寺院仏閣で度重なるイタズラに対応する最新防犯対策を紹介
寺院仏閣ではかねてより境内や仏堂にてイタズラ被害が報告されています。罰当たりという言葉も空しく、不良の若者や宗教に反発する人などによるイタズラは後を絶ちません。そこで、ここでは寺院仏閣が確認するべきイタズラの事例と、安全な寺を構築する最新の防犯対策をご紹介します。
全国の寺院仏閣で悩むイタズラ被害
寺院仏閣には建築物をはじめ、仏像や掛け軸など、歴史的に貴重な日本の財産が多数安置されています。しかし、昨今はその寺院仏閣に土足で足を踏み入れ、仏堂内を荒らしたり、イタズラをする事件が多く見受けられます。
場合によっては放火や盗難など重大な事件に発展する事例も見られるため、全国の寺院仏閣は早急に自坊の防犯対策を確認して、イタズラ犯の手口に対応できるセキュリティを整備する必要があると言えるでしょう。
仏堂内の仏像にイタズラされる
寺院仏閣の僧侶が憤りを隠せないイタズラの1つが「仏像へのイタズラ」です。仏像にらくがきをしたり、油を塗ったりと、少し考えられない悪質なイタズラが昨今は問題視されています。
寺院仏閣内の器物破損・盗難のイタズラ
「お地蔵の首が取られる」、「おいなりさんの場所を勝手に移される」、「仏像の指が折られる」といった石像への器物破損も相次いでいます。2016年には韓国籍の男が福島県内の寺院仏閣にある石像119対を鉄パイプで破損させた事件も発生しました。宗教とはその国や地域の象徴的な要素もあるため、日本に恨みを持つ外国人の標的にもされやすいことが危惧されます。
全国の寺院仏閣で多発する賽銭泥棒
賽銭泥棒も全国の寺院仏閣で散見される悪質なイタズラの1つです。毎日賽銭箱のお金を集金しているのであればいいのですが、寺院仏閣によっては月に1度か2度程度しか賽銭箱を開けないところもありますので、その場合だと賽銭泥棒に気が付かないケースも考えられます。
昨今は新型コロナの事情もあり、生活に困窮して賽銭泥棒に手を出す人がお年寄りを中心に増えてきました。賽銭は参拝者の“気持ち”となるので、盗みを働くイタズラは許されるものではありません。
寺院墓地へのイタズラ
寺院墓地においても、「墓が傾いている」、「墓石が倒れている」、「お供え物が盗まれた」といった被害が報告されています。いずれも犯人からすると他愛もないイタズラ心のようですが、被害者からするとたまったものではありません。怒りの矛先はずさんな管理をしている住職へと向かいますので、墓地へのイタズラも必ず未然に防ぎたいところです。
寺院仏閣にとっての重大なイタズラ「放火」
放火が懸念される不審火も寺院仏閣ではしばしば発見されます。寺院仏閣は不良のたまり場になっていることも多く、不審火が誤って大規模な火災へと変わる可能性もあります。寺院仏閣には貴重な文化財が多数安置されているため、放火で焼失してしまうと日本の財産の損失にもなり得ます。
寺院仏閣は防犯カメラでイタズラを抑止する
上記でご紹介したイタズラは防犯カメラを設置することで大半を防ぐことができますが、重要となるのは、防犯カメラを単なる映像記録装置として活用するのではなく、イタズラなど犯行を未然に防ぐための設置を心がけることです。
イタズラ被害を受けたあとでは遅い
寺院仏閣が多大な損失を被る仏像の破損や盗難、放火といったイタズラは、被害を受けてからでは遅いですし、犯人を逮捕したところで原状回復することはできません。
イタズラ被害により寺院仏閣の権威が失墜
イタズラにより被害を受けるのは寺院仏閣だけではありません。寺院仏閣の治安が悪くなれば、子供やお年寄りは立ち入ることが容易にできなくなりますし、地域住民も不安に思います。寺院仏閣は高い権威を維持することにより、人々は信頼を寄せることができることを今一度確認してください。
寺院仏閣の防犯対策は「ソフト」と「ハード」で対応
寺院仏閣における防犯対策では、人的な危機管理対策である「ソフト」と、イタズラの手口に対応した防犯機器の「ハード」が必要となります。ソフト面では僧侶や職員が参拝者に気を配り不審者の有無を確認したり、声をかけることによりイタズラ犯の存在に気づいていることを訴えることが重要です。夜間には侵入できないよう門を閉めるといった対策も有効です。
ハードに関しては、イタズラを未然に防ぐための機能の有無など、機種の選定も重要となるほか、境内は樹木や仏像、仏堂など死角となる障害も多いため、一度専門家に現地調査してもらうのがおすすめです。