資材置き場のパーツ盗難のリスクと最適な防犯対策を解説
資材置き場は従来より盗難被害が多い業種として知られていましたが、近年はパーツの盗難が増加傾向にあります。資材置き場という性質柄、窃盗犯は繰り返し犯行に及びますし、なかなか犯人逮捕に繋がらないことが懸念されています。そこで、ここでは資材置き場におけるパーツ盗難のリスクを解説するとともに、今すぐ実施してほしい防犯対策をご紹介します。
資材置き場と防犯システムの現状
一昔前と比べると、資材置き場の管理者の危機管理意識の向上により、大分防犯対策も普及してきた印象を受けます。しかし、防犯カメラを通販で購入し、自力で設置しているケースが大半のため、「設置場所が不適切」、「犯人を特定できる場所にない」、「死角が多い」といった資材置き場が目立ち、往々にして侵入者の脅威になっていない様子がうかがえます。
資材置き場で懸念されるリスク
資材置き場で講じられている防犯対策のほとんどは、建設資材の盗難防止のための防犯カメラの設置となりますが、近年は電動工具や金属パーツの盗難、車上荒らし、放火といった幾種の犯罪が多発しており、資材置き場の管理者は多様化するリスクに対応した防犯対策を検討しなければなりません。
資材置き場が狙われる理由
資材置き場は屋外に広い敷地を有することがほとんどです。見通しがいいため、プロの窃盗犯はもちろん、素人まで犯行を企てやすく、なかなか犯罪件数が減らないことが挙げられます。また、郊外にある資材置き場は往々にして犯人が捕まりにくいことも犯罪率の高さに現れていると言えます。
人気の少ない地域にある資材置き場
人の気配のない郊外にある資材置き場に対しては、犯人は時間をかけて下見をすることができます。幹線道路や高速道路周辺の資材置き場も盗難リスクが高く、バンや軽トラで乗り付けて、数十キロ単位でパーツを盗み、そのままICから高速道路に入って逃走するパターンが常套化しています。
郊外地域であれば出入りする従業員の人数や不在とする時間帯も把握が容易ですし、資材置き場を囲んでいる塀が無い場合は、どんな建設資材やパーツ、車両があるかも一目で分かってしまいます。犯罪者からすると、資材置き場は非常に侵入・窃盗しやすい環境にあると言うことができるのです
市街地の資材置き場も防犯リスクが年々高まる
郊外の資材置き場は下見の容易さが懸念されますが、市街地であっても防犯対策を疎かにしてはいけません。夜間警備をつけていないと、いつの間にか不良のたまり場になってしまい、煙草の吸い殻から火災に繋がる恐れもあります。まだ犯罪意識が低い若者ならば、誰かにそそのかされて窃盗を働くことも考えられます。また、窃盗犯が作業着を着用して犯行に及ぶことにより、人通りがあっても怪しむ人はいませんので、犯人逮捕にはなかなか繋がりにくいことも現状の課題となります。
資材置き場で近年増加傾向の「パーツ盗難」被害
上述したように、資材置き場における犯罪も年々多様化しており、防犯対策も一筋縄ではいかなくなっています。しかし、その中でもとりわけ多くの盗難被害が報告されているのが「パーツ盗難」です。
金属価格が高騰。パーツ盗難が多発しているわけ
資材置き場における主なパーツ盗難は金属部品となります。単に建設資材だけではなく、車両のタイヤやホイールといったパーツも盗難されやすく、建設資材だけを映す防犯カメラでは度重なる犯罪に対応しきれない現状があります。
近年は新型コロナの影響で金属価格が高騰しており、電線、銅線、鉄板、鋼管、アルミといった金属が盗難の的となっています。市街地の資材置き場であれば、盗まれて即リサイクルショップに売却されるため、取り返すことも難しくなります。
金属パーツはネットでも高く転売できる
金属素材は2021年中頃から徐々に高騰をはじめ、2022年になると通常価格の1.5~2倍まで仕入れ価格が上昇をしています。しっかりとしたリサイクルショップであれば、出所不明の金属パーツは買い取らないのが普通ですが、ネットであれば誰もが出品・販売をすることができますし、匿名性が高いため、なかなか犯人の足取りを追えないことも懸念材料です。
資材置き場の窃盗犯は常習性が高い
資材置き場を狙う窃盗犯の多くは、「資材置き場を専門とした窃盗犯」であることが多いです。一度資材置き場での侵入及び窃盗の方法を覚えてしまえば、他の資材置き場にも応用することができます。資材置き場での建設資材やパーツの置き場所、車両の車種、鍵の在り処などは、基本的に資材置き場であれば共通しているからです。結果的に、味を占めた窃盗犯が、資材置き場ばかりを狙うことになります。