商店街のトラブル対策。安全な町づくりを実現する防犯対策を紹介
地域住民が足繫く通う商店街でも、幾つか懸念されるトラブルがあります。商店街同士の揉め事も少なくはありませんし、外部による犯罪リスクもあります。そこで、ここでは安全なまちづくりを実現するための最新の防犯対策を解説します。
商店街で想定されるトラブルとリスク
数多くの店舗や雑居ビルが集まる商店街では、商売を営む店舗オーナー同士、もしくは利用者との間で摩擦が生じるケースがあります。
店舗オーナーや商店街の管理組合は、想定されるトラブルとリスクをしっかりと理解することが肝要です。
商店街の店舗同士のトラブル
商店街ではしばしば店舗同士のトラブルが発生します。通常の繁華街と比較しても、商店街は店舗同士の距離が近く、老舗の店舗オーナーは縄張り意識もあるため、とりわけ新参者に関しては厳しく接する傾向にあります。
下記に挙げるトラブルは、商店街におけるありがちな店舗同士のいざこざと言えるでしょう。
・プレオープン時に近隣店舗に挨拶回りをしなかった
・食堂などから立ち込める料理の匂いが近隣店舗にまで及んでいる
・ゲームセンターなど騒音が商店街の道路や近隣店舗内まで聞こえてくる
・家賃を払わない店舗がある
商店街を狙う万引き常習犯
とりわけ駅傍にある商店街は、中学生や高校生といった若者のたまり場となる傾向にあります。若者が集まる場所は往々にして万引きが多発するため、各店舗は防犯カメラの設置はもちろん、店頭や歩道に商品をはみ出さないように注意しなければなりません。
また、最近はお年寄りが生活のために万引きをする事例も増加傾向にあり、コロナ後は特に顕著にうかがうことができます。お年寄りが犯人だと分かると、つい見逃してしまいがちではありますが、窃盗はれっきとした犯罪であり、またお年寄りの万引きは常習性が高いため、あらかじめ「万引きができない・させない」ような防犯対策を講じることで、地域住民とのトラブルを最小限に抑えることができます。
商店街で続出する当て逃げ
また、商店街のトラブルで昨今取り沙汰されているのが、「車の当て逃げ」です。商店街には商用車やタクシーが多く路側帯に止まっているため、大通りであっても道幅は狭く、自転車や車は注意して走行していないと、路駐している車にぶつかってしまうことがあります。その場で双方話し合いのもと解決されればいいのですが、場合によってはぶつかった当人が当て逃げをしてしまうこともあります。被害を受けた者としては、犯人が捕まらなければ泣き寝入りするしかないため、商店街に設置されている防犯カメラを頼ることになります。
治安の悪い商店街は廃れていく。シャッター街を避ける町づくりを
一昔前と異なり、昨今はスーパーマーケットやショッピングセンターの増加により、商店街の需要は徐々に低迷しています。地域によってはテナントも入らず、シャッター街となっている商店街も決して少なくはなく、人の通りが減少すれば、それだけ治安も悪くなり、トラブルが多発することになります。
そのため、商店街の管理組合や店舗オーナーは、一丸となってトラブル抑止の防犯対策に取り組み、地域社会の再興を計画してみるのがいいでしょう。
商店街の店舗の危機管理意識の低さも問題
商店街で発生するトラブルの抑止には、最新の防犯機器を導入するだけでは難しく、店舗や管理組合の日頃からの危機管理意識の向上も必要不可欠となります。上記で挙げた商店街にありがちなトラブルも、店舗の運営マニュアルの厳格化や歩道の整備、路駐の条件と禁止といったルールを強化すれば、多くのケースで未然にトラブルを防ぐことができます。
予算が下りない?商店街で使い続ける古い防犯機器のリスク
商店街では10年以上前に設置した古い防犯カメラを使い続けているところもあります。VHSレコーダーが未だに現役で使っている商店街も多く、仮にトラブルが発生しても、事件発生日時の録画映像が上書きされてデータが消えていることもしばしばあります。
また、屋外に設置する防犯カメラは経年劣化も早く、古いカメラは画質も鮮明ではなく、いざというときの証拠能力に疑問が残ります。昨今は商店街のような管理組合の防犯カメラの設置に対して、補助金を出している自治体もあるので、一度窓口に相談してみるといいでしょう。