事務所の放火・火災の脅威を未然に防ぐ方法を解説
会社の事務所が抱える重大なセキュリティリスクの1つに「放火・火災」が挙げられます。火災といえば煙草の不始末や電気系統が出火原因とイメージしがちですが、実は日本国内においては「放火」による火災も非常に多く報告されています。
そこで、ここでは事務所で発生する重大リスクのうち、火災に焦点を当てて、放火を未然に防ぐ最新の防犯対策を解説します。
事務所荒らしから放火へと発展する例も
全国で発生する事務所荒らしですが、犯罪者の中には夜間に事務所に侵入し、物品を漁ったのち、「証拠隠滅」や「ストレス発散」のために事務所を放火する例もあります。非常に身勝手な動機ではありますが、深夜の犯行であるため、警備員が気づくころには既に火の手が上がっていることがほとんどです。
また、事務所荒らしは外部犯だけではありません。会社や上司に恨みを持つ従業員や、退職した元従業員の可能性もあります。そのため、退職者には社員証の返却を求めたり、警備員にも退職者の入館を拒否するよう求めるなど、アナログ面での対策も必要となります。
事務所やビル内の放火への防犯対策を確認する
自社ビルであれば、24時間警備のほかセキュリティも徹底しているため、ビル内への侵入は容易ではありませんが、オフィスビルやテナントビルに事務所を置いている場合は注意が必要です。
一般的に貸しビルのセキュリティは脆弱性があり、また防犯カメラは建築当時の古いものを使いまわしていることがほとんどです。定期的な防犯対策の見直しもありませんし、義務もありません。そのため、現状の防犯レベルに問題がある場合は、管理会社に直接直談判するか、自社で独自に防犯カメラを設置することになります。
どの事務所も狙われる。放火の背景
放火犯の多くは、事務所に対して特別な恨みがあるわけではなく、単純に「放火しやすい環境」のため、といった愉快犯であることが多いです。日本国内における建築物の火災原因は、実は放火が1位で、全体の20%を占めます。そのため、「自分の事務所は大丈夫だろう」という根拠のない自信は捨てるべきであり、会社のBCP対策の一環として、防犯対策の見直しを本格的に検討してみるのがよさそうです。
立地環境から狙われやすい事務所を分析
計画的な放火犯は、立地環境を入念に調査し、逮捕リスクの低い事務所を狙います。放火犯にとって好条件となる事務所の立地環境は下記となります。
1.幹線道路沿い
2.建物の隣が工事現場など騒音が大きい場所
3.死角が多く、塀に囲まれている建物=内部に侵入したら外から見えない
ただし、放火犯の中には「ストレスが溜まっていたから」、「会社で怒られて腹が立っていたから」など衝動的に犯行に及ぶケースもあるため、上記環境に該当しない事務所であっても、同等のリスクあると考えるのがいいでしょう。
貸しビルに入居中の事務所は要注意。放火が危険な理由
テナントビルやオフィスビルといった貸しビルは、放火のリスクがとりわけ高くなります。自社の事務所が入居しているのであれば、より放火による火災の対策を考えなければなりません。
テナントビルに対する放火のケースでは、犯人は事務所内部に侵入して放火する場合と、ビルの裏口や階段の踊り場で火を放つ場合があり、いずれも内部にいる人間は逃げるのが困難となります。
通路や階段は一酸化炭素が充満する
貸しビルの通路や階段は無窓が多く、一酸化炭素が充満するリスクが高くなります。火災による死亡の原因は、火傷と一酸化炭素中毒がほぼ同じ割合となり、特に高層階に入居している事務所は、火災が発生した際のレギュレーションや初期対応方法を確認してみるといいでしょう。
事務所は未然に防ぐ放火対策を検討する
上記でご紹介したように、放火は場合によっては従業員の命に関わる重大なリスクとなります。しかしながら、一旦火を付けられてしまっては、犯人を特定できたとしても火災を防ぐことはできません。そのため、放火を防ぐ最も効果的な防犯対策は、「不審者を侵入させない」、「放火犯にこの場所での犯行を思いとどまらせる」ことにあります。
事務所の放火に対する対策は防犯カメラが最適
事務所における放火の対策は、防犯カメラが最も現実的かつ最善と言えます。本格的に火の手が上がってしまっては、火災用スプリンクラーや消火器では鎮火することができません。
近年の防犯カメラは非常に性能が高く、10年前と比べるとあらゆる面で優れており、放火犯の新しい手口にも対応しています。単に人間を監視するだけではなく、防犯カメラ自体に侵入抑止の効果があるため、一度最新の防犯カメラを調査してみてはいかがでしょうか。