病院の勤怠管理や日中の勤務状況の課題を解決する方法を解説!
病院の勤怠管理は一般の企業と比べると複雑で、看護師も医師もシフトに基づいて勤務しているものの、実情は非常に不規則で過重労働が目立ちます。2024年からは「医師の働き方改革」が実施されるため、いまのうちから自病院内の日中の勤務状況や従業員の勤怠管理における課題を浮彫にし、解決への道筋を検討しておくのがおすすめです。
ここでは、病院における医師の勤務状況の課題や勤怠管理の問題を具体的に挙げるとともに、解決する方法をご紹介します。
病院の勤怠管理が大変な理由
病院も労務管理に関しては年々デジタル化が進んでいる一方、勤怠管理はいまだにExcelシートで作っていたり、紙に手書きというアナログなところも多く見受けられます。
病院は特殊ともいうべき労働環境にあり、一般的には日勤夜勤、あるいは2交替制と3交替制、及び上記を変則させた勤務状況となっていますが、実際は守られているとは到底言えず、シフトの変更も度々発生しているため、誰が何時から何時まで働いているのか、といった勤務状況含む勤怠管理をしっかりとできている病院は少ないのが実情といえます。
シフトがぎりぎりで看護師が不満に感じている
某調査会社が看護師を対象に、「シフトが出る日」のアンケートを行った結果、1番多く票を集めたのは「6〜8日前」で35%でした。しかし、「1~5日前」が実に全体の半数以上の割合を占めており、看護師からは「直前にならないと勤務状況が分からないから私生活がめちゃくちゃになる」、「師長によって勤怠管理の方法がまったく違う」といった不満が多く見受けられました。
過重労働の看護師や医師を管理しきれていない
夜勤で働く看護師や、6時間以上の手術を終えた医師が、1〜2時間程度の仮眠をとったのち、再び勤務に戻るといった例も多々あります。勤怠管理をしている人事や師長は、医師や看護師一人ひとりの勤務時間を把握しているわけではなく、月末に月間の勤務時間を計算するときにはじめて「えっ、この看護師こんなに働いているの?」と驚くことになります。
本来ならば、何かしらの過重労働のサインや信号があるべきですが、勤怠管理がアナログのため、現在進行形での状況を把握できないのが現状の大きな問題点となります。
病院の日中の勤務状況の課題
病院の日中の勤務状況における課題は、「医師や看護師の集中力の低下」と「クレーマーへの対応」となります。いずれも以前から問題提起されていた案件となりますが、いまもなお多くの病院が解決の糸口を掴めず悩んでいるようです。
病院で働く医師や看護師の勤務中の眠気
上述したように、現在多くの病院が3交替制を取り入れていますが、それがきちんと守られていなかったり、連勤が続き仮眠時間もほとんどない状況が相次いでいます。寝不足により注意力が散漫になると、「倦怠感・疲労感」が増し、仕事への意欲が低下します。
無論業務に支障が出る可能性もあり、患者の命を預かる病院にとっては、致命的なミスを犯す前に何とか解決策を導きだしたいところです。
理不尽なクレーマーの対応
不特定多数の患者を受け入れている病院では、時折出現する理不尽なクレーマーの存在が悩みの1つでもあります。廊下で響くくらいの大声で看護師を怒鳴り散らしたり、理不尽な要求や責任を押し付けてきたり、場合によっては暴力を振るう人間もいます。日中の多忙を極める勤務中であっても、このようなクレーマーの対応をしなければならないのは、医師にとっても病院にとっても不利益でしかありません。
すべての病院が対象!2024年開始「医師の働き方改革」
既に周知の通りですが、2024年4月から「医師の働き方改革」がスタートします。これは勤務医の過重労働を抑制する施策の1つとなり、厚生労働省が推進しています。要点としては、「連続勤務時間の制限」や「時間外労働時間の制限」といった、医師の勤務体系や健康への配慮に基づいた法令となります。
現在アナログで勤怠管理を行っている病院は、医師の働き方改革への瞬時の移行が困難となりますので、いまのうちからITを取り入れた勤怠管理の導入をはじめるべきと言えます。