商店街の不審者対応。事件発生を防ぐ防犯対策方法
商店街の管理組合は、不審者に対する防犯対策も疎かにしてはいけません。大勢の老若男女が行き交う商店街では、想定されるあらゆるリスクに対して対策を講じる必要があります。
不審者の商店街への侵入や店舗の利用を許してしまうと、のちに重大な事件に発展することもあります。一度の油断で多くの人が被害に遭う可能性もあるため、全国の商店街管理組合は、事件の発生を防ぐための防犯対策を日ごろから実践してください。
商店街で発生する不審者と事件性
不特定多数の人が行き交う商店街では、犯罪を企てる不審者も紛れ込んでいる可能性を考慮しなければなりません。では、商店街における不審者の行動は、どういった犯罪リスクを抱えているのでしょうか。
昨今はお年寄りも多い万引き犯
商店街は古くからの老舗も多く、そういった店舗では比較的防犯対策が緩いため、万引きの温床となっています。万引きに気づいたのが日が経ってからであれば、防犯カメラで数日分のお客の動きをすべてチェックするのは至難となります。
犯人は中学・高校生が多いイメージですが、昨今はお年寄りの万引きも多く、「年金生活じゃやっていけない」、「一人暮らしが寂しかったものでつい」といった自身の生活に関わることを理由に万引きに及ぶケースが見受けられます。
夜間に忍び寄る放火や侵入盗
閉店後のシャッター街となった商店街を標的に、路地や裏口があるお店を探して侵入を試みる不審人物もいます。商店街は個人商店が多く、大抵の店舗は防犯カメラが1台か2台で、生活費も一緒に金庫やレジに入れている可能性が高く、現金管理が甘いことが狙われる原因になります。
また、商店街の路地に面した店舗や雑居ビルを中心に、愉快犯による放火事件も過去に事例があります。本来であれば路地裏や裏口には放火対策の防犯カメラが設置されているべきですが、商店街の店舗でそこまで気が回るところは正直少なく、放火を止めるすべがないのが現状となります。
商店街の治安が問われる通り魔
2008年には16歳の少年が通行人5人を次々と刃物で切りつける事件が発生。
2012年には大阪の繁華街で住所不定無職の男がナイフで2人を殺害。
2018年には神奈川県横浜市の商店街で無職の男が2人をナイフで殺傷。
いずれの通り魔も犯行動機は「自殺したかったが死にきれなかった」、「神様がやれと命じた」といった一般人では到底理解の及ばないものとなり、被害者との関係性も皆無です。
当然テレビや新聞メディアにも大々的に放送されますし、子供はおろか大人でも事件後当面の間は商店街に近寄ろうとはしないはずです。
商店街における不審者の特定は困難
上記は商店街で懸念されるセキュリティリスクですが、実際は不審者はまだ犯行に移していないため、仮に周囲が不審に思っても警察に通報することなく見逃してしまうケースがほとんどです。そのため、商店街のコミュニティを活かした店舗同士の情報共有や連携が重要な防犯対策となります。
商店街管理組合ができる防犯対策とは
商店街におけるセキュリティリスクは、店舗に任せるのではなく、商店街全体の問題として捉え、管理組合がイニシアチブをとって防犯に取り組まなければなりません。昨今は犯罪の凶悪化や犯罪手口の多様化に対応するため、政府自治体も防犯カメラの設置に補助金を出すようになりました。予算の問題が足かせになっているようならば、一度自治体の補助金制度を調べてみるといいでしょう。
ソフトの強化で安全な商店街づくりを
効果的な防犯対策は「ソフト」と「ハード」を両立することで実現します。ソフトは日頃の危機管理であったり、防犯マニュアルや管理組合の商店街の巡回、店舗同士の密接な連携やコミュニティ作りなどが該当します。安全な町づくりの一環として、管理組合でできることから実践してみるといいでしょう。
ハードの強化で不審者に行動を起こさせない
一方でハードとは防犯機器の強化を指します。昨今は全国の商店街のうち、およそ半数は防犯カメラを設置するに至りましたが、防犯カメラは2~5年に一度は最新の機種に買い替えなければ、多様化する不審者の犯罪に対応することができません。
不審者の目的と手口は多様。商店街は最新の防犯対策の検討を
人が密集している商店街は、地域住民の拠り所となる一方で、犯罪が発生しやすいエリアでもあります。そのため、商店街の管理組合は、ソフトとハードを駆使して、健やかな町づくりに努める必要があります。まずは商店街における防犯対策を最新にアップデートすることからはじめてみてはいかがでしょうか。