応
学校・幼稚園ではロッカーの裏や渡り廊下周辺、プール脇、校舎裏、体育館裏など、死角が生まれやすい場所が幾つかあります。まずは教員全員が死角の場所を確認し、写真を撮るなどして共有することで、事故発生確率を減らすことができます。
昨今では私立幼稚園を中心に「死角のない学校」をコンセプトに、高低差がでない平面なレイアウトや、透明ガラスを使って見通しの確保を心がけているところも増えてきました。
最新DXによる学校・幼稚園の死角の管理マネジメント対策
最新のITテクノロジーを業務に浸透させる「社内DX化」の推進を受け、全国の学校・幼稚園でも防犯カメラをはじめ、防犯対策の導入、及びデジタル化が進んでいます。学校・幼稚園内の死角をしっかりと管理・マネジメントするだけでも、事故を未然に防ぐ十分な成果を実感することができるはずです。