病院で多発する患者の私物盗難・置き引きを解決する防犯対策
病院では以前より患者の私物盗難や置き引きが相次いでおり、防犯対策を講じていても、なかなか解決できない問題として挙げられています。しかし、盗難や置き引きを放置していると、患者からの信頼は失墜してしまいますし、犯罪者は「この病院ならやりたい放題だ」と手を緩めることなく、窃盗を続けます。
そこで、ここでは患者の私物の盗難や置き引きに困っている病院に向けて、おすすめの防犯対策及び解決策をご紹介します。
病院が窃盗犯に狙われやすい理由
病院は従来より院内における盗難や置き引き被害が多発しています。病院によって講じている防犯対策は異なりますが、往々にして窃盗犯からすると「忍び込みやすく、窃盗や置き引きをしやすい環境」となります。
病院は窃盗犯が自由に出入りできる
病院は営業時間内であれば、誰もが私服で自由に出入りすることができます。総合病院であれば、患者の親族を装うことによって怪しまれることもありません。昨今は従業員が少ない夜間を狙って、ナースステーションや事務所にある看護師の私物やパソコンを狙う窃盗犯も多くなってきました。
患者の私物盗難・置き引きの発生場所
患者の私物の盗難や置き引きの主な発生場所は、「待合室」と「入院室」になります。待合室には防犯カメラが設置されていますが、隣に座る人との距離が近すぎるため、窃盗犯からすると盗んだり置き引きするのは容易ですし、カメラに背を向けるだけで死角となります。
また、病室の大部屋は6~8人の患者が入院していますので、こちらも患者の親族をそれとなく装ったり、部屋を間違えた風を装うことにより、患者やお見舞いにきた人の私物を盗むことができます。「でも誰かが気づくでしょ」と思うかもしれませんが、窃盗犯は我々の予想以上に素早く、何気ないふりをして犯行に及ぶことができます。
病室・入院室には基本防犯カメラはない
ほとんどの病院では、プライバシーの観点から一般病棟の病室に防犯カメラは設置していません。防犯カメラを設置するとしたら、重症患者がいる病室やクリーンルーム、リカバリールームくらいです。窃盗犯もそのことはもちろん理解しているので、その場で捕まらなければ逮捕されることはないと高を括っていますし、実際その通りとなります。そのため、病室での犯行をとめる、というよりは、「不審者を病院に入れない」、もしくは「不審者が病院に入ってきたらマークをする」といった危機管理意識を持つことが大切です。
病院では昼夜問わず盗難・置き引き被害がある
病院では24時間人が出入りできる総合病院・救急病院では、昼夜問わず患者の私物の盗難や置き引きが発生します。日中は多くの人に紛れて窃盗に及び、夜間は油断している患者の私物を置き引きします。待合室は入口傍のロビーにあることも多く、犯行を終えたあとは、すぐに病院から逃げることも可能のため、多くのケースでは被害者が盗難被害に気づいたときには、すでに窃盗犯は病院にはいません。
病院内で盗難や置き引きがあった際の病院側の法的責任とは
病院で盗難や置き引きが発生した場合、病院側に法的な責任や賠償が求められる可能性は低いです。「病院に勤務している看護師が窃盗犯の犯人」、「患者から預かった私物を紛失してしまった」という場合は、無論病院側が賠償の責任がありますが、一般的に患者の私物の盗難や置き引き被害は、「紛失」とみなされます。
防犯カメラを設置していても患者の私物盗難・置き引きが発生する原因
病院の待合室や出入り口には防犯カメラが設置されていることは多いですが、出入りする人が多すぎるため、不審者か否かの判断材料がありません。また、防犯カメラを1台しか設置しない場合は、そのカメラでロビーすべてを網羅する必要があるため、広角レンズを用いることになりますが、広角レンズは広い画角を映し出すことができる一方、被写体が遠くなってしまうので、不審者の細かな行動を追うことが困難となります。
病院における防犯カメラの設置はプロが現地調査をして判断
上記のように、病院は窃盗犯にとっては窃盗・置き引きをしやすい環境となります。そのため、不審者を未然に防ぎ、侵入者に犯行をさせない防犯対策を検討する場合は、プロの防犯設備士が現地調査をして、カメラの機種や台数、設置場所を判断する必要があります。