駐車場の不法投棄の問題と防犯カメラによる解決方法を解説
日本国内における駐車場件数は例年増えていますが、それと同時に管理者を悩ませるトラブルも多発しており、また、往々にしてその問題は全国で共通しているようです。
今回は数多くある駐車場にまつわるトラブルの中でも、「不法投棄」に焦点をあてて、問題の具体例や効果的な防犯対策、及び解決策をご紹介します。
駐車場管理におけるさまざまな問題
駐車場ではかねてより車へのイタズラや部品・車両の盗難、車上荒らしなどが横行しており、全国的な問題として懸念されていました。特に空き地を活用した屋外駐車場が標的にされやすく、不良や愉快犯、プロの組織犯に至るまで犯行に及ぶため、駐車場管理者は常に最新の防犯対策を講じる必要があります。
不法投棄は駐車場で発生する重大な問題
駐車場で懸念されている重大な問題の1つが「不法投棄」です。全国の駐車場で問題視されているトラブルで、放っておくとより酷くなる一方のため、防犯対策を講じて犯人を特定するだけではなく、未然に防ぐ手立てを考えなければなりません。
駐車場管理における不法投棄の問題点
駐車場における不法投棄の問題は非常に深刻化しており、地域住民が常習的に不法投棄をする例もあれば、不法投棄を巡り賠償金トラブルに発展することもあります。
不法投棄されたゴミは駐車場が負担する
普通の家庭ごみ程度であればゴミ捨て場に持っていくだけで済むのですが、粗大ごみのような処分に費用がかかる不法投棄の場合、費用は駐車場側が負担しなければなりません。
不法投棄のゴミが産業廃棄物の場合
悪質業者の中には、報酬を受け取って産業廃棄物を引き取り、適切な処理をすることなく、駐車場に不法投棄をする例も見受けられます。ガラスくずや廃プラ(廃タイヤ等)などが多く、これらも万一不法投棄された場合、駐車場が費用を負担する必要があります。もし産廃を放置しておくと、条例違反にもなりますので早急な対応が必要です。
不法投棄が続くと駐車場の稼働率が下がる
「なぜ駐車場側が不法投棄の処理費用を払わなければならないんだ」という意見は尤もですが、不法投棄されたゴミをいつまでも放っておくと、外観を損ないますし、ゴミが放置されている駐車場に自分の車を止めたいと思う人はいません。不法投棄を放っておくと、処理費用の負担が増えるだけではなく、駐車場の稼働率が下がり、経営不安に陥ってしまいかねません。駐車場経営における定番トラブルとしてある程度は許容して、防犯対策により不法投棄を少なくすることに努めるのが賢明と言えます。
駐車場に不法投棄をする犯罪心理とは
駐車場に不法投棄をする犯罪者の大半は「このくらい大丈夫でしょ」、「みんなが捨てているから」といった安易な思考で犯行に及びます。特に常習性の高い人間や一般の地域住民は、不法投棄における犯罪意識が低いため、立て看板で注意をする程度では止める気配がありません。防犯対策を講じるとともに、多少強い圧力をかけて警告を発する必要があります。
不法投棄を処分したことによる賠償金トラブルも
バイクや自転車の不法投棄を見つけて処分したはいいものの、後になって持ち主が「ただ少しの間置いていただけだ」と激怒する事例も過去にありました。駐車場に放置された自転車やバイクを「駐車場に置いておく方が悪い」と無断で処分してしまうと、所有者との間で賠償金トラブルに発展することもあります。
簡単なように見えて、複数の条例や民法が絡む複雑な事案となりますので、駐車場管理者は不法投棄と言えども、細心の注意を払って対処しなければなりません。
防犯対策を講じて不法投棄を未然に防ぐ
駐車場の立場からすると、不法投棄の扱いは非常に手間と費用がかかります。そのため、犯人を特定することはもちろんですが、そもそも不法投棄をさせない駐車場作りを構築するのが重要となります。
防犯カメラを設置していても不法投棄が減らない理由
有料駐車場は、通常全体を監視できるよう防犯カメラを設置しています。しかし、防犯カメラの設置場所によっては効果的に作用しなく、不法投棄を企てる人間に対して驚異的な存在とはなりません。
防犯カメラを「監視」するためのツールとして設置していると、いつまでも不法投棄は続きます。防犯カメラは監視ではなく、犯行を未然に防ぐための防犯機器であることを認識して、適材適所に設置するようにしましょう。