店舗のレジの不明金の多発。防犯対策で内部不正を解決

店舗における悩ましい問題の1つとなる「レジの不明金」。長い間立て続けに発生するようならば、従業員による内部不正も視野に入れなければなりません。しかし、レジの不明金は難しい問題である一方、手口が明確なので、適切な防犯対策を講じることで内部不正は最小限に抑えることも可能です。

ここでは多発する店舗レジの不明金の課題を、日頃の防犯対策で解決する方法をご紹介します。

店舗で必ず発生するレジの不明金

コンビニやアパレル、飲食など業界は異なっても、レジによる現金の出し入れが発生する店舗では、少なからず「レジの不明金」が発生します。営業終了後にレシート（帳簿）の合計金額とレジの現金が合わない店舗トラブルとなりますが、通常であれば数円から数十円程度で済みますし、数え間違いであることもよくあります。

数十円程度であれば、その場にいるマネージャーや店長がポケットマネーで補填する場面も見受けられますが、場合によっては内部不正による可能性も拭いきれません。本来ならば、従業員の勤怠管理と併せて、レジの不明金もしっかりと解決策を模索するべきと言えるでしょう。

レジの不明金が出る一般的な原因

人の手で現金や商品を操る以上、店舗におけるレジの不明金は、必ず発生するものという認識は持つべきといえます。

コンビニのような1日に数百人の客に対してレジを打つ場合は、数円程度の不明金が毎日発生することもありますが、レジの不明金は、一般的には下記が原因となります。

・打ち間違い
・釣銭間違い
・数え間違い
・レジのお金を落としてしまい紛失
・二重決済

店舗のレジの不明金は内部不正の可能性がある

その一方で数千円単位でレジの不明金が発生する場合は、内部不正の可能性も考慮しなければなりません。犯罪意識の低い従業員の不正は、何かしらの措置を取らなければ一向に解決することはできないことを覚えておいてください。

空打ち

店舗のレジの不明金の原因が内部不正の場合、まず考えられるのが空打ちです。空打ちはレジを通さないで商品を客に渡す行為のため、その場で判断することができませんが、商品をスキャンしているか否かは見ればわかります。ただし、防犯カメラで逐一監視するわけにもいかないため、大抵は棚卸のときに誤差が出て発覚します。ただし、空打ちか万引きかは分かりませんので、結局うやむやで片付けてしまいがちです。

空打ちをする従業員は高校生のアルバイトが圧倒的に多く、先輩にやらされたり、友達に空打ちしてあげることで感謝される、といった理由が主となります。しかし、空打ちは窃盗と同じ犯罪となるので、少額であっても店舗側としては放置することはできません。

取り消し処理による着服

商品を会計したあとに、取引履歴を消去して、受け取ったレシートの合計金額を着服する不正行為です。お客に対する返品・返金対応で使うシステムを利用した悪質な手口となります。最近は従業員一人ひとりに個別バーコードをスキャンさせて、レジ操作をしている人間を調査することができますので、一人の従業員があまりに多くの取り消し処理を行っている場合は、内部不正による着服を考えることができます。ただし、着服した現場の証拠がない限りは、本人に自白させる方法しかないため、本人が頑なに「やっていない」と言えば、店舗側は判断に困難を強いられます。

従業員に自制を持たせる「ソフト」の工夫

店舗のレジの不明金を防ぐためには、「ソフト」と「ハード」の両方による対策が必要となります。ソフトに関しては「面接や契約の取り交わしの段階で内部不正を許さないことを警告する」、「常に防犯カメラでレジ前の挙動を監視している旨を告げる」、「日頃からレジの不明金の確認をしっかりと義務付ける」のように従業員にレジの不明金に対する意識と危機感を持ってもらうことが大切です。