寺院仏閣で不審者の侵入抑止。事件発生を未然に防ぐ方法
人々の生活の中にある寺院仏閣は、子供からお年寄りまで大勢の地域住民に親しまれている憩いの場です。しかし、閉鎖的立地環境柄、以前より不審者の出没や侵入が懸念されています。
寺院仏閣は神聖な場所であるからこそ、人々は信頼を寄せることができますし、不審者の侵入及び犯罪はあってはならないものとなります。
そこで、ここでは寺院仏閣に推奨する不審者の侵入抑止の手段をご紹介します。
寺院仏閣で不審者が多発する背景とトラブル事例
寺院仏閣では、かねてより不審者の出没が報告されていました。寺院仏閣の多くは私有地にも限らず、不特定多数の人が境内を自由に行き来することができるため、防犯対策が緩いのが不審者の侵入が多発する背景にあります。
また、既存の防犯対策では事件やトラブルが発生するまで傍観するしか手がなく、未然の犯罪抑止ができていないことも挙げられます。
お年寄りや子供を狙った犯罪
寺院仏閣は日々参拝に訪れるお年寄りや、子供が放課後に立ち寄ったりと、多くの地域住民に支えられています。しかし、子供やお年寄りといった弱者を標的にする不審者も現実に存在し、ひったくりや暴行、露出狂などが危惧される犯人像となります。
不審者が凶悪性の伴う愉快犯である場合は、命を脅かす危険性も考慮され、警報アラームなどが作動しても犯行後であればどうすることもできません。
寺院仏閣に対する放火犯・窃盗犯が下見をしている
日本全国で発生する火災の1~2割は放火が原因と言われています。寺院仏閣でも放火による火災事故は全国で発生し、また仏像が盗まれる事件も多発傾向にあります。
放火犯や窃盗犯は事前に綿密な下見をすることが多く、僧侶や職員の人数、不在となる時間帯、防犯カメラや防犯機器の有無と場所などを調べ上げます。また、近年は生活困窮者による賽銭の窃盗なども増加傾向となり、寺院仏閣はより一層不審者の侵入を防ぐ手立てを検討しなければなりません。
防犯対策なしでは寺院仏閣の不審者侵入は止められない
上述したように、寺院仏閣では境内に入るときに監視の目やセキュリティチェックがないため、不審者は自由に出入りすることができます。賽銭箱や仏堂の出入り口といった局所的に防犯カメラを設置する例はありますが、不審者は下見をしているため録画されていることは承知しています。
特に仏像を窃盗する犯罪者はプロの手口となり、組織的な犯行であることが多く、境内に侵入されてからでは遅い、ということを住職や関連職員は覚えておかなければなりません。
寺院仏閣で不審者の侵入を許すことで仏像が狙われる
寺院仏閣には文化財となる仏像が安置されていますが、不審者の侵入を許したことにより、仏像の盗難被害に遭うことも想定されます。2000年以降はインターネットの普及と外国人犯罪の増加により、仏像の盗難事件が目立つようになりました。一度海外に不正輸出されてしまうと、取り戻すことは極めて困難となります。
寺院仏閣の不審者の侵入により治安が悪化
不審者の侵入を容易く許してしまう場合、寺院仏閣としての権威も低下してしまいます。治安が悪ければ、寺院仏閣を拠り所とする子供やお年寄りも寄り付かなくなります。仮に防犯対策を強化して安全確保に努めたとしても、事件が発生してからでは、失った信頼を取り戻すことは難しいと言えるでしょう。
寺院仏閣に不審者を侵入させない防犯対策が必要
上記のことから、寺院仏閣が検討すべき最善の防犯対策は、「不審者を境内に侵入させない」ことであることが分かります。
また、寺院仏閣の僧侶や職員関係者が不審者の侵入によるリスクをしっかりと理解することも大切です。防犯対策は人的対策である「ソフト」と最新のセキュリティ機器である「ハード」の2つに取り組むことが重要となることを、今一度確認してみてください。