児童養護施設向け児童監視システムの構築事例
児童養護施設では数多くの児童を少数の職員で見守るため、不慮の事故が大きな懸念材料です。そこで、ここでは児童の安全を守る監視システムの構築事例を紹介します。
防犯カメラの導入を検討したきっかけ
今回は神奈川県にある児童養護施設から監視カメラ設置のお問い合わせをいただきました。児童養護施設では身寄りのない子供や虐待を受けた児童を養護し、およそ5名の児童に対して1人の職員が担当しています。
一般の保育所と異なり、児童にとっては養護施設が自宅そのものとなるので、24時間の監視体制が欠かせません。しかし、児童養護施設に入居している児童は心に不安がある子供や、障害を持っている人も少なくありません。そのため、多くの児童養護施設で職員の過酷な労働環境が問題となっています。
今回ご依頼いただいた児童養護施設は児童20人未満の中舎制となりますが、職員の心身の疲弊を鑑みて、監視カメラを導入して児童の生活・行動を監視する施策を検討しているとのことでした。
近年多様化する監視カメラ(防犯カメラ)の使用用途
近年は監視カメラ(防犯カメラ)の使用用途が非常に多様化しています。一昔前まで、監視カメラと言えば事件や事故の証拠撮りの役目くらいでしかありませんでしたが、昨今は今回のように、「人を見守る・管理するため」に設置する事例が増えてきました。
児童養護施設だけではなく、シニアホームや介護施設、デイケアセンターでも監視カメラの設置による入居者の管理は定番化しています。児童養護施設が監視カメラを各部屋に設置することで、以下のメリットがあります。
- 児童の事故時にすぐに気付くことができる
- 児童が勝手に施設外に出たときにすぐに気付くことができる
- 夜間に児童が不審な行動をしたときにすぐに気付くことができる
- 不審者が施設に侵入したときに即対応できる
児童養護施設に児童監視システムを構築するポイント
児童養護施設では各部屋に監視カメラを設置することになりますが、児童のプライバシーにも配慮が必要です。
監視カメラにはネット環境を必要とする「ネットワークカメラ」と同軸ケーブルで繋ぐ「アナログカメラ」があります。施設内のモニターで監視する場合はどちらでも構いませんが、ネットワークカメラを採用すれば、職員が外出していたり、管理者が帰宅後でもパソコンやスマホを介して現場の映像を閲覧できますし、警報の通知を受け取ることができます。
また、不審人物が施設に侵入して子供たちに危害を加える事件も過去に発生しています。施設の玄関口に設置する防犯カメラは、必要に応じて人を検知後にLEDライトを照射したり、音声で不審者を威嚇撃退できる機能を搭載した機種を選ぶのがいいでしょう。
高性能の赤外線検知カメラを設置することで、児童が施設の玄関を出た瞬間に警報を通知することも可能です。
安物の監視カメラをおすすめしない理由
監視カメラは、国内外合わせて数多くのセキュリティ機器メーカーから販売されています。ネット通販を見ると、1~3万円前後で購入できる安物のカメラも多く出回っています。しかし、監視カメラのような精密機械は安かろう悪かろうとなり、安い場合は機能性が大きく劣ることになります。
- 画質が荒く何が現場で起きているか分かりづらい
- 光照射や音声機能がないため、外部のセキュリティ機器を設置する必要があり費用がかさむ
- 自動検知機能の性能が低いため、検知しないときがある
上記のような安い監視カメラのデメリットは、時として取り返しのつかない事故に繋がる可能性もあります。監視カメラは一度設置すると、毎月の維持費はそれほど負担にはなりませんので、必ず現場や目的に沿った適切な機種を導入するようにしましょう。
児童養護施設に児童監視システムを導入した後の感想
今回は職員の負担軽減と事故防止・事故後の早期対応を軸に監視カメラの機種・設置場所を考慮し、ネットワークカメラを採用させていただきました。
その結果、職員や管理者は施設内外のどこにいても現場の映像を監視できるようになり、また自動検知機能が作動すると、即座にスマホに警報が鳴る設定にしたことで、職員の方々が安心して勤務できるようになりました。
防犯カメラナビからひと言
児童養護施設のような場所は死角が多いため、設置にあたっては事前の環境調査が必要不可欠です。弊社「防犯カメラナビ」では、“防犯設備士”の有資格者が責任を持って現地調査を行い、適切なセキュリティ機器を提案させていただきます。
月々の想定コスト
月額18,000円
一括購入の予算取りが難しい場合は、リース契約も可能です。償却期間は6~7年が一般的で、月額支払いとなるため、初期導入費用を大きく抑えることができます。
また、自治体によっては児童養護施設の防犯カメラ設置に対して補助金制度を実施しているところもあります。購入費用の大半を賄うことができるので、積極的に活用するといいでしょう。