公立/私立小学校に防犯カメラを設置。導入と運用方法を紹介
公立や私立の小学校の近年は犯罪リスクを懸念して防犯カメラ(監視カメラ)の設置率が上がっています。しかし、小学校の担当者からすると、防犯カメラの導入は不慣れなことが多く、どのような手順で設置するのか分からないことばかりです。
そこで、ここでは公立と私立問わず防犯カメラを導入する方法をはじめ、近年の犯罪リスクを照らし合わせた際のおすすめ運用方法を詳しく紹介します。
小学校における防犯カメラの設置率
小学校における防犯カメラの設置率は各都道府県ごとに統計調査しているほか、不定期に文部科学省がデータを公開しています。それによると、小学校の防犯カメラ設置率は市区町村によって異なるものの、おおむね30~50%が平均設置率となります。
近年は後述する自治体実施の補助金を活用して安価に導入することもできるようになったので、現在まだ防犯カメラを設置していない小学校や古くなったカメラの買い替えを検討している学校は、是非下記留意点を確認して導入してみるといいでしょう。
いじめ対策も可能!小学校の犯罪リスク
小学校の防犯カメラ設置は、不審人物の侵入を阻止するのが目的となります。近年は凶悪犯罪が増加しており、生徒に手をかける凶悪事件も過去に発生しています。防犯カメラで不審者をいち早く見つけることで、教諭を含めた大人たちが不審者の校庭への侵入を阻止し、生徒との接触から守ることができます。
しかし、小学校の防犯カメラ設置はそれだけではなく、以下の対策にも有効です。
- 生徒間の喧嘩・いじめの証拠
- 教師と生徒の関係把握。教師の間違った指導方法の証拠
- 職員室における教員の内部不正の証拠
- 盗難の証拠
小学校には不審者の侵入以外にも数多くの犯罪リスクがありますし、近年は生徒の喧嘩やいじめも想像を超える事態に発展することもあります。生徒の保護者との良好な関係を築く一助にもなりますので、小学校における防犯カメラの導入は積極的に推奨されます。
公立の小学校は補助金を活用するのがおすすめ
近年は毎年国・自治体が積極的に補助金制度を実施しています。補助金の交付対象となるのは地域の治安向上を担う商店街管理組合や自治会・町内会が主となりますが、効率小学校に関しても補助金の対象となることも多いので、まずは地方自治体のホームページを調べて、公立小学校が申請できる補助金・助成金の有無を確認するといいでしょう。
私立小学校は補助金を使えない?
公立小学校は地方公共団体が市民の税金を使った運営していますが、私立小学校は民間企業と扱い自体は変わりありません。そのため、補助金制度の中には公立は補助対象となるが私立小学校は申請できない、というケースも普通にあります。
ただし、地域住民の子供が通う学び舎であることに変わりはありませんので、昨今は私立小学校でも対象となる補助金や助成金も増えてきた様子です。
部屋?廊下?小学校で防犯カメラ(監視カメラ)を設置する場所
小学校における防犯カメラの設置場所はどこが定番となるのでしょうか。小学校の立地や周辺環境によっても若干異なりますが、まずは以下の設置場所を検討してみるのがいいでしょう。
- 小学校の門の周辺・警備室
- 校庭の遊具周辺
- 校庭裏など人の気配が少ない場所
- 校庭内の死角
- 下駄箱周辺の玄関口周辺
- 廊下
- 職員室・校長室
などが小学校の定番となります。幾つか注意点がありますが、まず小学校の門に設置する際は、小学生の通学路となる道路もしっかりと映るようにしましょう。侵入を試みる不審者は小学校の外周を回って様子を見る傾向にあるため、道路側を映すことでより迅速に不審者を察知することが可能です。
また、よくある質問に「廊下や教室・各部屋に防犯カメラは設置すべきか」という疑問がありますが、基本的に教室すべてに防犯カメラを設置することはありません。防犯カメラは生徒を監視することが目的ではなく、不審者の早期発見や生徒同士のトラブルの解決です。
そのため、部屋に付ける場合は現金や個人情報・重要書類が保管してある職員室や校長室のみの設置でかまわないでしょう。
小学校の防犯カメラの運用に必要な機能とは
小学校が防犯カメラの機種を決める際の注意点として、「運用に必要な機能を搭載しているか確認する」ことが挙げられます。
不審者が小学校に侵入する際の最大の懸念事項は「生徒がまだ在校中」であることです。小学校の敷地面積は広く、校舎と校庭以外にもプールや体育館がありますし、遊具が集まる場所は死角になりやすいです。そのため、防犯カメラの機種を選択するときは、広いエリアを映せる画角が広いレンズを採用している防犯カメラを選ぶのが良いでしょう。
また、防犯カメラの形状は箱型のバレット型と半球状のドーム型があります。小学校の門周辺や校庭内を映すときは存在感のあるバレット型を設置し、教室内は小学校の雰囲気を大事にするためドーム型を選択するのもいいでしょう。
防犯カメラの映像は誰が見る?管理方法と担当者を決める
防犯カメラを設置後は適切な方法とルールを用いて運用しなければなりません。そのためには、「防犯カメラの映像を保存する方法と場所」と「防犯カメラを操作・管理する人」を決めなければなりません。
防犯カメラの映像の保存方法は幾つかありますが、基本はレコーダーを設置して内部HDDに保存します。ただし、昨今はインターネットを活用したDX化も求められており、その一環としてクラウド契約をしてオンラインストレージに防犯カメラの映像を保存するのも視野に入れることができます。
また、防犯カメラは教諭全員が映像を確認できる体制は好ましくありません。防犯カメラの映像を確認・管理する人は1人か2人として、また映像を確認する際のルールなども書面に起こし厳格に順守するようにしましょう。
小学校が防犯カメラを設置する場合は実績豊富な販売店に相談を
小学校の教諭の中で「私は最新の防犯カメラに詳しい」、「防犯カメラの設置工事の方法も費用相場もよく理解している」という人はまずいないでしょう。そのため、防犯カメラの設置が決まったあとは、まずは防犯カメラの販売店をネットで探して、現地調査に来てもらうよう手配するのがいいでしょう。
防犯カメラの購入先を決める際は、下記要件を満たした販売店に問い合わせしてみてください。
- 契約する前に実地調査&ロケテストに営業担当者が小学校に来てくれる
- 「防犯設備士」の資格保有者が販売店に在籍している
- 見積りの内訳が具体的かつ明瞭
- メーカー代理店ではなく、数多くのメーカーの機種を扱っている販売店
- メーカーから直接卸している一次店
- 営業担当者の人柄がよく誠実
- 小学校の導入及び補助金申請の実績がある
などが基本条件として挙げられます。1社だけに問い合わせるのではなく、複数の販売店に問い合わせて比較検討するのが良さそうです。
まとめ:小学校の防犯カメラの設置は早急に
小学校に防犯カメラの設置を検討している担当者は、できるだけ早急に販売店に相談することをおすすめします。不審者がいつ現れるか分かりませんし、もしかすると既に下見を終えているかもしれません。
防犯カメラは不審者や犯罪者にとって非常に脅威になるので、設置を決定したらなるべく早くに導入するといいでしょう。