美術館に赤外線検知&音声機能搭載の防犯カメラを導入した事例
美術館は大変高価かつ基調な芸術品が展示されているため、窃盗やいたずらから作品を守らなければなりません。そのため、全国の美術館は高機能の防犯カメラの設置が推奨されます。
今回は赤外線検知&音声機能搭載の防犯カメラを導入した事例を紹介します。
防犯カメラの導入を検討したきっかけ
近年はSNSやYouTubeの流行・発達により、昔には見られなかった新しい犯罪行為が散見されます。「注目されたい」、「動画の視聴回数を増やしたい」という理由で犯罪行為に手を染め、美術品にいたずらをしたり、館内で迷惑行為をする輩も絶えません。欧米では思想の偏った環境活動家が美術館の展示品にトマトやケーキを投げつける、いわゆる“ヴァンダリズム”も報道されています。
日本にもこの流れが来る可能性は十分予期されるため、今回導入いただいた都内の美術館では、事件を未然に防ぐため、いち早く最新の防犯カメラへの買い替えを決めたのが経緯となります。
美術館で赤外線検知&音声機能搭載の防犯カメラを導入するポイント
今回美術館に提案させていただいた機種は最新の赤外線検知技術と音声機能付きの防犯カメラとなります。
赤外線検知機能は、ラインやボックスを画面内で手動で引くことができ、線に人が触れた瞬間に警報が作動するシステムを採用しています。誤検知は2%以下と非常に高い精度を誇り、さらに音声機能を付与することにより、いたずら犯が作品に触れようと手を伸ばした瞬間に、防犯カメラのスピーカーから「警報作動中。展示品にお手を触れないようお願いします」と音声が流れる仕組みを構築しました。
また、このシステムはいたずらや盗難対策以外でも活用が可能です。エントランス傍に防犯カメラを設置すれば、来場者の出入りに対して「いらっしゃいませ」、「またのご来館をお待ちしております」といった音声を流すことができますし、閉館後の夜間は不審者の侵入に対してLEDライトを照射するとともに「侵入者発見。警察に通報中」と音声と光で相手を威嚇し撃退が可能となります。
美術館に防犯カメラを設置する上での注意点
一方で上記のラインやボックスで線を引くタイプでは、間違った引き方をすると普通に見学している来館者も検知してしまうリスクがあります。
また、美術品が障害物となり思わぬ死角が発生してしまい、肝心の事故・事件現場がカメラの映像に映らなかった、という危険も考えられます。
上記のような状況を避けるためにも、防犯カメラの設置に際しては専門家に現場に来てもらい、綿密な実地調査と死角の有無の確認が必要となります。
美術館に赤外線検知&音声機能搭載の防犯カメラを導入後の感想
今回導入いただいた美術館は不審者の侵入・作品へのいたずらや破壊行為を未然に防ぐことが第一の目的でした。また、美術館の担当者にとって「音声で相手を注意する」機能は非常に画期的で、また、質もよかったため高い評価をいただきました。
また、設置場所の見直しや必要となる台数の提案なども「防犯設備士」の有資格者となる弊社担当者より提案させていただいたため、より信頼できたと仰っていただきました。
防犯カメラの台数は吟味が必要
多くの美術館は1~2フロア構造となりますが、各展示コーナー間では仕切りがあるほか、ギフトショップやカフェレストランが併設しているケースも多く、すべてのコーナーで防犯カメラを一台ずつ設置するのが基本となります。
そのため、小規模の美術館でも防犯カメラの台数は増えてしまいがちなので、できるだけ不要な場所にはつけないで、要所のみに設置するため、図面を確認しながら台数を検討します。
防犯カメラナビからひと言
美術館は雰囲気を大切にするため、防犯カメラの形状や設置場所、音声機能に関しては慎重に決めなければなりません。ただし、美術館によっては、「来館者の視角に入らないようにしたい」と考えるところもありますが、これだと不審者や窃盗・いたずら犯の目にも映らない可能性があり、犯行を未然に食い止めることが難しくなります。
来館者を緊張させないよう吟味は必要ですが、あくまでも防犯カメラの目的は「事件・事故を未然に防ぐ」ためであることを念頭において運用方法を考えてください。
月々の想定コスト
月額14,000円
防犯カメラは昨今ネットワークカメラが主流となり、企業によってはオンライン上に映像データを管理するクラウド契約をするところも増えてきました。
しかし、クラウド契約は月額費用が台数分かかってしまうため、年間のランニングコストが上がってしまう要因になります。
そのため、今回の美術館にはレコーダーの利用を提案致しました。HDDではなくSSDを採用いただくことによりデータが破損しにくくなりますので、今後レコーダーを設置するお客様はSSDを検討することをおすすめします。