店舗の悪質なクレーマー対策と最新防犯事情
接客業の中にはクレーマーの問題に悩んでいる店舗も多く、特に飲食店では恫喝にも似た悪質なクレーマーが来店することもよくあります。
店舗ではクレーマー対策のマニュアルを用意するのも普通ですが、今回ご紹介する防犯対策を講じることによって、クレーマーに対する抑止力、及び初期対応での解決を図ることができます。
店舗におけるクレーマー被害
接客に従事する店舗では、かねてよりクレーマーによる被害を問題視しています。一昔前までは、その場で事を収めることができましたが、昨今はSNSの普及により、誰かが写真や動画でその様子を拡散することも考えられ、店舗の対応次第では第三者による激しい誹謗中傷を受けて、店舗を閉店せざるを得ない結果になることもあります。
特にアルバイトが多い飲食店では、慌ただしい時間は接客も疎かになりがちで、クレーマーへの対応を間違えたことによる二次被害も懸念されます。
悪質なクレーマー客の見分け方
クレーマーと一概にいっても、大きく分けて「難しい顧客」と「理不尽なクレーマー」の2種類に分けることができます。「難しい顧客」のクレームの例としては、
・自由に席を選べないことへのクレーム
・注文した商品が違うことへのクレーム
・待ち時間が長いことへクレーム
など客としての当然の要求を訴える人となります。
一方で「理不尽なクレーマー」は下記のように従業員を恫喝し、なおかつ何かしらの「要求」をすることが特徴です。
・従業員に土下座を強要する
・マネージャーを呼びつけてさらに激怒する
・大声で怒鳴り散らす
・SNSに拡散するなどと脅迫する」
・注文したものを「無料にしろ」、「謝罪を形にしろ」などと金銭を要求する
店舗の悪質なクレーマーが多発することによる弊害
上記のような悪質なクレーマーの来店が多発することで、店舗の運営や従業員のマネジメントに関して、数多くの弊害が発生することが想定されます。
従業員のモチベーションが低下する
クレーマーが多発する環境で働く従業員のモチベーションは、確実に低下します。理不尽に怒鳴られるクレーマーを相手に謝罪をすることしかできなく、また店舗管理者も守ってくれないのであれば、働く意欲は薄れてしまい当然です。
従業員のモチベーションの維持と向上は、店舗管理者の責務でもあります。
来店客が減少する
店内で大声で怒鳴りつけるクレーマーが頻繁に出入りする店舗だと判断されると、お客も恐れて来店しづらくなります。売上の減少はもちろん、クレーマーの対策を講じても失った顧客は戻ってはこないため、クレーマーへの初期対応及び迅速な解決が店舗に求められます。
管理者は従業員のクレーマー対応をチェックすることが大事
クレーマー対応マニュアルが各店舗に常備されてあっても、クレーマーの対応方法が具体的に記載されているわけではありませんし、クレーマーの性格やクレーム内容もそれぞれ異なります。こちらの不備により発生した顧客からの叱咤が、従業員の対応の悪さにより悪質なクレーマーへと変わることもある。
また、店舗管理者が従業員のクレーマーの対応をチェック&改善することは、悪質なクレーマーの矢面に立たされている従業員の精神不安を軽減するためでもあります。従業員が度重なるクレーマー対応によって、何かしらの精神障害に罹患した際、裁判では店舗側に安全配慮義務違反、及び健康配慮義務違反といった労働契約法違反を適用する例もあります。
店舗に対する理不尽なクレーマーに適用できる罪
店舗管理者からすると、「また嫌なクレーマーが来たよ」程度で済ませるかもしれませんが、悪質なクレーマーは「脅迫罪」、「強要罪」、「業務妨害罪」といった刑法が適用される重大な犯罪となります。
防犯カメラで証拠を取りクレーマーを排除
防犯カメラによるクレーマーの対策は非常に有効ですが、多くの店舗では防犯カメラが役に立っていない様子がうかがえます。
まず、クレーマーの対応をする場合は、周りの顧客と距離を置くため、控室や事務所に連れて行くのが普通ですが、そこに防犯カメラが設置されていないケースが多く見受けられます。また、クレーマーは大声で恫喝する特徴を持っておりますが、音声を聞き取れない防犯カメラだと、現場でどのようなやり取りがされているのか皆目分からず、証拠としては不十分となります。
度重なるクレーマーの来店に悩んでいる店舗管理者は、まずは防犯対策の専門家による現地調査を依頼してみてはいかがでしょうか。普段設置している防犯カメラの問題点や盲点、最新のカメラでできることを聞くだけでも、課題解決に向けた光明が見えてくるはずです。