寺院仏閣で多発する賽銭泥棒対策。最新の防犯機器を整備
全国の寺院仏閣では以前より賽銭泥棒が多発しており、金銭の盗難だけではなく、賽銭箱の破損や窃盗なども問題となっています。寺院仏閣では誰もが安心・安全に参拝できることが重要となるため、賽銭泥棒であっても放っておくことはできません。
そこで、ここでは寺院仏閣の僧侶や職員に実践してほしい、賽銭泥棒の事件を未然に防ぐ最新の防犯対策をご紹介します。
寺院仏閣で多発する賽銭泥棒
寺院仏閣における賽銭泥棒は年間5500件以上発生しています。もともと寺院仏閣の多くは周辺に人影がなく、また石段を上がった先や塀に囲まれている立地構造のため、窃盗犯は容易に境内に侵入することができます。
普段は参拝客も少なく、僧侶や職員も少ないことから、早朝に堂々と賽銭泥棒に及ぶ犯人もいます。
寺院仏閣で発生する賽銭泥棒の手口
寺院仏閣で発生する賽銭泥棒の多くは、アマチュアや衝動的な犯行ですが、賽銭箱をバールでこじ開けたり、掛け金を破壊して金銭を盗むのは、窃盗に対する知識がなくとも可能となります。また、賽銭泥棒の中には賽銭箱自体を盗む大胆な人間もいます。
昨今は賽銭箱に防犯アラームを設置している寺院仏閣も多くなってきましたが、僧侶や職員が社務所を不在にしていることが分かっていれば、賽銭泥棒は無視して犯行を続けることもあります。また、防犯アラームは昔から種類やパターンが決まっているため、賽銭泥棒の常習犯からすると、すでに攻略されていることも危惧されます。
お年寄りの素人による犯行も多い
賽銭泥棒の多くはお年寄りの犯行であることにも注視しなければなりません。近年は新型コロナを受けて、より生活困窮者が増えているため、誤って賽銭泥棒に走る人間もいます。若者のお小遣い稼ぎによる犯行ではなく、お年寄りの生活費のためによる犯行であることが賽銭泥棒の特徴の1つとして挙げられます。
賽銭泥棒の被害に遭った寺院仏閣は風評被害も危惧
賽銭泥棒もれっきとした犯罪であり、窃盗犯が寺院仏閣に出没することが分かれば、参拝客を含む利用客も不安で近づくことを躊躇います。仮に賽銭泥棒を逮捕することができても、風評被害はすぐには消えませんし、昨今はSNSの普及により拡散のスピードも早く、地域住民の信頼を取り戻すためにはより多くの時間を必要とします。
賽銭泥棒を放っておく寺院仏閣は何度も被害に遭う
寺院仏閣によっては、賽銭箱の確認を毎日していないところもあります。その場合は被害金額が分かりませんし、なんの対処もしないでいると、賽銭泥棒は躊躇いもなく何度も同じ寺院仏閣を標的にして犯行を繰り返します。
寺院仏閣の関係者が賽銭泥棒を力づくで捕まえる弊害
もし寺院仏閣の僧侶や職員が賽銭泥棒を見つけた場合、声をかけたり力づくで犯行を止めようとするのは非常にリスクが高いと言えます。犯人がバールを持っていれば、それは凶器になりますし、逆上した賽銭泥棒は職員や周辺の人間を傷つけるかもしれません。
賽銭泥棒の逆恨みのリスクが高まる
また、賽銭泥棒を阻止、もしくは警察の協力を得て逮捕することができても、今度は逆恨みによって、寺院仏閣を放火、仏像など貴重品の窃盗を企てる可能性もあります。
寺院仏閣の警報アラームの効果に疑問
上述したように、寺院仏閣の賽銭箱には警報アラームが設置されているケースも多いですが、境内に関係者がいなかったり、夜間では効果が半減します。また、大抵は盗まれてしまったあとに僧侶が気付いたり、警備員が駆けつけるため、犯罪の防止にはなりません。
そのため、寺院仏閣は賽銭泥棒の犯行をやめさせる警報アラームだけでは不十分であり、そもそも不審者を境内に侵入させない防犯体制が効果的となります。
寺院仏閣に設置済の防犯カメラは機能に問題がある
寺院仏閣の中には既に防犯カメラを設置しているところもありますが、その多くは犯人の顔を特定するための“事後対策”としての役割でしかない様子です。最新の防犯カメラには光や音声警告、現場と会話ができる機能が備わった機種などもあります。賽銭泥棒を境内に侵入させない、あるいは犯行に及ぶ際に「ここで賽銭泥棒を働いたらすぐに捕まる」と思わせる防犯カメラを選ぶことができれば、高度な防犯対策を実現することができるでしょう。