駐車場で多発する自動車の盗難。効果的な防犯対策を紹介
以前より全国の駐車場で多発している自動車の盗難。特に近年は外国人組織犯罪も含めて、窃盗犯の肥大化、凶悪化が目立ちます。従来の防犯カメラやセキュリティ機器では役に立たない可能性も高いため、駐車場の管理者は、最新の犯罪動向を踏まえた防犯対策を講じる必要があります。
そこで、ここでは駐車場で多発する自動車の盗難対策をご紹介します。
駐車場の自動車盗難が多発する背景
駐車場の自動車盗難が多発する背景として、「中古車の輸出が容易である」ことが1つの理由として挙げられます。もともと日本車は世界の発展途上国・先進国問わず人気があり、中古車でも高値で売ることができます。
外国人組織犯罪の増加や暴力団の資金集めのために、駐車場に止まっている自動車が狙われているのが現状にあります。
犯行の手口も年々多様化の傾向にある
外国人犯罪による新たな犯行手口の流入や、現状の防犯対策に対応した新しい窃盗方法など、駐車場の自動車盗難は年々多様化しています。
また、日本は昔から安全神話があり、そのせいか日本人の危機管理意識は他国と比べて低い印象があります。そのため、「タイヤロックをしていない」、「GPSを付けていない」、「セキュリティアラーム(防犯ブザー)をつけていない」といった自動車が散見されます。これらはプロの窃盗犯からすると、非常に「盗みやすい自動車」ということができます。
自動車の盗難に遭いやすい駐車場とは
自動車の盗難は、屋内よりも屋外の駐車場が盗難被害に遭いやすいことがデータから分かります。そのため、立体駐車場よりも空き地を利用した月極駐車場や、時間貸しのコインパーキングなどが被害に遭いやすいです。
自宅の駐車場が最も自動車の盗難に遭いやすい
駐車場における自動車盗難の統計データから、自宅の屋外駐車場が最も盗難件数が多いことが分かっています。周辺が静まり返った深夜の時間帯であれば窃盗も容易ですし、自宅に止めている自動車の大半はタイヤロックなどをしていなく、開錠が簡単です。また、ガレージのシャッターは防犯対策としては有効ですが、プロの窃盗犯であれば鍵部分を切断してこじ開けることも容易なので、安心してキーをつけっぱなしにするのは非常に危険です。
組織犯は月極駐車場の自動車を狙う
自宅に駐車場スペースがない家庭や、駅周辺に自動車を止めて電車で通勤をするサラリーマンは、月極駐車場を利用している人が多いです。その一方で、組織で活動する窃盗犯は、自宅駐車場ではなく、一夜でまとまった台数を盗むことができる屋外の月極駐車場を犯行場所に選びます。ぱっと見て防犯レベルが低いところ、防犯カメラは作動しているものの、設置場所が悪く死角が多発していたり、台数が少ないため窃盗犯にとって脅威でない駐車場は要注意です。
トラックや重機専門の駐車場における盗難も増えている
また、昨今は2tから4tのトラックや重機の専門駐車場における盗難被害も増加傾向にあります。トラックも重機も合鍵を作るのが容易く、また、中古であっても数百万円で転売することができ、すぐに買い手を見つけることができるのも窃盗に拍車をかけています。
駐車場の自動車の盗難は犯人が見つかりにくい
盗難被害に遭った自動車は、速やかに解体されてパーツとして売却されます。自動車パーツの買取店は数多くありますし、中には窃盗犯と共謀しているお店もあります。また、近年はネットの普及によって、通販サイトやECモールで販売することもできるようになり、犯人の足取りを追うことも困難となりました。
さらに上述したように、近年は盗難された自動車が海外に輸出されるケースも多発しているため、仮に犯人を逮捕することができても、盗難に遭った自動車はすでに海外に渡ってしまい、戻ってこない可能性も高いです。そのため、駐車場の管理者は、「犯人を逮捕するための防犯カメラの設置」ではなく、「窃盗犯を駐車場に侵入させない防犯対策」を講じることが重要となることを肝に銘じておきましょう。
自動車の盗難対策が間違っていることも。最新の防犯対策を見直して
駐車場の防犯対策を見てみると、5年、10年前の旧式であることが多く、窃盗犯もそれを十分に理解しています。駐車場の管理者に知ってほしいのは「防犯対策と窃盗団の手法は良くも悪くも日進月歩」ということ。10年前と今では、駐車場の自動車を盗む手法はまったく異なっていることを理解しなければなりません。
そのため、防犯カメラの性能や機能を最新にアップグレードする必要があるとともに、現代の犯罪心理に基づいた防犯対策を試みなければなりません。