商店街における遠隔監視型防犯カメラの導入事例
商店街では2000年以降、従来では見られなかった犯罪が多発しており、犯罪の多様化が危惧されています。また、犯罪の組織化・凶悪化も叫ばれており、全国の商店街管理組合は地域住民が安心して商店街を利用できるよう、防犯対策の強化に取り組む必要があります。
商店街で発生するあらゆる犯罪リスクに対しては、防犯カメラが有効活用できます。そこで、今回は商店街に設置している防犯カメラの映像を遠隔で監視するシステムの導入事例をご紹介します。
防犯カメラの導入を検討したきっかけ
今回商店街が防犯カメラの導入を決めた理由のが「商店街の治安維持の強化」となりますが、昨今は同市でひったくりや町中の一般市民への暴力事件が発生しており、地域住民から治安が低下しているとの報告が数多く見受けられました。不特定多数が大勢集まる商店街は犯罪者の隠れ蓑に使われることもあり、また、高齢者が多く往来することから、弱者を狙ったひったくりも報告されました。
これまでは防犯カメラを導入する予算がなかなかとれなく断念していたのですが、今回は自治体に相談したところ、年に一度実施している補助金制度の申請に間に合うとのことを受け、緊急の案件として弊社にお声掛けいただきました。
補助金の申請期限は短いので早急の対応が必要
国や自治体が実施している補助金制度の申請期限は告知から受付終了までそれほど時間がありません。公開してすぐに気づくことは稀で、ほとんどの場合は今回のように「申請期限まで1か月を切っている」といった緊急を要する案件となります。
商店街が防犯カメラを設置する場合は、電柱や土地オーナーの同意が必要なことが多いので、相応に時間がかかってしまいます。補助金の申請を希望する場合は、自分たちでやろうとせず、防犯カメラの販売店に相談して、一緒に書類を作成するのが近道です。
商店街で遠隔監視型防犯カメラを導入するポイント
今回商店街に導入した「遠隔監視型防犯カメラ」の特徴は、アーケード内に設置している複数台の防犯カメラを遠隔地から操作することができます。操作方法はパソコンやタブレット、スマホ端末を用いて行うことができ、ログイン情報を知っていれば「どこでも誰でも」管理できるのが特徴です。
そのため、商店街が遠隔監視型防犯カメラを導入する際は、セキュリティを強化するため使用に対して制限を設けるのが通常となります。具体的には、
- 防犯カメラの映像を閲覧・操作できる担当者を決める
- 担当者以外にはログイン情報を教えない
- ログイン情報は紙で保管しない
- 防犯カメラの映像を閲覧する条件やルールを決める
となります。特に防犯カメラの映像を活用する際のマニュアルは必ず必要となりますし、補助金を申請する際に防犯カメラの担当者と一緒に作成するようにしましょう。
商店街が遠隔監視型防犯カメラを導入する利点と注意点
商店街が遠隔監視型防犯カメラを導入する際は、ネットワークカメラ(IPカメラ)の導入が推奨されます。各防犯カメラをPoEで接続し、レコーダーを経由してモニターに映像を出力します。モニターを事務所に設置しない場合はパソコンに転送することも可能です。配線距離が100m以上におよぶ場合は光ケーブルを使用することも検討します。
商店街管理組合の事務所は普段人が常駐しなく、また不定期に移転することもあるため、高価なレコーダーやモニターは設置しない方がいいケースもあります。
また、防犯カメラの機種を選ぶ際は、実際にカメラを設置して死角の有無を確かめるようにしてください。商店街の構造や店頭に並ぶ商品・装飾が原因で死角が増えることがよくあります。場合によっては店主にお願いして撤去してもらうことも視野に入れましょう。安全対策と言えば大抵のお店は協力的になってくれるはずです。
商店街が遠隔監視型防犯カメラを導入した後の感想
今回商店街各所に防犯カメラを導入したあと、駐車場の車上荒らしの犯人を防犯カメラの映像から特定することができました。
商店街で想定される犯罪リスクの多くは夜間に発生します。そのため、夜間でも高解像度で撮影できる機種の選定が望ましいです。通常の赤外線カメラは夜間になると白黒映像に切り替わりますが、これでは犯人や車体の特徴が不十分であることが多いです。近年は高度な赤外線技術を搭載し、夜間でもカラー撮影が可能な機種も増えてきました。
防犯カメラナビからひと言
商店街で防犯カメラを導入する際に最も費用が高くなる要素が「配線工事」です。工事の手段は販売店によって異なりますので、見積り価格にも大きく差が出やすいです。
また、補助金を申請するにあたっては書類集めから設置・報告までスムーズに進める必要があります。補助金の申請に慣れている販売店の担当者を味方につけることも大切です。
月々の想定コスト
月額18,000円
補助金で申請できる経費は初期費用となりますので、翌年以降に発生する防犯システムの維持費・運用費は早めに年度予算に組み込むといいでしょう。
また、販売店の保守契約に加入していると、不具合が発生した際に無償修理や代替え機の提供などを受けることができます。