資材置き場の重機の盗難リスクと解決策
資材置き場の備品の中で最も高価な「重機」ですが、昨今は重機の窃盗を企てる組織犯罪も活発化しています。1台の重機が盗難被害に遭うだけでも、企業にとっては致命傷となり得る損害を負うことになります。そのため、資材置き場の管理者は、最新の防犯対策を講じることをおすすめします。
しかし、実際は防犯カメラの設置状況はそれほど芳しくなく、また防犯カメラを設置しても、不審者の侵入を未然に防いだり、犯行に及ぶ際の脅威にはなっていない様子が伺えます。
そこで、ここでは資材置き場における重機の盗難リスクと、防犯カメラによる解決策をご紹介します。
資材置き場の盗難リスクとは
資材置き場は屋外の空き地を利用しているケースが大半で、仮に仮設建物を作っても、大抵はプレハブとなるので、外から中の様子は丸見えとなります。犯罪者からすると、手に取りやすく、目につきやすい物は窃盗が容易となりますので、それだけ盗難リスクを高めることとなるのは言うまでもありません。
近年資材置き場で「重機」の盗難が増えている
資材置き場において盗難リスクの高いものといえば、電動工具や銅線、電線を真っ先にイメージしますが、近年全国の資材置き場で多発傾向にあるのが、「重機・建設機械」の盗難被害です。
一見すると「重機を盗むなんて……」と訝しく思うかもしれませんが、窃盗犯も昨今は組織だった犯行が多く、複数人の犯行、及び計画性の伴う窃盗においては、重機であろうと盗むのにそう大きな労力はかからないのが実情となります。
重機(建設機械)の合い鍵は簡単に作ることができる
重機のような建設機械は、実は合鍵を簡単に作ることができます。重機はメーカーや型式で鍵が統一されているため、一般の車やバイクのように、1台1台異なる鍵という概念がありません。
そのため、事前に資材置き場に置かれている重機のメーカーや型式を調べることができれば、ネット通販などで合鍵を調達することは比較的容易となります。
資材置き場の重機は下見されやすい
上述したように、資材置き場は他の業種と比較すると、遥かに下見がされやすく、一度の不審者の侵入を許すことにより、多大な盗難被害を受けることが予想できます。
盗難被害のリスクが懸念されている重機や備品は、野ざらしで置きっぱなしにされていることが多く、特に大型重機は塀の外からでもメーカーや型式を確認することができます。そのため、犯罪者にとっては不測の事態をあまり想定することなく、当初の計画通りに犯行に及ぶことができるのが、資材置き場の特徴と言えます。
作業着を着て重機を操縦すれば怪しむ人はいない
侵入者は犯行時に作業着を着用することにより、周囲に怪しまれることなく窃盗に及ぶことができます。仮に人通りのある昼間であっても、作業着を着た人間が重機を操縦していれば、誰も怪しむ人はいませんし、警察に通報する人もいないでしょう。
また、防犯カメラを設置している資材置き場に関しても、敷地全体を収める画角の広い広角レンズを使っているため犯人の顔を特定することができなかったり、古いカメラのため夜間の解像度が低くて使い物にならなかったりと、防犯対策に問題を抱えているケースも散見します。
資材置き場では従業員による重機の盗難も相次ぐ
昨今は資材置き場において、従業員内部による犯行もしばしば見受けられるようになりました。従業員もしくは元従業員であれば、重機の鍵が置いてある場所は分かりますし、他の従業員のシフトも容易に確認することができます。元従業員の犯行の場合は、会社に特別な私怨を持っていたり、仲間連中にそそのかされて犯行に及んでしまうことが多いようです。
鍵さえあれば、重機を持ち出す時間はわずか数分で事足りますので、従業員の不在を見計らい、仲間と一緒に窃盗するのであれば、素人であっても十分可能となります。
重機は中古でも数百万円、最新の型式で見た目も綺麗であれば、1000万円で転売することもできます。犯罪意識の薄い従業員であれば、その事実を知ればよからぬことを考えてもおかしくはありませんので、資材置き場の管理者や社長は、そういった小さな可能性も考慮した上での防犯対策が必要となります。
資材置き場の重機の盗難。鍵の管理方法を徹底に
資材置き場の重機の盗難を未然に防ぐには、ハードとソフトの二つの側面から防犯対策を講じる必要があります。資材置き場に適した防犯カメラを設置するだけではなく、重機に鍵をつけっぱなしにしない、鍵の管理者を決めておく、人目のつかない場所に鍵を管理する、といった日ごろの危機管理も今後は極めて重要となります。